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携帯ゲーム機の年齢層


「年齢層の推移」という観点から、任天堂の携帯ゲーム機を振りかえります。


■ゲーム&ウォッチ

元のターゲット層はサラリーマン


 携帯ゲーム機の先駆者である「ゲーム&ウォッチ」は、新幹線の中で退屈しのぎに電卓をいじるサラリーマンの姿からアイディアが生まれました。そのため、ゲーム&ウォッチの対象年齢はサラリーマンくらいの大人だったのです。大人が手を組むように隠して遊べる、という視点から手のひらサイズで作られたのです。

 ところが実際に発売されると、子供を中心として大人気となりました。大人が手のひらに隠せるサイズ=子供の小さな手にはピッタリ、ということが、子供にも普及した要因のひとつだったのかもしれません。


■ゲームボーイ

実は子供だけじゃない

 初代ゲームボーイはCMに子供を起用していたこともあって、しばしば子供向けといわれますが、じつは初期からそうだったわけではありません。発売直後のファミ通では「ファミコン世代より上の層にも受けがいいのが特徴」という調査があり、さらに海外では顧客からのフィードバックから所有者は半数(約46%)が成人だと判明しています。最初のキラーソフトが年齢を選ばない「テトリス」だったことが大きいでしょう。

 しかし、“ボーイ”という名前のイメージや、モノクロの携帯ゲーム機ということで、なにかと軽く見られがちだったのも確かな話。ゲームボーイの品切れが続いたとき、「なぜもっと(オモチャのように)作らないのか」と怒る流通サイドに対して、「ゲームボーイは、小さくても8ビットの立派なコンピュータだということを忘れないで欲しいんです」と広報が主張したこともありました。

■ゲームボーイポケット〜カラー

低年齢層時代


 ゲームボーイの転機となったのが、やはり「ポケットモンスター」の登場です。すでに全盛期を終えたと見なされていたゲームボーイは、発売ソフトの大部分を版権ゲームが占めるようになっていました。そんな折に発売されたポケットモンスターは、ゲームボーイを復活させるとともにユーザーの年齢層を決定づけたといえます。ポケモンの面白さを口コミで広めたのは、同時期にタイアップをしていたコロコロ読者の小学生が主だったのです。

 ポケモンの人気をみて、各メーカーがこぞってゲームボーイソフトを投入しはじめますが、その多くがポケモンの後追いを狙ったもの。10歳前後の子供を主人公に据える作品が目立つようになりました。また、別の傾向としては、女性をターゲット層にした作品もこの頃から徐々に増加しています。「たまごっち」「プリクラ」など、女性のゲーム人気&口コミの影響の大きさに目につけたものといえるかもしれません。


■ゲームボーイアドバンス〜SP〜ミクロ

大人向けを目指して

 ゲームボーイ後継機として、ゲームボーイアドバンスが発売されます。グラフィックの向上に伴って、幅のある作品を出しますが、「携帯ゲーム機は子供向け」というイメージは引きずったままでした。そんな傾向を変えようと思ったのか、2003年に発売されたのが「ゲームボーイアドバンスSP」。これは高級感&大人向けを強調されたゲームボーイで、同時発売タイトルも「メトロイド」「FFタクティクス」と少し高い年齢層を狙ったものとなっています。さらに一年後には、懐かしの作品が移植された「ファミコンミニ」も登場。人気の高さから、最初は予定になかった第3弾までシリーズ化されます。

 2005年には、スーツのポケットに入るくらいの大きさの「ゲームボーイミクロ」の発売や、ゲームの原点回帰を謳った「ビットジェネレーション」といった企画で、さらに大人向けを目指していましたが、その頃すでに人気が高まっていた「ニンテンドーDS」の影響を受けて影が薄くなっていきます。しかし大人向けをアピールし続け、高い年齢層にも携帯ゲーム機が受け入れられる土台を作ってきたことで、ゲームボーイアドバンスが果たした役割は決して小さくありません。


■ニンテンドーDS

国民的携帯ゲーム機


 「ニンテンドーDS」に“ゲームボーイ”の名前がついていない理由のひとつは、ゲームに限らない目的として使えることを目指した携帯ゲーム機だからです。実際、“タッチジェネレーション”として直感操作のソフトを多数発売し、そのうち「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は大ヒットを記録。30代40代の中高年層のユーザーも取り込み、実用系のソフトがスタンダードのひとつとなりました。

 2006年には軽量化された「ニンテンドーDSLite」、2008年にはカメラなどの機能が追加された「ニンテンド−DSi」が発売され、2009年3月にはシリーズ累計販売台数が1億台を突破。携帯型に限らず、ゲーム機史上でもっとも幅広い年齢層に支持されることになりました。まだまだ現役であるニンテンドーDSの今後の展開や、さらには次に登場する携帯ゲーム機にも、期待が高まるところです。




大人がさり気なく遊べるように作られた「ゲーム&ウォッチ」発売から30年。最近では電車のなかで携帯ゲーム機を遊ぶ大人も珍しくありません。ゲームに対する認識も随分と変わりました。しかし、その変化も一朝一夕で起こったわけではなく、過去からの繋がりがあるからこそ、今の現状があるといえます。だから過去のゲーム機を振り返ることも大切なことなのです。たぶん。


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