ムラサキアブラシメジモドキ 食 (フウセンタケ科フウセンタケ属)
                        撮影: 小池研究員
このキノコ、ムラサキアブラシメジモドキなどという本菌にとってはとても失礼な名前が付いている。しかも名前が長く覚え辛い。なんとも不幸なキノコである。
秋、広葉樹が混ざった松林に群生する。傘は青紫色〜藤色で遠くからでも簡単に見つけやすい。食用で美味しいキノコだが、色がケバケバしいので殆んどの人はこれを採らない。このキノコ、熱を通すと弾力が出てイグチのようなヌメリもなく和洋どんな料理にでもマッチする。味も癖が無く食べやすい。わが零細キノコ倶楽部の遠藤教授はこのキノコに目が無く、季節が来ると、このキノコの発生する山に毎年恒例のように向かう。
子実体自体は小さいので沢山採らないとまとまった量にならないが、至るところに群生する上に誰もこれを採らないのですぐに袋一杯になる。私の私見ではあるが、フウセンタケ属のキノコの中では一番美味しいのではないか!と思っている。手近な所では味噌汁に入れても美味しいが、キノコパスタにするとこのキノコの旨味と歯ごたえがたまらない。
毎年食べたいキノコなので、最近は一網打尽に採り尽くさないで、傘の開いた物や老菌は残して採取するようにしている。そんな気にさせるとても可愛いキノコである。
松と広葉樹の混生林に群生するムラサキアブラシメジモドキ。遠くからでも見つけやすい。
どちらも「ムラサキアブラシメジモドキ」ですか?
  
上の写真はいずれもムラサキアブラシメジモドキという事になっているが、これはどうも違うキノコみたいだ。左の子実体は我々が美味しく頂いている種類でムラサキアブラシメジと呼んでいる茸である。ところが右の子実体は少々ヌメリがあって軸が細くヒョロッとしている。これもムラサキアブラシメジモドキと呼ばれている。しかし、これは食べられるが苦味がある。しかも群生はしない。こうして比べて見ると左右2種類の「ムラサキアブラシメジ」は別の種類である事が判るが、キノコ辞典を見ても載ってはいない。
この事は以前から気が付いていたが、零細キノコ倶楽部会員のピエール君が右のキノコを採取し「美味いと聞いていたのだが、苦かった」という会話で「やっぱり」と確信した。