アトリエの
鉱物・化石



福島 紫水晶左右17cm
        鉱 物 編(追加)
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 鉱物アルバム本以後の追加、追記標本です。よりよいものにするため指摘があればメールでお願いします。

現在のトピック; 菱マンガン鉱→洋紅石→水晶→自然金→燐灰ウラン鉱→燐銅ウラン鉱→セリウムフローレンス石→日本式双晶→
ミアジル鉱→
火閃銀鉱→菱鉄鉱→菱亜鉛鉱→エオスフォル石→針ニッケル鉱→菱苦土鉱→水鉛鉛鉱→ザレシ石→磁硫鉄鉱→蛍石→花崗岩ペグマタイト→亜砒藍鉄鉱→毒鉄鉱→水亜鉛銅鉱→自然蒼鉛→輝蒼鉛鉱→アダム石→紫水晶→トムソン沸石灰十字沸石の順


                      (画像のmm単位のサイズはおよそのものです)    
                     菱マンガン鉱

 タガネも欠けるほど硬い母岩が多いマンガン鉱の中で、菱マンガン鉱はくみし易い。菱マンガン鉱は珍しいものではないが現在は鉱山が稼行終了して久しいので、採集で図鑑のような立派な結晶を得る機会はほとんどない。菱面体でできていることもあるが、ぶどう状の結晶も珍しくない。そのときでも拡大してみると小さな菱形(ヒシ形)の集まりが見えることがある。
 長野県竜島鉱山は安曇野地域の川沿いに分布する鉱床で菱マンガン鉱は偏在している。
 もう一点の岐阜県土岐市の画像はぶどう状の菱マンガン鉱である。この地ではイオン半径がほぼ等しいMnとFeのイオンが共存しているため入れ替わりやすく、鮮やかなものから黄色みを帯びたものがある。つまり菱鉄鉱に見えるものも多い。これは後述エオスフォル石の場所でもみられたことだ。それでも菱鉄鉱の一部にはカットされるものさえあるし、価値が落ちるなどと思わなくてよいはず。 
 菱マンガン鉱は酸化が進みゆっくりと退色するので注意すべきだ。日光にさらさないことで退色が鈍化する。たとえそうなっても市販の還元剤の使用によってだいぶリカバリーできるはず。

長野県松本市波田町竜島鉱山ガマ径2.2p

岐阜県土岐市下石町 ガマ径3.8p
                        洋紅石  

 探すのが困難なのは相変わらずだが洋紅石の産地は少しずつ増えてきた。
 実物はカーマインレッド(エンジ色に近い)の光沢ある針状結晶で、エナメル線でエナメルを剥いた時の銅の色のようだ。針の長さは0.2mm前後であろう。20倍程度のルーペで針状がはっきりみえる。当然、私のコンパクトデジカメでは拡大に強いタイプだけど画像失格。申し訳ないがA氏に頼ることに・・。画像をポイントすると限界まで拡大する。
 洋紅石が入る石には赤や茶系統の褐鉄鉱くずれが多く見られ、色(写真の色はまあまあの再現)をきちんと覚えておかないと紛らわしい。洋紅石はルーズな結晶でなくはっとするほどの美しさがあるのが目安。
 大分県観音滝、山梨県黄金沢、また、岐阜遠ヶ根の旧鉱山を訪ね、運よく洋紅石を採集できた。どちらも運+情熱が必要でてごわい。遠ヶ根の場合、成分を構成する鉛が少なく鉱石の腐りも小さくて、ときめく石にはなかなかめぐり合わないと思う。ここでの画像は黄金沢鉱山のものだが、遠ヶ根も似たタイプのものはある。観音滝のものは、元の鉱物を置き換えるように出るのが目立った。
 たまに同じガマにあっても針状ではないものが共生しているものがある。そこで海外の標本などを見るとやはりそれもあるようだ。
 探石は、砒酸塩の存在環境で、鉛と鉄のイオンの供給がある石英空隙を意識して探している。

山梨県甲州市塩山平沢 黄金沢鉱山 
                            水晶

 宮崎県西米良村はずいぶん以前から知られた水晶産地で、もう絶産と思っていたらその周辺にはまだ何かしかあるらしい。たどり着くまでも大変な現場だが、そこからすべりやすく斜度のきつい斜面の上のほうに向かう。それでもめぼしい場所ではすでに残り物状態。厳しい作業が待っていた。
 こてこての褐鉄鉱に包まれているものは透明度が高く、「しめしめだ。酸で溶かせばよい」と思ったが、そうは問屋がおろさない。広く探したほうがよかった。ここの特徴である長い水晶(そのうち褐鉄鉱につつまれたもの)は、ていねいな作業中でも簡単に折れるほどデリケート。それは褐鉄鉱ができる際に水晶に力が加わったことを暗示している。
 ついでにご注意。3月なのに、現場でなんと山ヒルにやられた。それも昼だった。アホな話。
 それから支柱になる水晶の上に多数の小旗状態の水晶がついたものがいくらか見
られたが、それはいままで他産地で見たことがないような特徴だった。
透明水晶の写真
宮崎県 西米良村板谷 5cm前後
                           自然金

 砂金のほうが自然金より金の純度は高いもの。その砂金への挑戦はこれからになる。この長野県の甲武信鉱山は甲斐の国の信玄と関係が深かったのだろう。
 自然金は銀や銅他が含まれていてもだいたい金色が基本だが、量が多ければ色合いが白〜赤みを帯びるし、酸化が進んだものでは少し暗くなる可能性もある。黄鉄鉱、黄銅鉱、硫砒鉄鉱など、硫黄成分をもつものと紛らわしいし、共存もする。これらの状態によっては金そっくりで、金をよく見ているとだいぶ慣れるものだが、ルーペサイズ以下の物ではベテランでも迷うことがよくあると思う。このこと、いちおうの見分けはアルバムの本文に記した。
 悪いことに自然金は大概小さいので、比重、条痕、硬度、色、結晶系など金のデータを知っていてもあまり役に立たない。こういうデータは対象が大きかったり破壊してもいいときのもの。写真は不定形で肉眼サイズだ(私がコレを見ると点に見える)。もちろん、運がよければここではもっと大きいのもでるはずだ。


長野県 川上村甲武信鉱山 1mm前後
                燐灰ウラン鉱

 昔、石集めをしていなかった頃に誰かにいただいた、岐阜東濃鉱山産の燐灰ウランはすぐにポイしたらしく、すでにない。
 目覚めて、放射性鉱物の産地をと探すが意外に現在は適当な場所がない。友人の言葉「質を問わないなら採れるのではないか」。それを頼りに、迷いに迷ってたどりついた。やぶ蚊が大量発生しそうな薄暗い場所だ。ミネラライトを持参していたのでそれを頼りに捜索する。こういうときは役に立つもんだ。 現場で石を割りとってもすぐばらばらになってしまうので、結局小さいものばかりが手元に。 燐灰ウラン鉱はミネライトで薄緑色に強く光るが、光ったところをよく見てもその場所に黄緑色りんぺん状鉱物はなかなか見えないので、以外にも良標本はごく少ない。
 あとで夜に光で照らしたり、ミネライトで照らしたりしながら場所を特定するが、放射性鉱物であることを忘れさせる(怖いよ)。今思えば私は気づくのが遅いけど、採集のときに夢中になって石粉を多く吸い込まないように。低放射性といえどもからだに入れば無視できない。保管は燐銅ウラン鉱と同じようにしているが、γ線は通過すると思う。まあ距離をとれば減衰するし、いいかと思っている。放射性鉱物はきれいな結晶になるものが多いようで人によっては魅力的かもしれない。なお画像はミネライト不使用のものだ。
燐灰ウラン鉱の写真

山口県柳井市 石井鉱山 2mm
              ◆燐銅ウラン鉱

 燐灰ウラン鉱も産地が少ないが、燐銅ウラン鉱はまたいちだんと産地が少ない。それに、燐灰ウラン鉱のときはミネラライトで光るのに燐銅ウラン鉱では銅が邪魔して光らないので見出しにくい。最近、更に稀な砒銅ウラン鉱を採集したが、これとは色合いや形が似ている。
 岡山県の剱鉱山ではみいだせず、近県に狙いを定めて黒川鉱山や五加鉱山の何度目かの探査で見つけた。石を割るとちいさな緑っぽい色が一瞬きらめいたもの。その後は母岩の状態も判ったが、それでも稀にしか見つからない。ブロシャン銅鉱より若干明るいガラス光沢・緑の系統で、さいころを薄く切ったような結晶になるが、多くは鱗片状になる。
 岐阜県産の右画像は先述A氏の手によるもので、同じ石の撮影なのに燐銅ウランの粒が増えたような不思議な気分で、サイコロのような特徴あるかたちがリアルになった。
 放射性鉱物なので金属とプラ箱の二重構造で保存しているが、よほど濃集しないとなんでもないはず。それより、採集、整形の時の石粉の吸い込みこそ注意だ。
 東白川地内の鉱山では他にウラン鉱が全面についているため、観察もビビる別のやや大きな石の標本を得たが、その一部に緑の放射針状に見える部分があったり、他にも小さい黄白色板状の花びら状に広がる結晶のようなもの、他にも・・・。多くは何でもないのだろうけど。

岐阜県加茂郡白川町 五加鉱山
      ◆セリウムフローレンス石  日本式双晶

 久しぶりの金鶏鉱山へ。場所もうろ覚えになっていたが、あわよくばフローレンス石なるものをと。 その日、運よくリュックを背負った守護神が登場。その神の啓示のもと、ちょっと頑張ってみる。石友には神が宿ったが、私は嬉しい悲鳴をあげることもなく帰ります。だいたいこのごろそんなもの。
 家にもちかえった石をヒマという道具を使って丁寧に割りこむと、まれに小さな水晶洞に隠れるようにフローレンスが顔を出す。ここで酸処理をすれば、よりはっきりしてくる。多くは先に晶出した水晶に邪魔されながら最後に晶出しているようだ。そのためか形がはっきりしないが、写真(凹凸あり、オート焦点のカメラでは苦手なタイプ)でははっきりしない紫水晶といったイメージだ。CeはLaグループなので同居しやすく、グループ中でCeのモル比がもっとも大きいもの。ちなみにセシウムとは違う。Laグループは今話題の希土類元素だが、モナズ石やバストネス石が主要鉱石で中国からの産出が多い。(レアアースだ)


 金鶏鉱山にはきれいな帯緑の白雲母、帯緑の苦土電気石(ともにクロムのためだろう)。更に小さいがテルル蒼鉛に伴う自然金もでた。TeやBiは金と相性がよい。しかし、自然金はどれもコレも小さいものばかりだった。
 私は見分けられないとは思うがテルル蒼鉛が出るのなら、新鉱物の都茂鉱だってあってもよいはず。ちょっとした組成の違いだけということもあって。
 日本式双晶も、金鶏鉱山においては無数にある細かい水晶ガマのなかに、ちらほら見られる。差し渡し3mm以下が多かったが、写真の標本だけは抜きん出て大きかった。

長野県茅野市金沢 金鶏鉱山1.5mm

茅野市金沢金鶏鉱山 差し渡し1.1cm
               ミアジル銀鉱 火閃銀鉱

 福岡出身ということもあって、時に九州へも出かける。火閃銀鉱という素敵な名前に惹かれ(石友も同じ)、ここを知る方からのマップも得て西米良村の天包山にも足を運ぶことになった。天包山を回りこむルートはルートファインディングに迷い、ルートの寸断に自信を失い、歩き続けることにも不安になり、こんな山奥に鉱山があるはずないと弱気になった。一人ならとっくにあきらめていたところ。現場らしきところがわかり採集を試みるが現物を見たことがなく苦戦したし、後から考えてもこれは産量が少ない。たどり着いてもありつけない人が出るなあ。
 火閃銀鉱が産出している鉱山はわずかしかないが、ここ宮崎の西米良村の天包山北は鉱山という規模ではないようだ。この画像では輝安鉱にへばりつくような、赤茶系統の火閃銀鉱の粒がみられるが葉片状に見えるものもある。とにかく粒が細かいという印象だ。
 火閃銀鉱の銀の含有率としては輝銀鉱ほどでなく、だいたい濃紅銀鉱程度だが、何しろレアなのでどうしようもない。同じ系統のミアジル鉱(師による。当時は硫砒鉄鉱にしては?と思っていた)も産出するが、ミアジル鉱の銀含有率はもう少し低い。ここで多いのは輝安鉱で、ルーペサイズならガマ立ちの端正な姿を見せることもある。が、それ以上サイズになるとガマに入りきれず、ヘキカイ面を見せるのみだった。総じてここの銀鉱物は銀、アンチモンの硫化物となっているようだ。
 他にはやや立派な白〜淡褐色の針状〜球状さらに単結晶のバレンチン鉱もあった。近くにはこれらの脈の形成のきっかけになる石英斑岩〜花崗岩系統の岩がみられた。



上下とも宮崎県 西米良村 天包山 1.5mm
                 菱鉄鉱

 岐阜県土岐市の五斗蒔地区は藍鉄鉱の産出で一時話題になったが、その南に位置する土岐市久尻の道路工事現場でも藍鉄鉱が出て、同じく菱鉄鉱を伴っていた。それは特に結晶が目立たない黄褐色半球形を主としていたが、最近になって見ていたら、酸化が進んだのか若干黒ずんでそのためコントラストがついている。まるで菱面体(住宅)の大集合住宅のようで、それがぶどう状に見えている標本が中にあった。 画像をポイントする
 同じグループの方解石がそうであるように、菱鉄鉱でも実際はいろいろな顔つきを見せ菱面体だけとは限らないし、菱面体が明瞭なものはむしろ少ないとおもう。
 菱鉄鉱は炭酸イオンと鉄イオンというありふれた組み合わせ。これならどこにでもありそうだがH.P.検索をすると、国産に限ればヒットが予想外に少ない。これは地味さに加え、いろいろな顔つきで産出していることもありそうだ。塩酸では、じんわりと発泡して溶け液は鉄イオンの黄色系統になった。
 菱鉄鉱と共存しやすい藍鉄鉱もFeは(2価)であり、その状態は安定でないこと。藍鉄鉱の保存は気にかけたが、これに伴う菱鉄鉱の標本の保存には無関心だった。これも変化を受けやすいのかもしれない。でも、自然に任せるのもよいし、コントラストが出て結晶の形が明瞭になったと考えればよいか。

岐阜県土岐市 久尻 直径7mm
                 菱亜鉛鉱

 菱亜鉛鉱も炭酸イオンと亜鉛イオンというありふれたイオン組み合わせながら、国内に限ってH.P.検索をすればヒット数は菱鉄鉱より更に少ない。海外と違って人気がないのだろうか。見逃されていることもあろうが菱鉄鉱よりも産地が少ないことだけは確かである。もし、産出が多ければ菱鉄鉱と共に優良な鉱石になっていたはずだ。
 スミッソナイトというスミソニアン博物館創設にからむ由緒あるネーミングである。結晶になることもあるが、そうでなくても海外のカラフルで立派な標本には驚かされる。日本産のは何故かモノトーン気味。
 写真の滋賀県石部町灰山近辺の菱亜鉛鉱は地味というべきか。たとえるなら米粒色の米粒集合体のよう。この石のそばには青系の銅鉱物がふんだんにあるというのにだ。結晶のシャープさもいまひとつであり、菱の字にこだわってはいけないなと思う。ただ、すぐ近くの山では爪状の菱亜鉛鉱が出ている。
 写真は標本の中でも、少しでも色づいているものを選んでみた。微妙に味わいのある色変化を見せるので海外での人気が分かるような気がした。

滋賀県 石部町石部鉱山 画幅4cm
             ◆エオスフォル石

 多度町では狭い範囲ながら、藍鉄鉱をはじめとしたリン酸塩鉱物が得られる。エオスフォル石、メッセル石などの珍しい鉱物のほか菱鉄鉱や菱マンガン鉱などが出ていた。メッセル石なら藍鉄鉱との関与を思わせるような化学式なのでそれを目安に探したものだ。ただ、最近はどれも難しいようだ。
 エオスフォル石は曙光石という素敵な和名を持つ鉱物で、海外のは小さいながらもやや透明感のある薄桃〜褐色系統で、錐面のイメージは洞戸鉱山産の透輝石のような形。そのつもりでいろいろ探すが見えない。 ここのは縁取りがわずかに淡褐色の白色の花びら状・真珠光沢をしているようなものがエオスフォル石だとされる。分析されているからそうなのだろうが、海外標本とのあまりの違いに私は気になってしょうがない。
 最近、手持ちの石の中でエオスフォル石?としていたものも含め、よーく観察したら一個の石にやっと、海外標本のような特徴ある錐面と色を持つ結晶のエオスフォル石が見つかった。それは他より母岩の隙間が大きいもので、ルーペでも確認しづらいサイズと場所だったが、無理を承知でA氏に頼み写真で何とか再現を試みた。
 実物はもっとシャープな形だが、いちおう画像では左際や右際にそれが見られるので、その形をよく覚えてから改めて画像を見ると、画像内にいくつか典型的結晶を見つけることができる。


三重県桑名市多度町猪飼
         ◆針ニッケル鉱   苦土鉱

 白亜紀前期の化石を求め訪れたこの地域。天皇浜の鉱物はそのついでに立ち寄ったものの、場所不明で退散し2度目の訪問になる。付近にはシルル紀の化石が見られるはずだが、鉱物界の同行者のため今回は封印。聞けばめざす鉱物はほとんどとれないらしいが、それでも行きたくなる。我ながらいやな病気の発作だ。
 針状の金属は好まれるが、そのうち針ニッケル鉱は放射針状の真鍮色のものを大分の若山鉱山で得たので、和歌山の天皇浜でも何となく同じと思っていたら、大きいがただの針状金属光沢であった。すべすべした母岩のところに含まれているということは似ていて(めのうというよりドロマイトのようだ)、長さはまれに7mmを越すものもあった。変質して珪ニッケルのようになっている部分もあるが、少し雰囲気が違う。それがジャンボー石ならよいのに。 ただ、産出はごく限定されているようなので、そこを見切るかどうかがポイントになる。

 和歌山での目的はむしろ菱苦土鉱(マグネサイト)であった。画像のようにシャープさを欠く八面体もどきの形で苦灰石(ドロマイト)の晶洞に出たが、他にもいくつかのタイプがある。ただし苦灰石に比べてあまりにも少ない。ここでは爪状の形が多い苦灰石と違い、塩酸をたらしてもとりあえず変化しなかった。
 それから辰砂が苦灰石に伴い濃集しているところが、ちらほらとあった。(たぶん辰砂)
 ここの印象としては、ほとんどとれないとまでは思わないが、運にも見放されると苦灰石だけになる。
 これまで菱のつくグループをいろいろ採集してみて、その代表である方解石は一番菱がしっかりしている。これには炭酸イオンに対して陽イオンを構成する各金属イオンの半径の違いが出ているのだろうなと思うが、それでよい?

和歌山県 広川町 針ニッケル鉱 4mm前後

和歌山県 広川町 菱苦土鉱 7mm前後
                ◆水鉛鉛鉱

 色別で黄色になる鉱物は少ない。その中で水鉛鉛鉱(モリブデン鉛鉱)は、産地も産量も限られているのでまず鉱石としての利用はなかっただろう。鉱物アルバムには中竜鉱山(福井県側の仙翁谷)産を載せたが、それはズリを掘ったものであり大きいが少しくすんでいる。実は白っぽい異極鉱上にのる物もあり、このタイプは色彩のコントラストがよいが、大きくは成長してない。現場作業では泥まみれで産出するものとそうでないものとがあり、その二つは見た目も違うということが何となく分かってきた。今回はその小さくてきれいな方を画像アップすることにした。
 ここの坑側では一見すると、ぱっとしたものはなく地味なズリだがよくみれば方鉛鉱、閃亜鉛鉱、黄銅鉱、硫カドミ、異極鉱(あまり注目されないがいろいろな形態で産出している)孔雀石、そして少ないが青鉛鉱、白鉛鉱、水鉛鉛鉱も産する。さらに同行の友人は緑鉛鉱を見つけたようで、ここでのリン酸塩鉱物出現は興味深い。
 ただ、現場にむかう林道の崖は崩れやすく無理をしないように。タイミングが悪いと無数の大小の落石や、樹木が道路をふさぐ。(更に運が悪ければ車ごと崖下へ運んでくれるかも)

福井県大野市 仙翁谷  1mm以下
                ザレシ石

 アガード石はその成分元素にCa, REE(REEはレアアースのグループ)を持つがそのうちほとんどCaに富むものをザレシ石とするようになった・・・と理解している。
 大和鉱山で採集会があり、その類の説明があったようだ。ザレシ石は新産鉱物。あきらめ半分で、とりあえずアガード石のようなものをめざせばよいと解釈して仕事。家にもって帰った石の少なさが難儀を物語る。その日からしばらくして資料を手に入れることができ、チェックすると採集した狭い範囲は大半がザレシ石成分とのこと。なので分析環境にはない私の標本はそのままザレシ石としておく(アガード石の可能性も少しある)今思えば見せていただいたサンプルの標本を撮影しておくとよかった。
 ザレシ石の色は青緑もあるがここでは緑系統である。また、アガード石のグループで、砒酸塩なので酸に対してすぐには変化が見られないはず。
 一緒に出向いた石友が、当地の石はなぜかかなり放射能が強いよと報告してくれた。この付近閃ウラン系の鉱物が分解しているのだろうか。

山口県美祢市 大和鉱山
                ◆磁硫鉄鉱

 向谷鉱山は茅野市と高遠町の境界付近にある小さな鉱山。小規模な金鉱山らしいが金はいずこ?。ここは最近、都茂鉱の産出で話題になったが、今は少なくなった。テルルービスマス系は都茂鉱をはじめ種類が多く、そのどれも似たような外観を持つので共存しているとネーミングは難しいし、それ以前の問題として普通に見られる硫砒鉄鉱のチップと紛らわしい。
 ところでかわいそうなことに都茂鉱グループの入っていないような石ころは見放されやすい。そんな石で小さな水晶ガマや他の空隙にやや黒ずんだ金属のような「何だろう鉱」があった。強力な磁石にひきつけられることが分かり長野県産磁硫鉄鉱?としていたが、その後もっと形がしっかりしたものを見出せたのがこれ。画像はブロンズ色とまではいわないが短冊状集合体で光沢もあり、まともな結晶を見ることが少ないこの鉱物にしては大きさもあるので存在感がある。向谷鉱山では磁硫鉄鉱でも形のはっきりしないものが多く見過ごされていそうだ。長期保存に難ありらしいが頑張りましょう。
 結局見出したものは都茂鉱、他のテルルー蒼鉛系鉱物、小さい硫砒鉄鉱の長柱状結晶、さらに少ないがゲルスドルフ鉱や緑色の毒鉄鉱やスコロド石様のもの、自然蒼鉛、赤褐色針状の金紅石(ルチル)もあった。

長野県茅野市 向谷鉱山 左上1.5cm
                 ◆蛍石 
 
 福島県舘岩村の蛍鉱山は通称なのだろうが、蛍石鉱山とは分かりやすい。民家のはずれから、はっきりとした地図情報はないままで、石友と川沿いに上流の方向に30分以上歩いたことは記憶している。
 現場の坑口付近に残されたズリに時折蛍石を含む水晶が見られるが、これが時々ハリネズミ状態だ。現場の石を手にとり上げるだけで、針またはそれより細い毛状の水晶が手袋を突きぬけ、手を刺激するということがしばしば。そして、1mm以下の長さだったが、持参したルーペつきのとげ抜きで拡大してもわからないほど、小さく透明なものが2箇所。帰ったあとでも所在不明の水晶のなんともいえない痛みに苦しんだ。
 さて、ここでの蛍石については白系統が多く緑や紫は少しだけ。画像には緑と白色が見られるが、右下のような八面体や六面体はごく少なく、六面体や八面体が集合したようななんともいえない塊状になったようなものが多く、かなりの割合で晶洞に入っている。そのほかの鉱物は?。ちくちく痛くてあまり落ち着いた観察ができなかった。蛍石の用途はまず、光学レンズそれに融点の降下剤として金属の精錬、取り扱いが大変なフッ化水素酸の製造ほかであろう。紫外線によって蛍光を出すが、その強さや色はさまざまだ。

福島県舘岩村 蛍鉱山 画幅23cm
             ◆花崗岩ペグマタイト 

 大きな花崗岩ペグマタイト産地の一つの岐阜県東濃地方の恵那〜中津川の採石場は現在ほとんど休山中だ。後継ぎだけの問題ではない。日本での住環境や工事方法が変化している。例えば、自然石を庭に置かなくなる、通常の石垣は減りコンクリ製石垣が多くなる、土留め工事方法の変化。墓石にはペグマタイトを産するような粒度の石は向いていない。それ以外で勝負となれば安い輸入石材にはかなわないなどなど。最近、東濃地方では花崗岩をはじめとしたペグマタイトの新しい産出の話題を聞かない。花崗岩ペグマタイトも採集したことさえ遠い昔のようだ。残りの大産地もそれぞれの理由でペグマタイトの産出は減少している。
 当時の現場のかたは「雪だから先に帰るよ」と言われたが、その後から見つけた物で大量のガマ粘土のため車中までドロドロ。急な雪に慣れず、すべりまくる自動車の事故と渋滞。という記憶が残る。
 さて、花崗岩中の微量の放射性元素は、マグマが冷えるときにできた水晶中に格子異常があると徐々に色を変える。おなじみの水晶、長石、雲母の結晶は珍しくないと思っていたが、今はどの産地も様変わりして珍しくなってしまった。長石の立派な結晶は少なく人気があるらしいということを最近聞いた。

岐阜県中津川市蛭川 左右35cm
      亜砒藍鉄鉱(パラシンプレサイト)

 50年以上前の新鉱物だが、亜砒藍鉄鉱(パラシンプレサイト)の新産地はあまり増えていないようだ。大分県の木浦鉱山で得られたが、それに続く岐阜県蛭川の遠ヶ根、一柳地域は最近はほとんど見かけない。両鉱山とも砒鉄鉱や硫砒鉄鉱がリッチなところがあったが、共にやせ細って見る影もないし、最近は地道に転石から探すしかない。(秋は立ち入り禁止)
 スコロド石と化学組成は似るが、パラシンプレサイトのほうが圧倒的に産出が少ない。パラシンのほうの成分中の鉄イオンが、より不安定な形のためだろう。藍鉄鉱よりは変化が緩やかだが、ゆっくりと分解してゆき、光沢は失われ色も暗くなって砒藍鉄鉱などに変わるという。実際に2個を自然放置したら3〜4年後には皮膜状の方はほとんど黒色にまでなっていた。また、しっかりした結晶は気になるほどの経年変化をしていない。でも、いい標本の状態を長く保つために遮光と酸化を防ぐ方を選んでいる。
 上の画像をこれ以上拡大できないし、ガマ奥行きが深いため光が届かず奥の方が判然としないが、よく見ればほぼ無色〜淡い水色〜淡青色〜で、基本は極地方の厚い氷のような青だ。いろいろなタイプの結晶があり変化に富む標本だ。画像は、まだ右側へ続き、そこも美しいので元画像サイズで示したい感もあるが別の問題が生じるのでこのままで。
 下の画像はガマ立ちのイガグリ状であり一見スコロド石に似る。いずれにしてもふたつあわせてみればバラエティに富む結晶だと分かる。(鉱物アルバムにはガマではない産出状態のものも掲載しているが見掛けの変化は大きい。)
 両画像とも採集してその日のうちにすぐ隔離し、最近の写真を撮るときだけ出してまたすぐ隔離しているという待遇なのでまさに[箱入り娘標本]である。なるべくこの状態を保つべきとは思っているが、どうなるやら。

上と同じ蛭川 8mmガマのうち画像は左側5mm部分

蛭川 イガグリ状のタイプのもの ガマ径3mm
                          毒鉄鉱

 小さいものついでに岐阜県の毒鉄鉱を。大きさは0.2mm前後と小さいので、毒鉄鉱は慣れないと見出しにくいが明るい光を取り入れながら見ると、基本的に結晶からの反射光が四角形ばかりである。このことは、ミニ透明黄鉄鉱六面体を見ているのだと想定できる。もし、そこに三角とかの反射面がかなりあれば結晶質のスコロド石との共存か、水晶かもしれないとかとりあえず思う。
 毒鉄鉱の画像はルーペで見たときと同じ色仕上がりになりにくい.。それは、光線の加減の他に、微小で透明感と光沢があるからだろう。また、毒鉄鉱結晶(晶洞タイプ)をルーペで見た時、見る角度を変えると結晶が見えなくなる。でもサイコロのような形状からして90度横から見ればまた見えてくるはず(母岩が邪魔して困難だが)。山梨県黄金沢鉱山で見つけた毒鉄鉱を石友に見せたらどこか分からないという。そんなことはないはずという自分も再度見つけられないということがあった。これが石の隙間にできたものでは観察しやすい。
 また、この鉱物を探すなら砒酸塩地域で褐鉄鉱と石英のすきまの存在を気にする。小さいのでめだたなかったが、反射が強くキラキラするのが目安になる産地は増えるだろう。より見る機会が多いスコロド石とは共生することもある。毒鉄鉱は最大0.5mmほどになるものを得たことがあるが、そちらは撮影上の問題があるので見合わせた。

蛭川 奥側も手前も0.2mmほど 下画像は、
別のところで石の隙間に生成したもの。青系
統の色が多い。

                          水亜鉛銅鉱

 岐阜県洞戸鉱山の水亜鉛銅鉱は少ししか見なかったが最近では珍しいし、いちおう水準以上に見えるのでアップしておく(だけど下画像の海外ものとは雲泥の差だ)。
 最近は年のせいか遠征が少なくなってしまったが、再発見をめざしての近場でも気負わなければ悪くはないもの。それはそれでいろいろある。
 水亜鉛銅鉱は銅、亜鉛の炭酸塩であり青〜青緑系の美しい鉱物である。皮膜状であったり、板状で真珠光沢それが半球状集合体になったもの等見ることができる。産出は少ないが似たものにはサピエリ石(硫酸塩)がある。薄い酸に対してこちらは泡が出ないし、産出のときの結晶の集合の仕方、共存鉱物、産地などでわかるから気にするほどではない。
 ところで、水亜鉛銅鉱は針状にもなるというが、まだ掘り出したことはない。しかし、うまい具合に昔、化石の友にいただいた海外もの(アメリカ産のようだ。血統書なし)がそうなので下画像にて示してみた。それを細かく見ていたら、針状が集まった部分が板状になっているところがあり、何となく共通性を納得。

洞戸鉱山 ガマ左右12mm

アメリカ産か 右のほうは異極鉱とおもわれる
               ◆自然蒼鉛(ビスマス)

 続けて岐阜県洞戸鉱山の自然蒼鉛(ビスマス)へ。 地元の人は杉原坑付近で銀紙のようなものをよく見たらしい。これが輝水鉛鉱のことだろう。本邦での自然蒼鉛の産出地は稀ではないのに採集チャンスは少ない。どこでも少し出る程度だからだろう。
 この地の自然蒼鉛は銀紙ならぬ輝水鉛鉱と相性がよいのだが、MoはBiよりSがあるとき格段に結びつきが強く硫化物になりやすいと考えたがどうだろう。ここでは同じ硫化物の黄銅鉱・方鉛鉱系の石には自然蒼鉛は稀だ。
 自然蒼鉛は一方向のヘキカイが目立つがその産状をたとえると、小さなトランプを少しずらせて重ねたような形が基本でこれをいろんな方向から見たようなもの(またはモザイク状に組み合わせたようなもの)。色は銀白色だがほのかに赤みを帯びることが多い(金色っぽくもある)。小さいサイズのときは、幾重にも重なる輝水鉛鉱や硫砒鉄鉱と見分けにくいかもしれない。(物理的性質の違いでわかる)
 上の画像はやや新鮮な自然蒼鉛で、石英や金属部の光の反射で見にくい。溶けたように丸こいがその一部にはヘキカイが残っている。他に分解物の蒼鉛土(黄色)を伴うものもあった。
 下の画像は一柳鉱山に差し替えた。こちらはやや大きいものであり銀色にみえるところから伸びる、黒ずんで見える部分もそうだ。ただ、ここでの産出記録はあるが実際はなかなか出てくるものではない。
 なお金属鉱物の多くにみられるが自然蒼鉛も少しずつ色が変化してゆく。写真に撮っておくとその変化がわかる。

洞戸鉱山 1.5mm 

一柳鉱山 銀色部2.5o

                 ◆輝蒼鉛鉱

 関連しての輝蒼鉛鉱について。 独特な輝きの美しさを持つ自然蒼鉛や、輝蒼鉛鉱と性質が似ている有名な輝安鉱に比べて色合いや大きさが地味に映る。産地はいくつかあるのだが標本の所持者は少なく私自身、輝蒼鉛鉱を見せていただいたことがない。
 岐阜県遠ヶ根鉱山には過去に輝蒼鉛鉱の産出記録があり、自身も過去に一個だけを採集できた。ガマからでたもので輝蒼鉛鉱の一つの傾向である伸長方向を切る面が見られるもので、大事にしていた標本だが、しばらくして、よかれとおもってやったエステ処理で大失敗し昇天させてしまい遺影の画像だけが残った。
 それからしばらく縁がなかったこの鉱物に最近になって、遠ヶ根鉱山すぐ近くの一柳(自然蒼鉛は産出記録がある)で、地味なズリでの掘り割り作業のすえ見出したこれはと思われる鉱物を、石友と相談しながら決めたのが下の画像の輝蒼鉛鉱。それにまだ画像化していないが、ルーペサイズの別タイプの針状結晶集合体標本もあり、そちらはH.P.でよく似た標本を見かけた。が・・・。
 輝蒼鉛鉱の性質のおおくが同じ硫塩の輝安鉱と似ているが、それにしては国内の画像はさほど輝安鉱と似ていないという気持ちがあるので、まさかと思うが今回の一柳画像は輝蒼鉛鉱でなく輝安鉱?という迷いまででてきた。
 もう薬品は使いたくないし・・。画像はいまひとつかもしれないが、もし疑問があればどなたかご指摘お願います。

中津川市 遠ヶ根鉱山2mm 幻の品

中津川市 一柳鉱山 2mm以下

               ◆
(銅)アダム鉱
 昔、宮崎県土呂久鉱山に産出したらしいが、今は大吹鉱山のアダム鉱(蛍光鉱物)がどんな面をしているかを見たい。・・・というのも意外な希産鉱物で、おおかたが含銅アダム鉱(蛍光なし)の産地であり、それを含めても数箇所。しかも、そのほとんどが微妙な話とか産出量がごく少ないということになっている。世界でも偏在の傾向だ。
 亜鉛はありふれているし、砒酸塩もそこそこある。しかし、この組み合わせはごく稀ということなのか。
 岐阜県に金城鉱山がある。ここは山ヒルの数が半端でなく、血気あふれる人以外は訪れる季節に気をつけなければならない。 最近の様子はズリ表面にカラーストーンはごくわずか、掘り返そうにも急傾斜のズリの土砂が掻き落とされたため見るべき石はあまりない(=少ない)という状況。
 それでも友人がゆくというので付き合い、それなりにうごめいていたら追加標本にしようかという石が出てきた。ここのほとんどのアダム鉱は細かい柱状結晶の集合体が球顆をなしているが、小さなものだと結晶らしき物も失せてつるんとした玉に見える。今回のは鉱物アルバム挿入より更に色が薄く板状に近い(拡大した他の視野には錐面らしきものも)。それが円座に集合しているものだ。アダム鉱は銅の含有度による色変化はともかく、斜方だけでなく単斜もあるという。いくら多形をとる鉱物だといっても2枚の画像を比較するとあまりの違いに!。似た画像をいくつか確認しているので一応アダム石としておくが、乞うご指摘、ご意見。
 金城鉱山全体では、こんな小さな鉱物群よりも硫砒鉄鉱のやや大きな結晶、灰鉄輝石の結晶(菊寿石)、緑系水晶
などで知られている。
 そうそう、ここは柿野鉱山と混同されているようだ。


岐阜県山県市金城鉱山 上(以前の一枚)
              下(今回の一枚、稀)


                                 ◆紫水晶
 福島県宝川の紫水晶は、忘れることのできない体験だった。ということもあって、ここではアルバムとは趣を変えておもに採集記ということにする。
 だいぶ以前になるが、紫水晶ほしいとの私の要望に石友は「期待しても採れないかも」「それはあたりまえ、他所も目指すから」という事にして、採れないならばせめてカメラで撮ろうと、珍しくカメラを持参して行った。真夏の朝に集合した場所の川に降りて3人で産地を探しにゆく。・・・・・やっとの産地と思しきところは、第一印象「やっぱりお土産程度だ」。
 先に石にとりついた友人達は、群晶で採りたいはずなのにいつの間にかそれが単晶になるという始末の石質。もう、あわててもしょうがないと悟り、凹んだ所を無理やりに半日かけて取り出せればOKと判断。まるで青の洞門の物語と一緒の途方もない話。30分もすれば疲れて弱音「やっぱり無理かもしれない」・・・・・他にやることもなく、先の見えない作業をしていたらタガネの音がドンドーンと変わってきて、そのうちたがねがスコンと突き抜けた。穴の奥は真っ暗でわからない。長い草を入れて空洞ありと確認すると、石友も集まってきた。その一人が大きなビニール袋に水を入れて注いだが一杯では利かない。顔を見合わせ、山中に歓声が上がった。友人も加わって慎重に、狂ったように立ち向かう。・・・・・・黄門様の「もういいでしょう」という声にとりあえず終了。3人で分けて「もういいか」として別の場所へ向かった。
 ちなみに最近になって石友S氏に聞くと「もう、さえないよ」とのこと。
 質は海外の紫水晶にははるかに及ばないが、紫水晶は国内でも産地ごとに表情を変えるのが良い。このときはメノウの内側に続成するタイプでガマの上部と下部では様子が違い下部では泥、粘土鉱物、緑色の?が表面を汚していたのと、ガマの内部がぬれているものは質が良かった。ちなみに、トップページの紫水晶は下部のものだ。        アルバムのトップへ
 ところで、水晶の発色の原因について荒っぽく言えば、岩石に含まれる微量の放射能の長い間の影響により、水晶中の不純物の鉄イオンの状態が変わり吸収する光のバンドが変わるため結局、見かけの光の色が変わってしまうという。
 

福島県麻耶郡宝川 長径20.5p

ガマの一部の写真より画像化 水で濡れて
色が強調されている 

        ◆トムソン沸石  灰十字沸石
 
沸石の仲間はたいていモノトーンだがその結晶は愛らしい。おもに安山岩や玄武岩の小さな晶洞に鎮座していたり、その晶洞を埋めつくしていたりする。通常でもルーペを必要とするサイズなので、先端など細かい特徴の観察がしにくく、100倍ほどの顕微鏡がほしいもの。ルーペ頼みではちょっと。
 トムソン沸石がみられた新潟県小杉の砕石場は、規模は縮小、別の石が運び込まれていて新しい石が出てない状況のようだ。
 トムソン沸石は多くが半球状〜球状で半透明〜不透明で長板状結晶の集合体とされるが、見ていたらうんよく長板結晶を見出すことができたので、これを配置して(中央少し上横向き)画像化した。 その脇には長板結晶の集合体になっていることが丸見えの球状の結晶があり、これを基準に以前のものをいろいろルーペで眺め回すと、トムソン沸石の球状部分の表面には長板集合のなごりのシワが残っていることがわかる。
 ただし、ルーペで見たときのシワの刻みはごく浅いブロック状のことが多い(針状ではない)。それに、山口県の川尻海岸など合わせて観察すると半径が小さいものには表面がつるんとしている傾向もあり、この沸石のいくつもの顔つきに悩まされる。大きい結晶の断面を見ると同心円構造が見えるものがあり、木の年輪の場合と同じように成長環境の変化を示すことを伺わせた。
 
2か所に共通しているのはトムソン沸石や灰十字沸石だった。その灰十字沸石は双晶をなしていることが通常たそうだ。たとえば一見単晶のように見える左上の結晶も双晶である。晶洞内にはこれらが集まって半球状になり、その表面がちかちかして美しい。さらに横断面を見せているものは半球結晶の集合状態がわかりやすいので、この画像は盛りだくさんだ(一見単晶にみえるもの;改めて見れば別の画像が必要だと思う)。この画像では十字架に見える双晶は見られない。
 

新潟県柏崎市米山 1p球

山口県長門市川尻 半球2o程度

            アルバムの紹介です 

●コンセプト
 筆者が、30年ほど採取してきた日本各地での化石や鉱物を、自身の手になる写真を中心に、採集の  喜びやポイント、更に豆知識を織り込みながら見開きカタロ グ式にレポートしたもの。
●特徴「鉱物編107p 1600円」では主要鉱物の他に、気になる二次鉱物を、「化石編92p 1400円」では 示準化石を中心に地質時代のできごともとりあげている。  本論以外のところはできるだけそぎおとししています。本論重視です。 (フルカラー)
そのため、鉱物写真は297枚、化石写真は238枚もあり、ページ数に比して多いもの。
 フィールドでの利用も考えて、強度は¥100ショップなどのクリップバインダ(ダブルクリップ)にて。

 申し込み方法等はメールで問い合わせください。アドレスはdkqhy4199@ybb.ne.jp ただし、hのところをgに変えて送信してください(スパム防止のためです)
 (例;2冊なら3000円)。郵便局にある振込み用紙にてお願いします。

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