2003年5月例会山行報告

上ノ所のバス停から余野川沿いの国道を北上して、最初の橋を渡る。ここで、軽く準備体操をして、現在地点を確認する。 いよいよ、あの噂に聞く、展望のない、少々陰気な天台山山頂を目指して出発だ。しかし、太陽は何故か嬉しそうに輝いている。
 今回は、読図山行の企画なので、メンバー一人一人が主体的に山の自然を満喫できるように、例会担当者の温かい配慮で、 トップを交代で担当してもらいました。トップバッターは、田中女史。 沢沿いの林道をお喋りをしながら歩いていても、標高300Mの取り付き地点を見逃さない観察力はさすがですね。 ここから本格的な登りになり、池田さん、鈴木さん、高尾さん、金谷さんの順でトップを交代しながら山頂まで登る。 先ずは、健脚の池田さん。どこから登ろうかな、と悩んでいた様子だが、なんとか東西に延びる支尾根に乗る。 薮の中に茨が結構多い。茨と格闘しているうちに、茨の冠を戴いた救世主IKEDAは、迷える子羊10人を554Mの小ピークまで導きたもうた。感謝。 次に鈴木さんの登場です。山の開放感に酔ったのでしょうか。方位を北北東に定めなければならないところ、西の方へと下り始めたのです。 歩く理性と呼ばれる彼の判断力を鈍らせたのは、山の物の怪かもしれません。 ウオッホッホ、ウオッホッホ、怖いですね、コワイデスネ、でも見てみたいですね。 ちょっと魔界に迷い込みそうなので、高尾さんと金谷さんの素敵なデュエットで針葉樹林帯の尾根道を山頂まで歩いてもらいました。 二人の可愛さに、物の怪も近づいて来れず、念願の山頂で、三等三角点を拝むことができました。 初谷川へ下るラストは、ロッキーが誇る逸材、井川さんが担当です。 大きな枯れ木が倒れるなど、波乱万丈の下山でしたが、そこは、仙界に住む井川さんのこと、秘伝の呪術で無事切り抜けることができました。
 さて、人の踏み跡のない山を、地形図を頼りに歩きたいという想いに憑かれて、はるばる天台山にやって来たのですが、 地形図の中にルートを想念するや否や、この山旅は、ありふれたハイキングコースとなってしまうのです。 天空でさえ、電波や航路が張り巡らされている今日、形而下の「道」の有無は、ほとんど無意味に等しい。 「道」という名辞は、より一層形而上的であることが求められる。 原始の森や空間は、神霊が縦横無尽に遊行し、邪霊も跋扈する、まさにあらゆる霊が遍満する世界であったであろう。 その様な場を歩く時、ルートを線として意識した瞬間、山の自然や神霊と一体化する法悦の境地は得られない。 読図山行の妙味は、ルートを点の連続として認識することに、その本質があると思われる。 (N.K記)

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