
大台ケ原 1995サマーコレクション 登攀記
日程:2008/9/27(9/26大台駐車場にて前夜伯)
メンバー:K下、クリ(今回は偵察)、H本
9/26 K下さんが自宅からメンバーの家を回ってピックアップし、大台ケ原へ。途中、上市の駅前近くにあるローソンで朝食と行動食+αを買う。大阪から上市まで約1時間。予想以上に楽チンに来てしまう。
上市からは、大台ケ原ドライブウェイを走って大台ケ原駐車場まで。途中、鹿が平然と道に立っており、危ない。しかも、濃いガスが流れ込んで時々、数メータ先も見えなくなるなか、K下さんが運転してくださった。
大台ケ原駐車場は幕営禁止のため、K下号に3人で寝ることにした。(実はこっそり、駐車場に幕営しちゃうつもりだったのですが、意外とたくさん車があり、人目がはばかられたため車で寝ることにした)
K下号は、丁度2・3テンぐらいの広さで、3人ではちょっと狭い目だが目刺で寝れば、特に支障なく寝ることができた。
9/27 明けるとガスであった。でも、すごい風が吹いていて、ガスがすごい勢いで流れている。きっと、この風でガスは晴れるだろうと期待していたら、7時頃にはガスが飛んでいい天気に。外はかなり寒い。講習を受ける大台ヶ原ビジターセンターの前の温度計が7時半頃に4度をさしていた。でも、いい天気だし、登る分には少し寒いくらいが丁度である。7時半からの講習を受け、8時半ころに駐車場を出発。講習は我々3人だけだった。今日は、我々以外に1人しか入山していないという。規制がされてから意外と人が入っていないのかもしれない。

写真 1 今回の登攀メンバー(H本・K下)

写真 2 発起人なのに今回はサポートのクリさん
駐車場脇から登山道に入り、シオカラ谷の看板を右に下っていく。最初はえらく緩やかな石畳の道を下るとだんだん傾斜が増してきた頃に、道の脇に看板がある。この看板を目印にして水平道に入る。

写真 3 取り付きまでの道(1)

写真 4 取り付きまでの道(2)
水平道をしばらく行くと涸れ沢がありさらにそれを超えて右に山肌を回りこんだ頃、赤いテープの目印がつけられた涸れ沢が現れた。この涸れ沢をどんどん下っていく。涸れ沢は、最初はまっすぐだが右に岩壁が見える頃、右に巻きながらさらに下りてゆく。東ノ川が見え、涸れ沢が右の壁と離れだした頃、沢を離れて壁の基部に沿って進むと、壁に支点を発見する。この支点がサンダーボルトの支点だと思われる。サンダーボルトは、3メータほど上の1ピン目までが逆層のような感じのいやらしいスタートである。こりゃ、難しそうだ。
サンダーボルトを過ぎて少しいくと凹角上のコーナのあるところが現れる。ここがサマーコレクションの取り付きである。取り付き少し上の基部でハーネスなど装備をつけ、クライミングシューズに履き替えて、取り付いた。
今回は偵察だけのクリさんは、ここから再度登り返して駐車場で待っていてくれた。

写真 5 サマーコレクション

写真 6 サマーコレクション(2)

写真 7 アプローチの下見を兼ねて取り付きまで
1P目
岩の隙間をノーピンで登る。ノーピンといっても2級程度のアプローチのようなところなので別にロープを出すこともなく登った。隙間は上ほど狭く、最後は、ザックを背中からおろし、押し上げながら登った。
登ったところは、2畳ほどのテラスになっていて、ここで装備をつけてもいいと思われる。
2P目(5.10b:H本リード)
2P目の確保支点に「1995 Summer Collection」と彫られた金属プレートがつけてあった。誰かのサイトに書かれていたが、なかなかおしゃれである。
左から取り付くといきなりなんだかいやらしい右へ移るトラバースが現れる。最初にこのトラバースはいや過ぎる。勇気を振り絞って、超えていく。後は、ピン通しで進む。途中、左から右へのトラバースがまたもや現れる。トラバースが現れるたびに少々怖い。そして最後に終了点へあがるマントリングで悩む。なんとか這い上がって2P目終了。自己確保と支点を作って、セカンドのK下さんに上がってもらう。
今回は、リードは空身でセカンドが荷揚げをする方式にした。荷揚げをするK下さんが大変そうである。何しろ、今日の一本目が荷物を背負っていやらしいルートなのだから。途中でA0をしながらもK下さんが上がってくる。
ここのルートのボルトはトポでは、16本だったが、登ってみると13本くらいだった。途中、1本飛ばしたので、16本というのは、終了点も含めた数のようだ。

写真 8 2P取り付きにあるルート名を書いたプレート

写真 9 プレート(2)

写真 10 2P目を下から
3P目(5.10a:K下リード)
今度は、K下さんがリードの番である。2P目の終了点から左に数歩トラバースして登りだす。
3P目は少し草付をかわすように登るため、2P目の終了点から3P目の終了点が見えない。ロープは順調に延びて止まったら、K下さんから解除のコール。その後、今度は荷物を背負って登っていく。
予想通り、荷物を背負うといきなりバランスが微妙に。K下さんが2P目を苦労するのは当たり前である。幸いにも2P目より簡単なピッチなので、どんどん登って3P目終了。

写真 11 3Pの終了点より

写真 12 とってもいい天気に恵まれました
4P目(5.10c:H本リード)
今回の最高グレードのピッチである。H本のオンサイトグレードは一応、5.10cなのでオンサイト圏内ではあるが、5.10cのオンサイト確率は非常に低いため、オンサイトできるかきわどい。プロテクションが全てペツルのハンガーであることをいいこと、取り付く。結果、ワンテン入ってしまった。核心で迷っているうちにテンションでした。まだまだだなーと痛感。今回の唯一のテンション。ちなみに、スラブと聞いていたのだが、2〜4P目までは全てカチだった。
このピッチの終了点は、ハンギングなので、我々のようにつるべでないと、切るのは難しい。しかも、場所も狭かったので、入れ替わるのに少々苦労した。この上は、5.8のやさしいピッチなので、オールリードの場合は、ここで切らずに上まで上がったほうがいいと思われる。但し、60mでないと次のピッチの終了点には行き着かないので、途中の木で一旦切り、その後、数メータ上の確保支点まで移動することになる。

写真 13 4P目これからこのルートの最難関部分
5P目(5.8:K下リード)
出だしは、傾斜があるのだが、すぐに傾斜が落ちて、快適な登りに。途中から樹林帯に入って木登り、根登り、岩登りをして樹林帯の突き当たり、次の傾斜のきつい壁面にあるリングボルトを目指して登る。支点は、リングボルトの前の木で取れた。到着したところは、中央バンドで安定したバンド。ここで、ちょっと休憩。水を飲んで少し食べ物を口にいれた。
6P目(5.6:H本リード)
5P目終了点の斜め下の草付バンドを左へトラバース。この草付バンドが結構、ふわふわして嫌な感じ。しかも途中で切れていて東ノ川が真下に見る。トラバースなので、支点もなく結構冷や汗をかきつつ、隣の壁へ移る。途中、丁度90度のコーナに支点があった。ここでフリーのヌンチャクを使うと、ロープが屈曲して流れが相当悪くなる。今回、私は、アルパインヌンチャクを2本下げていたので、これを伸ばして使う。さらに、次の支点までは、岩、木を登る。途中で、ランナウトしていたので、もう1本アルパインヌンチャクで木から支点を取る。なんだか、アルパインやなぁー。結局、ここ以降は結構アルパインチックだった。
やっぱりどこに行くにも、アルパインヌンチャクを2〜3本持って行っておくべきである。
7P目(5.8:K下リード)
このピッチがこのルートのクライマックスのハンドトラバースである。6P目の終了点から壁に沿って右斜めに斜上していく。1ピン目がこのルートではやや遠く、5メータほど先にあった。この間、ちょっと緊張のビレー。こんなのも、アルパイン。そのまま、右へ斜上していくとやがて行き着いたところがハンドトラバースの開始点である。ハンドトラバースは、右へ斜上した分を左にトラバースして戻る。トラバース内はピンが3本ほどありグランドフォールすることはないが、落ちたら戻るのがたいへんなので、落ちられない。パワー系が得意なK下さんは危なげなく突破していく。あとで聞いたところでは、結構、きつかったらしい。セカンドの私は、荷物を背負ってハンドトラバースへ。ハンドトラバースのホールドは切れそうなエッジのとがった水平クラックでフットホールドはほとんどスメア。これがかなりきつい。荷物を軽くしておいて良かったとつくづく思った。時々現れるカチでレストをしながら進む。あまりにもきつかったので、左カチ、右トゥフックで休んでしまった。K下さんに写真を撮ろうかと言っていただいたのだが、断ってしまった。

写真 14 6P目これがうわさのハンドトラバース
8P目(5.9:H本リード)
ここから、リッジの上を登る。リッジは右側がすっぱり切れた谷で東ノ川が見える。この切れたリッジを登る感じは、アルパインでよくあるパターン。ホールドは、ほとんどが丸く、今度は一転してスラブ系に。でも、すごいざらついた岩質(といっても痛くはない)ですべる気がしない。丁度、クライミングジムの砂を吹き付けた壁のような感じ。しかも、適当にホールドもあるので、非常に安定している。ピンはありすぎるぐらいある。思わず、1本見落とした。というか次を探していたら、あまりにも近過ぎて見落としてしまった。あっさりと終了した。
K下さんは荷物を持っているためか、意外と苦戦をしていた。やっぱり、クライミングはすこしでも軽いほうがいいんだなぁ。
9P目(5.9:K下リード)
わざわざ、一旦、右の足元の切れたところにピンを打ってある。最後まで楽しませようというサービス精神がすばらしい。そこを過ぎてカンテをしばらく登ると、草付の樹林帯へ。ついにサマーコレクションも終わりである。と、そこへタイヤキの尻尾が登場。まさに終了点真下で、1メートルほどのハング。ちょっといやらしい。しかも、終了点の位置が悪いらしく、落ちたら振られるから気をつけてと言われる。さすがに楽しませてくれます。テンションをかけることもなく突破。完登!(15:30頃)。そして、お約束のがっちり握手。

写真 15 完登しました。

写真 16 完登しました。

写真 17 こんなところにも入山規制の看板が
ちょっと、水を飲んだり、食べ物を口にしたりしながら、装備をアタックザックにしまって、後は駐車場まで。終ったところにも入山規制の看板があったので、これを頼りにして、一旦、尾根にでて、尾根通しに歩いていくと、30分ほどで最初に歩いた石畳のある登山道に出た。あとは、登山道を通って駐車場に到着。
到着したら、クリさんがお湯を沸かして待っていてくれた。あったかいラテを飲んで、ほっと一息。
クリさんは、我々が登りだして30分ほど登るのを見た後、1時間半ほどかけて駐車場にもどったそうだ。
その後は、持参の芋のにおいのする天然水を飲んでいたらしく、すっかり、できあがっちゃってました。
一息ついたあと、大台ケ原駐車場を後にし、K下さんの運転で大阪へ。
実は途中で温泉に入る予定だったのだが、のんびりしていたら5時を過ぎてしまい、温泉に入りそびれてしまいました。皆さん、温泉に入られるときは、5時までに。
最後になりましたが、往復の運転をしていただいたK下さん、ありがとうございました。自分が登れないのに手続きをした上、取り付きまでお付き合いいただいたクリさんありがとうござました。
(H本記)