■ 蒼き空 〜三峰山山行記〜

久しぶりにロッキーの山行に参加した。山への期待より、懐かしいメンバーと一緒に山に登れることが嬉しくて、朝からそわそわと鶴橋の集合場所に出かけたが、なぜか改札口には誰も来ていない。
 長い休眠(休会)から目覚めたばかりで、日にちを間違えたのかな、と思いながらも榛原駅に着くと、いつもの素敵なNさんが僕を待っていてくれて(ちょっと違うかな)ホッとひと安心。1時間ほどバスに揺られて、登山口に到着。
 プラチックブーツに10本ヅメのアイゼンを着けて完全装備しているのに、雪らしきものは辺りには見あたらない。自分にとっては、今年になって初めての山登りなので、この靴の重さに足が耐えられるだろうかと、少々不安が心をよぎった。なにぶん過剰装備が趣味なのだ。Iさんはというと、アイゼンなしで登ろうという意気込みが身体中にみなぎっていた。少々圧倒されながらも、十人十色の出立ちを眺めていた。所々凍てついてはいるが、緩やかな勾配の山道をしばらく歩くと、意外にも早く尾根に乗った。
 眼前に真っ白な雪原が現われ、しばし日常の俗事を忘れさせてくれた。雪の白と空の青が互いに競い合っているような透明感の中を歩く ひたすら無心に歩く心地よさは、何ものにも代えがたい。空の青さだけが心に残った。
 雪山という言葉から、霧氷、樹氷、雪原といったイメージが、とめどもなくふくらんでくる。そして、イメージに心を捕らわれてしまう。 感動を言葉の囚われ人にしてしまってはならない。雪山を思い浮かべた瞬間、クリスタルな青き空は、遥か彼方に消え去ってしまうこともある 一瞬の感動、一点の美学だけが、山を愛する人の心を満たしつづける三峰山の青き空は、悲しいまでも刹那的であった。限りなく蒼く、さらに蒼く。 (N.K記)

Top > 2002年度の記録