固有種


          前に出てきた「蛇紋岩系」の山は、ほとんどが独自の草本類を持っています。それは、蛇紋岩マジックにより、草本類が  ”小型化・硬質化・暗紅紫色
         化・葉幅の狭化・無毛化” を起こし、その変異が大きい場合は新品種として認められるためだと考えられます(これも、当然私に詳しくわかろうはずもあ
         りませんが)。

          「天山」はどうでしょうか?  残念ながら「天山」の名が使われている固有種はありません。しかし、ひとつだけ「天山」で発見され、新品種として認定さ
         れた花があります。それは「キュウシュウコゴメグサ」ですが、今では広範囲に分布することがわかり固有種とは成り得ませんでした。

キュウシュウコゴメグサ

キュウシュウコゴメグサ
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でも、どうして「テンザンコゴメグサ」という名前にならなかったんだろう?。






岩盤が崩れやすく事故が多い。


世界各地にある危険な山岳地帯をおさえ、蛇紋岩の山「谷川岳」は世界一の死亡事故発生地だそうです。


登山道 登山道 登山道

登山道
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登山道
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登山道
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          地学の専門家ではないので、どれが「蛇紋岩」なのかはわかりません。そこで、数打てば当たるだろうと思い、登山道の岩盤をいくつか写しましたが、ど
         れも確かにもろいようですね。その上、濡れると滑るのでとにかく歩きにくいです。ただ、「天山」にはクライミングをするような岩場がないので、大きな落下
         事故はほとんど聞きませんね。






マグネシウム・鉄を多く含んでいる。



          前に書きましたが、四国の「赤石山」は石に含まれる鉄分が酸化して、山肌が赤く見えるためにこの名前がついたそうです。また、三重県の離島「菅島」
         も、蛇紋岩・カンラン岩でできた島で、表土はかなり赤いそうです。 

          蛇紋岩系の山では、岩石に含まれているマグネシウムが溶け出し、それが植物の水分吸収能力を低下させて樹木の成長を大きく抑えています。そして、
         それが普通の環境では生存競争に負けてしまう弱い花たちに、素敵な「お花畑」が作れる場所を提供しているんですね。(たいしてマグネシウムは多く
         なく、「クロム等の重金属」が成長を妨げているという考えの方もおられるようです。)

これらが「蛇紋岩マジック」といわれている環境を作り出しているんですね。



赤っぽい岩

赤っぽい岩
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これも適当に登山道の赤っぽい岩を写しただけです(笑)。石の判断は素人には難しすぎです。






光沢があり、滑りやすい。


 これは心当たりがあります。登山道には登山者達から何度も踏まれて、てかてかに光っている岩がいくつも見られますし、それに乗ると滑ります。



滑る石

光沢があり滑る石
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何度も言いますが、私にはどれが蛇紋岩なのかの区別はつきません。







風化すると粘土質となり、水が抜けにくく湿地化する。


          これも心当たりがいくつもあります。まず、登山道の所々に青い粘土質の場所があり、踏むとぶよぶよします。何故こんなところに粘土があるのだろうとい
         つも不思議に思いながら踏んでいました。色も鮮やかな青色で目立つんですよね。


青い粘土質の登山道 青い粘土質の登山道

青い粘土質の登山道
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青い粘土質の登山道
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          また、山頂尾根は日当たりのよい草原なんですが、湿地になっているところがたくさんあって、これまたいつも不思議に思っていました。植物も、半湿地性植物を見るこ
         とができます。


ヤマトキソウ モウセンゴケ

ヤマトキソウ
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モウセンゴケ
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蛇紋岩地帯での樹木はマツ類・ツツジ類が優先となる。



山頂から少し東に歩くとよくわかります。天山はまさしくそうですね。


マツとツツジ

山頂尾根のマツとツツジ
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蛇紋岩には「アスベスト(石綿)」が含まれる。


          これが一番驚きましたね!あの悪名高い「アスベスト」の原料になるんですね。「蛇紋岩」の白い模様の部分が「アスベスト」だそうです。しかし、
         「天山」の蛇紋岩は鉱山として利用されるほどの量はなかったのでしょうね。また、もう二度と「アスベスト」が鉱物として利用されることはないで
         しょうし、「天山」山腹に粉じんが出るようなトンネル工事をすることもないでしょう。   





山体が浸食されにくく、独立峰になりやすい。


確かに独立しています。


独立峰

独立峰
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谷が作られにくく、ゆったりとした山体となりスキー場が作られることが多い。


確かに「天山」にスキー場はありますが、他の山はどうなんだろう?


スキー場

スキー場
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今後の「天山」


          今、「天山」が一番抱えている問題としては、”樹林帯の上昇”ではないでしょうか。このまま樹林帯が上昇し続ければ、当然今のような環境を維持する
         ことができずに、ただの樹木に覆われた山になってしまうでしょう。実際、私のかすかな記憶ですが、小さい頃登っていた時は「雨山」と「天山」の鞍部あ
         たりも草原だったような気がします。写真が残っていないので何とも言えませんが、久しぶりに鞍部にいってみて樹木があるのに驚きましたから。



鞍部付近 鞍部の交差点

鞍部付近
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鞍部の交差点
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          しかし、この問題は「天山」に限られたことではないですね。同じ「蛇紋岩系」の山である北海道の「アポイ岳」もこの問題を検討され、実際に動き出して
         いるようです。この山は811mと「天山」よりも標高が低いために、ハイマツ群落の拡大が温暖化により加速し、高山植物が減少傾向にあるようです。その
         ため、2008年5月26日にハイマツの伐採作業が行われています。

          今後、「天山」をどうすればよいのか、行政が予算を付けてこの「蛇紋岩マジック」を守ってくれればいいのですが、今の財政状況では非常に難しいこと
         だと思います。民間もこの経済状況では期待できないでしょうし、個人の力ではマツ1本抜くのも大変です。振り返って、自分にできることといえばこのHP
         で少しでもたくさんの人たちに「蛇紋岩マジックの山、天山」の素晴らしさを伝え続けていき、保護しなければいけないと考えてくれる人を増やしていくことか
         なと思います。   がんばらねば!




「蛇紋岩」の探し方見つけました〜

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