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John Coltrane / A Love Supreme (至上の愛)

曲目 参加ミュージシャン
1. Acknowledgement (Part 1)
2. Resolution (Part 2)
3. Pursuance (Part 3) - Psalm (Part 4)
John Coltrane (ts), McCoy Tyner (p), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds)
録音年:1964  
 至上の愛、このアルバムを素晴らしいものだと思えるようになるまで、私には6年の歳月が必要であった。初めて聴いたのは大学1年の頃であった。ちょうど本格的にジャズにのめり込み始めたころだった。あらゆるジャズメディアにて"超名盤"の扱いを受けるこの作品、一体どんなものだろうかと興味津々でレンタルしてきた。しかし残念ながら当時の私にはどこがいいのかさっぱり理解できず、二度と聴く機会はないだろうと思い、ダビングさえしなかった。また、同じ頃に聴いたColtraneの"Impressions"も理解不能だったため、しばらくColtraneを避けて通るようになってしまった。それから3〜4年後、なぜ思い立ったのか全く記憶にないが、とにかくまたこの"超名盤"にチャレンジしようと思って、もう一度レンタルする機会があった。しかし、やはり理解不能、再びダビングせずに返すハメとなった。"神に一歩でも近づきたい。それが人生の目標である"、と語ったColtraneは、Milesの元を離れてからというもの、その音楽性も一般人の理解できる範疇を越え、遙か彼方へてしまったのだろうと、当時の私は勝手に解釈した。
 このように、私にとって鬼門であった"至上の愛"を三度目に聴く機会が訪れたのは、就職して少々ふところにゆとりもできた頃であった。"これだけジャズを聴いているというのに、至上の愛を持っていないというのもカッコ悪いかな"という、非常にどーでもいい動機でこれを買った。久方ぶりに聴いてみると、今までとは違う何かを感じた。左右のスピーカーの間には熱く燃えるColtraneの姿があった。それまでさっぱりわからなかったものが、この日突然わかったのである。"俺にもColtraneがわかった"という喜びと共に、感動の波が寄せては返した。私も1mmくらいは神に近づけたかもしれない。冒頭、Elvinの堅いシンバル音が緊張感をあおり、Coltraneがおもむろに"Acknowledgement"のテーマを提示する。めちゃくちゃカッコイイではないか!特に熱いのはアップテンポの"Resolution"と"Pursuance"である。神がかったColtrane、留まることを知らない。どうしてこんなに素晴らしいアルバムをこのときまで理解できなかったのか、今となっては全くの謎である。
 蛇足だが、私のとある友人は"至上の愛を聴きいていると、仕事がはかどる"と言った。よくこんなやかましいものを聴きながら仕事をできるもんだな、と思ったが・・・。ちなみに彼はそれほどジャズ好きではなく、実はブルースが好きだということだった。とにかく、人によってはすんなり受け入れられることもあるのだろう。不思議なもんだな、と思った。

 


1999/06/01 作成