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David S. Ware / Surrendered

曲目 参加ミュージシャン
1. Peace Celestial
2. Sweet Georgia Bright
3. Theme of Ages
4. Surrendered
5. Glorified Calypso
6. African Drums
David S. Ware (ts)
Matthew Shipp (p)
William Parker (b)
Guillermo E. Brown (ds)
録音年:1999  
 William Parkerの「Scrapbook」に感動して以来、 William Parkerの作品を2〜3作買ってみたんですけど・・・、モロフリージャズでけっこうキツイっすね。 で、サイドメンで出ている方も調べるとすぐに、あ、なんだ、David S. WareやMatthew Shippと演ってるんだということを知りました。 S. Wareと言えば何年か前、「創世」ってのが出てたっけ、でももう全然見ないよな・・・、 と言うわけでDavid S, WareやMatthew Shippの作品も(全て中古盤で・・・)聴いてみた、が・・・、 こっちもまた、やっぱけっこうキツかったんだよなぁ、私には。 フリージャズでも、山下洋輔の「キアズマ」とかアイラーの「Spiritual Unity」、AEOCあたりはけっこう好きなんですけど、 なんでこの人達のフリージャズにはこんなに馴染めないんだろう? ものすごいパワーは感じるんだけど、くそ真面目過ぎるというか、息苦しい感じがするというか・・・。

 何だか良くわかんないですが、まぁそれでも中古で安く売ってるのを見つけては買い、 毎度毎度「う・・・、やっぱダメかも・・・」というのを繰り返していたわけです。 そんな中で、「オオオオ!遂にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!」と大いなる喜びを味わったのが本作でした。 本作は、S. Wareの他の作品と大きく異なり、フリージャズじゃありません、 と言うと言い過ぎかもしれませんが、明確なビートやコードが感じられる曲ばかりで、聴きやすい内容。 もしかすると、コアなS. Wareファンにとっては最も憎むべき(?)アルバムなのかもしれないと危惧しますが・・・、 私にはこれくらいのが良いなぁ。 この人はフリーだと溢れんばかりのパワーがそのままに表現されるために私にゃ付いけず、 曲という構成の縛りの中に入ってくれるくらいの方がまだ馴染める、という感じなのかなぁ。

 1曲目はハードボイルドタッチで。う〜、のっけからカッコいい! 4人とも痺れるプレイを繰り広げてくれるんですが、 ウィリアム・パーカーの重厚なベースがキーポイントか。2曲目はチャールズ・ロイドの曲。 普通にフォービートしているんですが、あんま素直にやりたく無いみたいですねぇ、パーカーがすぐに 倍速ビートにしたり、ドラムと一緒になってビートを揺らします。いや、それとも元々そんなアレンジの曲なのか? 私はあんまりよく知らないんですけど。これだけ色々工夫されると普通にフォービートに戻ってブーンブーンブーンブーンと クルところが気持ちいい〜!

 本作の私的ハイライトその1は3曲目、「Theme of Ages」。ギョーギョーギョーギョー・ギョーギョーギョーギョーーー、 というテーマに痺れる! マシュー・シップのピアノも冴えわたりまくり。ピアノによるゴゴゴゴンンン・・・という、 そのテーマの合いの手にあたる部分と相まって、なんと言ったらいいんでしょう、ボキャ貧(死語)ですんません。 サバンナの夜明けって感じでしょうか。ウワッ!スゲー貧困な発想。まぁとにかくですね、終始鳥肌立ちっぱなし! 4曲目の重厚なアフロ・キューバン的6/8拍子のリズム、それに乗って非常にシリアスに決めるマシュー・シップにも痺れます。 なんとなく1曲目と同じメロディーのような気がするんですが?

 ハイライトその2は5曲目、「Glorified Calypso」。これでカリプソって、まぁカリプソのリズムみたいですが、 こんなに南国から遠く離れた感じのカリプソってあるんでしょうか。あ、マイルスに「カリプソ・フレリモ」 っていう、これまたとんでもないカリプソがあったっけ。それはさておき。 こちらでは、リズム3人でメチャメチャ重厚で荘厳なリズム刻んでます。 グニュグニュと猛烈な音圧でS. Wareがメロディーとソロを繰り広げます。 それがカリプソです(笑)。そんなんアリかよ。もうね、普通のカリプソ以上にウキウキ楽しくて昂揚します。

 そして最後がハイライトその3、16分と長尺の「African Drums」はコルトレーンによる「My Favorite Things」 そっくりの3拍子曲。S. Wareがプリプリギュゥギュゥと頭からブッ通しで6分半のたうち回ります。う〜ん、パワフル! そして普通のジャズのようにピアノ、ベース、ドラムとアドリブソロが続きます。安心して聴けます(笑)。 マシュー・シップのメロディーセンス、いいですねぇ。

 と、たいへん聴き応えのある作品なのですが、発売は2000年と最近のことで、しかも日本版が 大手のSME (Sony Music Entertainment)から出ましたが、既に廃盤であります。 普通にはもう店頭で売っていません。大手から出たこういうアルバムって、マイナーレーベルから 出るもの以上に廃盤の憂き目に遭いやすく、そして再発の可能性も限りなくゼロ。 ホント、酷いですねぇ。そんで50-60年代の同じ作品ばっかり年中行事のように毎年毎年再発して、 もう「サキコロ」なんてCDだけでも20種類くらいあるんじゃないかと。 で、こういう最近の名作はあっという間にどこ吹く風。 どうにかして欲しいですねぇ、今のこの業界・・・。 というわけで、私はここ2-3年ほど、中古屋およびAmazon等のネット通販でばかり 買うようになった、という次第であります。HMVのゴールドカード持ってるんだけどなぁ・・・。

 


2006/06/02 作成