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日本周遊紀行

10日目:温泉と観光T(野付半島、風連湖と春国岱)  観光編U(釧路湿原、釧網本線)へ   第11日目へ  写真集
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温泉と観光(22) 「野付半島」


野付半島の特異な地形(資料)


「白骨化した・・?トドワラ. ナラワラ」
トドワラとはトドマツの枯れ木群のことで、 ナラワラも同様でミズナラなどの樹木が立ち枯れたもの


標津の市街地の一角、国道272の交差信号の近くの海岸沿いに「民宿・船長の家」という民宿がある。小生の息子が旭川市在学中の頃、冬季に、この付近で交通事故(自爆)を起こし、たまたま通りかかった宿の主人に助けられ、宿にて介抱されて大変お世話になったところである。 
過る年、カミさんと道東旅行の際、立ち寄って、挨拶お礼を申し述べた。
従って、今回は目礼のみで通り過ぎることにする。

標津町、「民宿・船長の家」は宿の裏が根室海峡、標津漁港から2kmという国後島を間近に望むことができる立地。 
海釣り客が多いこの宿の一角には、囲炉裏を設けた居酒屋の食堂があり、そこでは、鮭のチャンチャン焼きと美味なるお酒で、ダイナミックな海鮮料理が楽しめる。
猟師の宿で客室数 7室 宿泊定員 20名 宿泊料金 5000円から・・と、チョットコマーシャルでした。


ヒョンと飛び出た「野付半島」

「船長の家」を過ぎると間もなく野付半島である。
砂土の浜に舗装された一本の道が直線に延びていて、左右の海岸は、今にもくっ付きそうなくらいに根室海峡と野付湾が迫って来ている。 
その両海が広々と見渡せる10km以上の直線道路であるが、最先端部までの全長は28kmに及ぶという。

この細く突き出た半島を縦断する一本の道を、海に挟まれて走ることになるが、しかしこのわずかな幅で、両側の風景はずいぶん違った表情をしている。右は野付湾と呼ばれ、左側の根室海峡の打ち寄せる波濤とは対照的に、静寂な水面を保っている。

半島の標高は、何所をとっても2mもないのでは・・?、 
野付半島は知床半島あたりから流出した砂礫か潮流に運ばれ半島に堆積してできた長大な砂嘴(さし:沿岸流によって運ばれた砂礫が湾口の一方の端から海中に細長く堆積して堤状をなすもの)でその規模は日本一の長さを誇るという。 

今もなおその姿を変えつつあって、近年は逆に、砂州からの砂の流出が激しくなり、野付半島自体が消失の危機となって問題化しているともいう。
この半島を縦断する道を別名「フラワーロード」といい、その名の通り先端部は広大な原生花園となって、北海の浜特有の花々が咲き競う。


中間地に「ナラワラ」という休息地があった・・、 

水面に浮島の様な青草の茂みが点々と在って、遠方、草原の向こうに「白骨化」した木々の群れがある、ナラの木で、主に「みずなら」の木が海水の浸透や塩風によって立ち枯れしたもので、これを「ナラワラ」と言うらしい、荒涼たる風景であるが、どこか明るく不思議な世界でもある。

先へ進む、木造二階の自然観賞施設「野付半島ネイチャーセンター」がある。
時間的にまだ閉館中だが、休憩を兼ねて、野付半島の自然や動植物について学べて体験できる施設である。
ネイチャーセンターのそばの遊歩道に入ると、両側に広がる原生花園を鑑賞しながら、野付湾の中程にあるトドワラに行くことができる。 
既に、最盛期を過ぎてしまった花園ではあるが、シーズンともなると白いハナウドや赤いハマナス、黄色のエゾカンゾウ、クロユリなどが咲き乱れるという。


この施設の裏側、湿地帯の遥かに、広大な原野が望まれる・・、 

かげろうの様な枯れ木の林は「トドワラ」である。
トドワラもナラワラと同じように、海の侵食や塩害により立ち枯れた“トドマツ”の姿で、この辺りにはかつて立派なトドマツ樹林があったのだろうが、風化が進んでいるのだろう今は枯立木の姿が哀れを誘う。

ナラワラ、トドワラの「ワラ」とはアイヌ語で「墓場」の意味を指し、実際、「ミズナラ、トドマツの墓場」なのである。  

野付半島の生成過程において、陸地では新緑のトドマツ林が成立していたのだろうが、海水面の上昇、または陸地の沈下によってミズナラ、トドマツは海水に侵され、現在のような枯れ木へと変化していったのだろう・・?、 
現在でもなお、海水による浸食は続いていて、僅かに残っているトドマツもやがて立ち枯れてしまう運命にあり、それも時間の問題ともいわれる。 

そしていずれ、ここは荒れ果てた何も無い原野になってしまうのだろうか・・?。
湿地原はサギなどの野鳥が多く、先端にはタンチョウの営巣地もあるらしい、又、アザラシの群棲地もあるらしい。
2005年11月8日第9回「ラムサール条約」において湿地登録されてる。

野付湾は、海洋性低層湿原、塩性湿地ともいわれる浅瀬が広大で非常によく発達しているという。 
そのため、比較的浅い地域にはアサリやホッキが生息し、潮干狩の好適地となっているが、何と言ってもこちらの名勝は、夏において三角帆の「エビ船」が点在するようになるという。 
野付湾内は浅瀬のため、全面に海藻が埴生することである。 
海藻は主に、アマモやオオアマモが繁殖、群生していて、ここに「北海シマエビ」という貴重な食材がが生息していることである。 そして、北海シマエビと聞いてピンと来る人は、かなりの食通であるともいわれる。

北海道のみ、それも道東エリアでだけ水揚げされるというこのエビは、6、7月頃ともなると道内のビアホールや居酒屋でビールのツマミとして絶大な人気を誇っていると。
中でも、踊り食いといって、器から飛び出してきそうな生きのいいのを一皮剥いて、わさび醤油で食すのが一番だとか・・、愛飲家(タバコはやりません・・)の小生にとっては涎(よだれ)が出てきそうな光景である。

北海シマエビが生息するのは水深2メートルの浅瀬で、エビは群生している海藻を産卵場所や住処(すみか)にしている。 
漁は6月〜7月、10月〜11月の年2回のみで、漁業者1人あたりの漁獲量や漁船トン数、乗組員数から、網目の大きさまで厳しい制約が設けられているという。

漁法は、三角帆を張り風を受けて、ゆらりゆらりと漂うように「打瀬船」(うたせぶね)と言われる船で漁を行い、打瀬とは「小型底曳網漁法」の一種で、風と潮流を利用した漁法だとか。
浅い海底で密集して生息しているアマモを、舟のスクリューで傷つけないために帆で潮風を受け、風を推進力としながら漁をする独特の漁法であるという。


野付の北海シマエビは「日本一旨い」といわれる・・、

まさに自然の限定品であり、「北海道の秘味」でもあると。 
大ぶりのエビは縁起物としても珍重され、贈答品としても喜ばれているが、最近では資源量がぐっと減ってしまい、とても高価な食べ物になっているとか。

猟期になると一斉に打瀬船が野付湾に繰り出す様は、野付の風物詩にもなっていて、2004年10月に、この打瀬船の風光は「北海道遺産」に選定されたという。
湾内は四季をつうじて「ゴマフアザラシ」の生息地としても有名だとか。

次回は根室・「風連湖と春国岱」


温泉と観光(23) 「風連湖と春国岱」



白鳥の湖:風連湖


風連湖へ連なる春国岱(資料提供)


春国岱は、オホーツク海の海流が運ぶ砂が堆積した砂丘で、根室半島の付け根に位置する長さ約8q、幅約1.3qの細長い砂洲である・・、


道東・・、国道243の厚床(あっとこ)からは国道44になり、後は根室半島を目指す。
間もなく「道の駅・すわん44」(白鳥台センターともいう)に着いた。
施設の館内へ入ると正面突き当りには、総ガラス張りの展望窓が有り、風連湖とその周辺を一望することが出来る。 
親切、丁寧な造りで、酷寒の日には有難く最適であろう。 
また外部展望地には「根室10景 白鳥の風連湖」と木板が掲げてある。 

見渡すと寂々とした湖面で、何となく荒涼とした風景にも感じられ、あたかも深山の湖を思わせる趣きがある。 よくよく見ると沿岸地周囲は、湿原と草原と森林が混成している様子が判る。

「風連湖」は根室半島の付け根に位置し、大雑把には南部域と北部域とに分かれ、南部域が砂州によって根室湾に通じている、所謂、汽水湖である。 
汽水湖としてはサロマ湖、能取湖に次いで北海道第三位であるが、周囲の長さにおいては汽水湖としては全道一であるという。 
そしてこの風連湖の特質は、自然の生成進化の過程が良く現れているようで、それが一目で判るのである。  

先ず、手前から右方にかけては浅瀬・干潟が大きく広がっている。
そして河川の堆積物は浅瀬・干潟をやがて湿原にし、草原となり、森林に変化してゆくのであろう・・?、その状況、現在進行形が目で確かめられるのである。
風連湖は、この三様が絡み合って、凡そ300種の野鳥が観ることができるという。 
10月上旬にはオオハクチョウが飛来し、まさに文字通りの白鳥の湖となり実に壮観らしい、実は、丹頂の営巣地としては釧路湿原を抜いて道内(国内)最大とのこと。 
また風連湖では干潮時、「泥の上を叩いて貝の場所を探って採る」、というような一風変わった漁が行なわれているらしいが果たして・・?。

南部域の風連湖は根室湾に通じているが、その殆どの部分が砂洲でもって遮られている、この砂洲の部分を「春国岱」(しゅんくにたい)と称している。 
湖から海洋にに向かって三列の砂丘からできていて、長さは8q、最大幅は1.3qあり、こちらも風連湖沿岸同様、海岸砂地、干潟、湿原、草原、森林など多様な自然と、砂丘の形成年代による植生の違いなどを見ることができる。

三列の砂丘のうち、湖に面した「第三砂丘」といわれるのが最も古い砂丘で3000年前頃にできたといわれアカマツ、ドドマツ、ミズナラ、ダケカンバなどの原始林の巨木が生い茂り、地上は苔むした森の様相を見せている。
特に、この森林帯は海に浮かぶ森のようだとも言われる所以である。 

中程の「第二砂丘」は、二番目に古い砂丘列で2000年〜2500年前にできたとされ、世界でも珍しい砂丘上に形成されたアカエゾマツの純林帯の森林が発達している。 
この現象は大変珍しく、国内でも唯一の植生といわれる。

又、海に面した「第一砂丘」は春国岱の中では最も新しい砂丘列で、1000年〜1500年前にできたとされ、森林ではなく草原が主体で、長さ3kmにおよぶハマナスの群生が見られるという。


これら砂洲三相の「春国岱」の自然には、タンチョウ、大ハクチョウ、アカゲラ、クマゲラ、シジュウカラ、ハシブトカラ(ハシブトカラスではない・・!シジュウカラに似た野鳥)、オオワシ、ルリビタキ・・・などなど狭い地域ながら植生に応じた野鳥が生息する楽園なのである。
風蓮湖・春国岱に飛来する渡り鳥は約260種確認されており、世界有数の渡り鳥の中継地点となっている。

このように「春国岱」は、地質の生成過程や植物の植生過程が羅列的に見られるところから「奇跡の丘」といわれ、学術的にも貴重な自然といわれる。

釧路湿原が「ラムサール条約」の指定地域となり、最近では国立公園となった事はご存知だが当初は、この風蓮湖・春国岱がラムサール条約指定地の第一候補だったらしい。 
釧路湿原へ一歩先を譲った「風蓮湖・春国岱」であるが、2005年11月8日世界的に重要な湿地であるとして、ラムサール条約に登録されたようである。


国道44は温根沼大橋を渡る、温根沼(おんねとう)と根室湾の丁度付け根に当たる。
この大橋からの風景も実にいい。
思わずカメラを向けるが、あまりに視界が広くてフアインダーに入らない。
気に入る写真は難しそうだ・・。風蓮湖と並ぶ根室を代表する湖沼で、鬱蒼と茂るエゾマツの森に囲まれた周囲15kmの汽水湖が、根室湾につながっている。
干潮時には沖合いまで砂州となり、アサリやホッキ貝などの潮干狩りで賑わう風景は、温根沼の風物詩にもなっているという。

次回は「釧路湿原」   第11日目へ


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