大阪の最北端にある能勢町天王で、子ども達といっしょに農体験を通した都市と農村との交流活動をしています。
わたしたち3人が地元の人といっしょに手探りで始めたこの地域再生活動について紹介します。
『天王とは』
天王は北摂山地の真ん中にある、自然豊かで美しい小さな村です。標高も500m〜600mくらいと高く、毎年雪が必ず積もります。
村の東にある深山(みやま)は北摂山地の最高峰です。深山から出た清冽な水が天王川となって村の真ん中を流れます。この川には、特別天然記念物のオオサンショウウオが棲んでいます。
『今回の活動をはじめたきっかけ(思い)』
この村は70軒あまりで、小学校には8人しかいません。この村にはバスが通わず、これといって産業もないため若い人は仕事を求めて村外にでて人口はどんどん減り、残った人たちも高齢化が進み、村は元気をなくし始めています。
村の人は口をそろえて、10年どころか5年もすれば、田畑を耕す人がほとんどいなくなり、いつかはこの村もなくなってしまうかもといいます。この美しい村をなんとかしたい、いますぐ始めなければという思いに駆られ、いっしょに村の再生のための活動をしませんかと、地元に呼びかけました。
地元農家3名が呼びかけにこたえてくれました。われわれ3名との6名がスタッフで始めることにしました。とりあえず、3年は頑張ってみてようということになりました。
この活動の主役ははじめから絶対子どもと考えていました。
このすばらしい天王の自然に触れてほしいという気持ちや、日本人の根源である農というものを体験してほしいという気持ちがあったからです。自分で作った物を食べるという当たり前の事を実行してほしかったのです。
あわせて、元気を天王に呼び込むのは子どもしかいないという第1感もありました。その子ども達の笑顔が必ず天王全体を笑顔にすると考えていました。
つぎに、活動のシンボルを必要でした。このような事を起こすため必要不可欠なのは旗印です。大変世話になっている方にデザインをお願いしました。山の上の天に登る太陽は、これからの天王を明るくあれと願っています。
『活動の目標』
2009年、2010年と2年間活動してきて、いろいろなことを学びました。
3年目をはじめるに当たって、スタッフで次のことを改めて確認しました。
○天王の村のために(これがすべての基本)
@都会との交流活動などを契機として、
村全体の人の気持ちや経済を活性化して、末永い天王村の繁栄につなげる。
A天王の田畑、山々の美しい自然を守る。
○都会からの参加者(大人と子ども両方)に伝えたいこと
@天王の自然や人や村のすばらしさ→天王を愛する人を増やす。
A農に親しむことの楽しさ、大切さ→豊かな感性を持った日本人、美しく豊かな日本づくり
『これから』
農村には都会とは違いゆっくりした時間が流れています。その歩調にあわせて、ゆっくりと、しかし、着実に取り組みを充実させていきたいと考えています。
この活動のエネルギーが無理なく村全体に浸透して、いろんな取り組みが自発的に生まれて、どんどん広がっていくようになればと願っています。
今は始めたばかりで具体的なこうなってほしいという明確な実現像はありません。活動の中でこの村にあったものを見出していきたいと考えています。順調に育ってほしいと願う親の心境に似ている気がします。私たちが投じた小さな一石が、10年、20年後どう育っているかがとても楽しみです。
当面、地元とは3年はとりあえず続けて、3年目の活動が終わったとき、振り返って、それからのことをよく話し合おうと約束しています。その日が楽しみ。その時、どんな話をしているのか。