ヒマラヤGPSマップの紹介と期待  中村清孝 



「N
epal GPS Mapに代わりHimalayan GPS Maps新発売!」とGPSショップから連絡があった。以下、Mapの前者を旧トポ、後者をトポと呼ぶ。トポはネパール・チベット・インド・ブータン・パキスタンを網羅するという。さっそく国境を跨ぐ場所を指定、サンプルをお願いした。届いた等高線(図1)はそれらしく国境を越えている。さらに地形図と比較した結果、これは記録に使えると思った。というのは、旧トポは隣国に遠慮するあまり国境を控えめに表示するのか、越境してもいないのに軌跡(図2)は国境を越えたから。しかも軌跡は地形模様のない生地に残る線でしかなく味気ない。 

そのころ、ネパールの5万分の1の地形図にGPSが示す現在位置をプロットできる定規を作ろうと思い、緯度と経度1秒当たりの地形図上の距離を計算したところだった。この作業中にトポで調べたクン・ラという峠の座標と大西保(後述)が現地で実測した座標(Iさんご提供)に差があることに気づいた。この差は何メートルに相当するのだろう。 

緯度経度1秒当たりの地形図上の距離 

縮尺が5万分の1だから、地形図上の1 cmは500 mに相当する。 

緯度および経度5分当たりの地形図の距離は、それぞれ18.45 cmおよび16.15 cm 

緯度および経度1秒当たりの距離は、それぞれ30.8 m/秒および26.9 m/秒となる
 

表1 ふたつの座標 

測定方法 

座標(N北緯 E東経) 

トポが示す座標 

N29 37 07 E83 09 41 

大西保の現地測定結果 

N29 37 06 E83 09 49 

座標の差による距離の差 

表2 座標の差による距離の差 

 

座標の差 

距離(絶対値)の差 

南北 

1秒(N29 37 07 - N29 36 06) 

31 m(1x 30.8 m/秒) 

東西 

8秒(E83 09 41 - E83 09 49) 

215 m8x 26.9 m/秒) 

ふたつの座標を表1に対比した。大差ない座標を見比べ、トポ利用者としては鼻が高い。では距離の差は? 南北の31mはともかく東西の215 m(表2)はとても誤差とはいえず、鼻は元に戻った。 

トルボとドルポとトポ 

「この小見出しは何の語呂合わせ?」などと茶化さないで欲しい。それ相応の意味があるのだから。大西保が登山時報に連載した『トルボドルポ)への招待』は写真・地図を多用した優れた紀行・教本であるばかりか、軽妙な語り口はわたしを捉えた。何より、河口慧海をはじめネパール西北部のこの地をトルボと呼ぶ人が多いなか「ドルポでもいいよ」って誘う表題が、とかくヘソを曲げがちな少数派(ここでは、多数派のトルボに馴染めずドルポと呼ぶ人たち)のひとり、わたしには心地よかった。国境地帯でも、尾根や谷筋や峠や頂に足跡と記憶を刻んでくれるはずだ。トポへの期待はふくらむ。 

       

例会報告


 

 








































































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