 |
映像は九州山地南部の状況で、最大標高1200m程度の山地では、急傾斜の渓流が稜線近くまで存在する。比較的温暖な地域に見られる照葉樹と落葉広葉樹、スギ・ヒノキ植林の混交林で、渓流性サンショウウオが生息する代表的な植生環境の一つである。ここには西日本最大種のオオダイガハラサンショウウオに並ぶ大型種のベッコウサンショウウオ、タゴガエルが生息する。ここでは斜面の広い面積を殆ど管理されていないスギ・ヒノキ植林が占めているものの、胸高直径1m近い大木も目立つ点など、かつては余り人の手は入らなく、原生林的な状況が近年まで維持されたものと思われる。しかしながら、河床には多くの大岩石が転がり、土砂中に倒木も埋設されるなど、伐採と人工林化による影響を受け続けている。近年の改変はしばらく休止され、現在に至る。九州固有種を育むこの貴重な環境はこれまでの調査経験やデータ解析から近い将来、谷崩壊の危険が高いと予想されたため、数年間の継続調査及び隔年調査を行った。ここ数年の記録的集中豪雨により、予想通りこの箇所を含めて下流部の谷の多くの部分が崩落消滅し、かなりの景観が激変した。 |