コラム工事中。本書や『増補』で言及した装備等を順次掲載していく予定です。視覚的動物であるヒトは、文章や簡単なイラストだけでは分からなくても、写真を見れば一目瞭然のことが多くあると思います。随時更新追加の予定。08年『長期縦走原論』のホームページをアップしたものの、校正さえ今だ沈殿とは、我ながら怠惰と恥じ入るばかりです。( 11年8月29日)

 「靴のカットモデル3種」、「足サイズ計測器ブラノック等」、「ポールのカットモデル、LEDランプ等」、「ストーブ各種」、「自作夏用大型ザック」、「時計、高度計、風速計、線量計等」、「執筆に使用した各種測定工具」、「執筆に使用した秤各種」、「コイルジッパーの消耗と対策」です。
 12年5月15日から、思い立って「全山前後のアイゼン摩耗等」、「厳冬期用シュラフ」、「パタゴニアのオリジナル・パイルジャケット等」、「ヒマラヤセーター」、「参考文献等」、■■■ULH著者からの献本挨拶と、山渓から拙著との類似性に関する回答■■■の項を追加しました。
 13年6月27日に何とか『増補2013』をアップしましたので、「ヘッドランプ」、「厳冬期の手袋重ね合わせ法」、「ランナーの消耗」、「ストック石突きの摩耗」、「革製二重靴解体と靴の構造」を追加しました。「全山前後のアイゼン摩耗等」にも追加しました。
 14年5月27日『増補2014』をやっと作り、まず「ガス缶カットモデル各種」、「接着製法登山靴解体」、「わかん」、「スノーショベル」、「アークティックパック」、「自作サーマレスト空気入れ口金」、「ベガ・インナーブーツ修正道具」、「革断面」、「新旧冬用ボトル、保温用袋」、「極小ジッパー引き紐」、「トロールマラソン」、「除雪用完全防水手袋」、「雨用の運動靴インナーソックス」、「就寝用フリースソックスと目出帽」、「ヒマラヤソックスとミトン」、「防水、防滴カメラ」を追加してみました。

アイゼンの使用前(左)、使用後(右、再研磨前)の比較(11/12年全山(20泊21日)の前後)。




 上はカジタックスLXF12、左が新品、右が使用後のもの、研磨前(N使用)。
 下はチタネスク、左が新品、右が使用後のもの、研磨前(Y使用)。

 この程度爪が丸くなると、硬い氷には刺さりが悪くなり少し不安になる。しかし、縦走ではそれ程シビアな使い方をする訳ではないので、やすりを持参して山行中に研ぐ事はない。

 90頁に書いたように、今回もチタネスクはLXFとほぼ同じ程度の摩耗になった。他のチタン合金製アイゼンは、弱く柔らかい3.25程度の材料(組成は85頁、実測硬度は87頁にある)を使っているので、例え運良く壊れなくても、確実に途中で爪を研ぐ必要がありそうだ。まして、超々ジュラルミンのものはさらに弱く、遙かに柔らかいので氷河専用だ。



 左側は、上のLXFの左足爪が曲がったもの。右側は右足に使ったもの。硬度は問題ないし相当の力がかかっても折れなかったから、適切な熱処理がされている事が分かる。曲がっただけだったので、折れるのとは異なり使用には支障がなかった。

 最後に、この3.11同時多発原発事故「怒りの日」の始まりから初の全山では、下山後のホッとした満足感はおろか、多少の嬉しさも、充実感も全く感じなかったどころか、今に至るまで達成感の欠片もない。こんな無味乾燥な感じは初めて味わった。今だ原発事故が収束しないという恐ろしい現実をまともに受け止めれば、世界ばかりか個人の感覚もすっかり変わって当然かもしれない。山は変わらなくても、逃げなくても、世界が、人の感覚が変わってしまったかのようだ。

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わかん


 『増補』の28頁で説明した、現在使用中のわかん。左は金属部分を除いた自作取り付け全パーツ。右は使用状態。これでわかんのトラブルは全く無くなり、ラッセルには体力だけが問題になった。残念なことに、それは改善が困難だ。

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スノーショベル


 ブラックダイアモンドのスノーショベルは、ショベル本体(黒色、オリジナル346g)に専用シャフト(青色、192g)を差し込んで、白いスリーブ(27g)を叩き込んで固定するので山行中分解することは事実上出来なかった。上の写真は、分離した状態(本体は改造後)。そこで、右上ミゾーのチタンスノーショベル(292g)の取り付け金具を使い、ピッケルシャフトに取り付けられるように改造して(367g)満足出来るものになった。

 下の写真は、取り付け部の裏表。


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厳冬期用シュラフ

        上の写真ではロフトが分かりにくい。下の写真は光線を変え凹凸を分かりやすくしたもの。


 厳冬期の長期縦走で200日以上使用したシュラフ、209頁のY用XPD-3、今回は実測1730gだった。

 極薄地にしたものなら同じく209頁で書いたようにさらに100gくらい軽くなる。ロフトを示すために、シュラフの両側に高さ267mmの辞書を置き、撓みのないアルミ棒を渡してみた。ロフトの大きさが分かるだろうか。30cmはある。しかし、モコモコ羽毛が詰まった感じが全く伝わらないのは残念だ。それが薄手のシュラフとの大きな感触の違いだからだ。厳冬期の長期縦走という悪条件でこれだけ使っても、ロフトの減少は感じない。

 夏用などは生地の劣化の方がはるかに問題だから、これ以上薄い生地を採用したシュラフは好きになれない。頭部は胴体部のディファレンシャルカットとは逆、内生地が外生地より大きいので、裏返るようにモリモリ反り返り盛り上がっている。頭を包み込む工夫だ。

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アークティックパック


 サーマレスト収納を兼ねた空気入れ用の袋。右側から入れるようになっており、サーマレストと同じ生地で出来ている。本書では150gと書いたが、112gの間違いだった。

 収納袋として使う場合は、左の白いプラスチック(破損している)のついた三角の出っ張りを黒いターポリン製部分に入れる。空気入れとして使用する時は、白い部分をサーマレストの口金にぴったり差し込み、右側から袋を丸めるようにして空気を入れるが、空気を入れにくい。狭いテントの中ではなおさらだ。厳寒地では、吐息を吹き込むとすぐ内部凍結が起こるのでこのような簡易ポンプを工夫したと思う。すぐ廃番になった。

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自作サーマレスト空気入れ口金


 自作口金(49g)を作って空気を入れてみたが、中の凍り付きは相変わらずで、効果がはっきりしなかった。一体どうしてなんだろう。黒いものは、自転車用携帯ポンプ(Top Peak Mt.rocket CB 、121g 、手が冷えないカーボンボディー)。

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靴のカットモデル3種

 左から、スカルパ・ベガのインナー、ハンワグ・ピッツパリュー、ヘンケ・モンブランのカットモデル。

 ベガのインナーは、日本では08年度から高所用が標準装備されている。写真のものは以前のタイプ。内側がナイロンベロア、中綿は水を吸わない4mm厚のEVA、足入れの良さのために水を吸うチップウレタンやウレタンがツバや足首部に入れられ、一番外側は厚手のナイロンコーデュラで出来ている。非常に頑丈だった。高所用は、EVAが7mm厚にされ、ウレタンもグッと少なくなり、外は薄手のナイロン地に変わった。保温力は上がり、軽くもなったが、足入れ感は悪くなった。耐久性は、プラブーツのシェルの耐久性から考え十分だと思う。

 ピッツパリューは接着製法で作られているので、基本的に耐久性は素材のプラスチックと接着剤に依存することになる。つまりプラブーツと同じということだ。革靴だからといって、旧来のもののような耐久性はないことに留意する必要がある。使われている皮も非常に薄くて驚いた。スチールシャンクは後半部だけに入っていた(シャンクを抜いた後の隙間が分かるだろうか)。
 90年代初旬、プラブーツの突然破壊、ウレタンソールの突然破壊が問題になり始めた。その後、業界はプラブーツやウレタンソールには寿命があると山岳誌に広告を出したり、パンフレットを配ったりしているが、一番肝心の製造年月日は以後も殆ど記さていない。消費期限や賞味期限は製造年月日がはっきりしていて初めて分かるのに、登山靴に関しては製造年月日は社外秘のようだ。業界は製造後5年が寿命といっているが、製造年月日を記載しなくては意味がない。山岳雑誌もそのことには一切言及しないパブ体質だ。昔は、相当時間がたってからビブラムが剥がれても、それは必ずメーカーが無償修理していた。このように消費者の一方的責任を問うだけなのが、一事が万事の日本的といえるだろう。

 モンブランは厚手の革で作られている。革の比重はプラスチックより大抵ずっと低くても、中底の厚さやコバの出っ張りから重くならざるを得ないことが断面を見て分かるだろうか。全長に渡って入っていたスチールシャンクの入っていた隙間が見える。
 これは、数回ビブラムの張り替えをしてコバが殆どなくなっている。ピッツパリューよりコバの出っ張りが少なく見えるのはそのためだ。ピッツパリューはワンタッチアイゼンを使用できるように前後のコバの出っ張りだけは十分作ってあるにもかかわらず、その他は殆どないのが写真では分からない。このモンブランは、コバが消耗して縫い糸がコバから出かかった状態になりもう貼り替え不可能な状態だが、このような二重出し縫いの新品の靴では十分コバが張り出しており、同じサイズの接着製法の靴と比べ、ソールの幅(や長さ)がずっと大きくならざるを得ない。

 多くの接着製法の冬用登山靴も、皮が厚ければそれ程軽くないのも事実だ。また、断熱と足当たりのために入れてあるウレタンや、シンサレートは水を吸う。だから、冬に使用すると殆ど水を吸わない材質で作られたベガのインナーより保温力がめきめき落ちていく。もちろん短期であれば問題ないが、長期や防水性が必要な春山ではプラブーツに限る。

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革製二重靴解体と靴の構造


 解体したピトン(小倉製靴)の革製二重靴。左の3つはガロモンタン使用、インナーはフェルト一重、側がミクロテックス製のもの(以下、ミクロ)、右の3つはガロインパーミアブル、インナーはフェルト二重のもの(以下、フェルト)。アウターとインナー重ねたものは右足、アウター、インナーそれぞれ左足。ミクロはアウター1235g/a、インナー284g/a、ソールはroccia block(踵部20.5mm、母趾球部厚7.5mm)、フェルトはアウター1439g/a、インナーは372g/a、ソールはmontagna block(踵部27.5mm、母趾球部厚12.5mm)。ミクロはプラブーツとほぼ同じ重さだ。フェルトは、ガロユヒテン製の頑丈なシングル登山靴、マインドル・マッターホルンとほぼ同じ重量だ。

 履きにくく蒸れやすいプラブーツよりいいと思って時代錯誤のオーダーをしたが、信じられないような履き心地で、どちらも2、3日使用し痛い思いをしただけでお蔵入りになった。雑誌に載った天然素材が見直されているとの記事(高田光政、「ブーツ」、『岳人』、89年11月号、34〜37頁)を読み、紹介もされていたのでその気になって2足も特注してしまった。殆どの雑誌の商品紹介記事は、専門輸入業者の書いたものでさえ適切とは言えないものだから、商品選択には役立たずこのような失敗を何度も繰り返す。


 左写真はミクロ、フェルトそれぞれ左足をソール部とアッパー部に切ったもの、右写真はほぼ完全解体した右足。表側から。



 左写真はミクロ、フェルトそれぞれ左足をソール部とアッパー部に切ったもの、右写真はほぼ完全解体した右足。裏側から。
 ミクロは、ソール部589g、アッパー部598g(内、革芯94g、踝ウレタンフォーム20mm厚、18g/pr)、フェルトはソール部792g、アッパー部576g(内、革芯100g、踝ウレタンフォーム15mm厚、10g/pr (切った時のロスがあるので多少計算が合わない)。どちらも甲皮3.2mm、革芯は踵部4.0mm、先端部3.5mm、両側中央部2.5mm。ミクロはキャムブレルとジャージ生地の間にウレタンフォームを挟んだ2.2mm厚、フェルトは革製1.8mm厚の内張り。どちらも、足首上部のゴムスポンジは1.8mm厚の革で包まれている(ミクロ40g/a、フェルト38g/a)。踵当て革は甲皮と同じもので、ミクロ21g/a、フェルト18g/a。何の為か分からないが、ミクロ甲皮裏側の土踏まず部とその反対側に、フェルトの甲皮裏の踝部分に1mm厚の革が接着してあった。なお、どちらのインナーブーツにも、踵とつま先に芯が入れられている。

   内底、内張、革芯そして甲皮の重なりが見える↓


 上の写真は、ミクロの右足ソールを縦方向に切ってシャンクの上から剥がしたもの、下写真の左は踵側から前方を見て左、右は右側のコバ部分拡大。中央の白く盛り上がったシャンクの下、ミッドソールは4.5mm厚プラスチックだ。

 3重出し縫い、内底(5mm厚)と甲皮は1本の糸で水平方向に出し縫いされ、甲皮は外に出されコバとなり下のミッドソールと2本の糸で縫われている。内底は外周から数mm横から切れ目が入れられ、内側も黒いゴムの部分が切られ、その2つの部分が下方向に曲げられ甲皮と縫われている。3mm厚くらいのゴムは隙間を埋める為のものだ。中央部の出っ張りは3mm厚グラスファイバー製シャンク。ソール全長328mm、589g/a。このような構造で靴の剛性を出しているので、必然的にコバの出っ張りも大きくなり重くなる。

内底、内張革、革芯、甲皮、踵当て革の重なり↓が分かる


 上の写真は、フェルトの右足ソールを横方向に切ってシャンクの上から剥がしたもの、下写真の左は先端、右は踵のコバ部分を横から写したもの。中央の白く盛り上がったシャンクの下、ミッドソールは5mm厚の革製だ

 3重出し縫い、内底(5mm厚)と甲皮は1本の糸で水平方向に出し縫いされ、甲皮は外に出されコバとなり下のミッドソールと2本の糸で縫われている。内底は外周から数mm横から切れ目が入れられ、内側も黒いゴムの部分が切られ、その2つの部分が下方向に曲げられ甲皮と縫われている。3mm厚くらいのゴムは隙間を埋める為のものだ。中央部の出っ張りは3mm厚グラスファイバー製シャンク。ソール全長335mm、792g/a。ミクロより200gくらい重いのは、主としてビブラムの厚さの違いだろう。

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革断面


 全て、下が銀面(毛の生えている側)、上からガロモンタン、ガロインパーミアブル、ヘンケモンブラン。
 ガロモンタン、ガロインパーミアブルは、革の断面の色が茶色だからタンニン鞣し、ヘンケ・モンブランは青白っぽいのでクロム鞣しのようだ。どの革でも、銀面が緻密で中に行くほど組織が荒くなっている。ガルサーはどれも比重が0.8 くらい以上、ヘンケは0.7 くらいだ。ヘンケの革は、革の両面だけベージュ色にくっきり染まっているので一枚革ではないと思って本書でもその旨書いたが、4.5mm もある厚い一枚革だった。

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接着製法登山靴解体


 初期の接着製法の登山靴、ワンタッチアイゼン使用可のLowa ZugSpitz、サイズ10、1050g/a。一度ソールを張り替えたまま長年保管していたもの。久し振りに履こうと思い箱を開いてみたら、踵部が弾けたように割れ、壊れており、プラスチックの破片が飛んでいた。まだ革は十二分に使えそうな感じだったので、捨てるに忍びなくそれ以後そのままにしておいたが、やっと捨てる気になり解体してみた。左の写真は箱から出しただけの状態、右の写真はミッドソール(赤色)を剥がしたところ。案外簡単に剥がせた。

 改めて、革製の登山靴とはいえ、接着製法の靴の耐久性はプラスチックと接着剤の寿命に依存する、ということがよく分かる。プラブーツや普通の運動靴と同じだ。接着し直しても初めのようにはしっかり接着しない。まして、革を手入れすればなおさら接着しにくくなる。また、内底とアッパー部は何十本ものクギで固定されており、それは修理不能だろう。しかし、重い重い二重出し縫い登山靴の信頼性を懐かしみ、実際の山で使う気にはなれない。ウッドシャフトのピッケル、木のわかんと同様、観賞用としてはいい雰囲気を出しそうだが。



 左の写真の両側赤色はミッドソール、中央部は、アッパーと内底が一体になったもの。右の写真は、アッパーからベージュの内底を剥がし、足入れ方向からみたもの。周辺に並ぶ茶色の穴は、アッパー部と鉄クギで固定していた跡(60本強/片足)。
 この靴の場合、シャンクはプラスチック板だった。このような作りだから、クギが錆びて固定力が落ち、接着剤が劣化すると靴は簡単に分解する訳だ。



 左は、内底を外した状態のアッパー部を底から見たもの。右の写真は、両側が左右アッパー部、その内側が本来アッパーの内側に位置する内底、一番内側の赤いものはミッド-ソールつきのラグソール。ミッドソールとラグソールは剥がしてない。

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ベガ・インナーブーツ修正道具


 インナーブーツを修正するのに使っている道具。高所用インナーは、殆どEVAフォームだけで作られている。EVAフォームは単独発泡だから底つきしないが足にフィットしにくい。しかし、クランプで締め付けると思いの外潰れやすいので、やり過ぎないよう少しずつ作業するのがコツだ。内側に入れる木片は角を丸めた大きさの違うものを何種類か作って、必要なものを使った。この作業で足に当たる部分が無くなり、ぐっと履きやすさくなった。これは真っ平らな貼り付けインソールを外した状態だが、足の形に合ったEVAのインソールを入れると足裏のフィット感がグッとよくなる。

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雨用の運動靴インナーソックス


 寒い雨の中でランニングシューズを使っていると、足が冷え切ることがある。ソックスの上にプラスチック袋を履けばましになるが、滑りやすくすぐ破れてしまう。以前は、滑りにくい防水生地、現在は防水透湿性生地を使ったソックスを自作(33g/pr/28.5cm)している。羽毛シューズを詰めて写してみた。サイズ的に、そしてフィット感からネオプレン製のソックスを使う気にはなれない。

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足サイズ計測器ブラノック等


 足のサイズを測定するために購入したBrannock、左が女性用、右が男性用、中央下が子供用の3種類フルセット。実際買ってみて、使ってみて、58頁に書いたようにインソールを出しサイズの見当を付けた方がいいと納得できた。サイズはメーカーにより違いすぎ、殆ど役に立たない感じだったからだ。見てのとおり長さと幅、そして母趾球の位置を調べるものであり、足の立体形状を調べるものではない。ぴったりした靴は、自分に合う形状の足形を採用しているメーカーを探す必要があり、それにはBrannockは殆ど役立たないようだ。

 インソールの入っている靴なら、それを出し足を重ねれば一番の目安になるし、入ってなければ、サイズが合っている靴のインソールを持参して靴の中に入れ大きさを調べるとほぼ確実だ。購入時の注意点は同じく58頁を見て欲しい。

 中央の上は手持ちのインソールの極一部。インソールは微調整をするためだけに入れるもので、高価で重くごついものを入れられるなら、靴のサイズ、メーカーを変えるべきだ。

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ストック石突きの摩耗


 80頁にイラストを載せた、レキ・ストック石突きの摩耗状態。左端は新品、他は消耗したものの一例。最先端のタングステンカーバイド製焼結合金部分は殆ど摩耗しないが、それを支えている鉄部分が摩耗して、陥没したり脱落する様子が分かる。右端の石突きのように、先端金属部が脱落すると殆どストックの役割を果たさない。右端下は、脱落した先端部。先端部の長さや形は新品の状態でもそれぞれ異なっている。ストック初心者の頃は全山往復で新品が消耗するくらいだったが、最近では数回持つようになった。無駄な使い方をしなくなった為だろうか、腕や肩の疲れもぐっと少なくなった。

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ポールのカットモデル、LEDランプ等


 今でも愛用のLEDヘッドランプ、マトリックス(グレー)。多少暗いが、闇とシームレスにつながる配光が気に入っている。現在でも通用する明るさのマトリックス2(ネービー)はスポット的配光で、連続使用すると酔ったような感じになり、非常に疲れる。人はしばしばスポットライトを浴び続けると、舞い上がって世間が見えなくなり悪酔いして道を間違える。スポットライトを見続ける場合、道は外さないかもしれないが、周囲が見えなくなりフラフラしてくる。

 機能満載のブラックダイアモンド・スポット(白)は、マトリックスとマトリックス2に光量調整機能、点滅機能を持たせた物だが、タフな使用には向かない。とんでも無いおもちゃだったエナジャイザー・エクストリーム(黒)にはがっかりした。光量を変える事が出来るが、いつも光がチラチラしている。どちらも多くの機能を少ないボタンで行うため、長押しがあったりして、手が凍えていたり、厚手の手袋をしては操作できそうもない。マトリックスは、ハウジング部を単純にねじるだけだからどんなに酷い状況でも操作できる。ザックの中でスイッチが入ってしまう可能性もなく、防水性は並外れている。

 マトリックスは電球式ヘッドランプのハウジング内の電球とリフレクターを、LEDモジュールに変えただけのものだ。専用設計なら遙かに小さくできるので、無駄に大きく重いだけと思われるかもしれない。しかし、このような昔ながらのデザインのヘッドランプは、ランプ前面ガラスがハウジングのちょっと奥に位置しているので、頭につけたとき目に光が入らない。多くのLEDランプは小型化のため前面ガラスが出っ張り、光が目に入りまぶしく感じる。霧雨などで濡れると、前面ガラスから垂れ下がった水滴に光が反射して、さらにまぶしい。この長所に気づいたのは、他のLEDヘッドランプを数個使ってからだった。おまけに、ボタンスイッチの故障まで経験して、単純な構造の信頼性の大切さを改めて知った。

 人間が操作して使うものには、それなりの大きさが必要だ。操作性を無視して軽量化、小型化と多機能化を求めても、厳しい状況下では使いにくいものになりがちだ。
 歩くだけなら、出っ張っていてもハウジングが下を向くことは全くない。
 それらが、今でもマトリックスを使っている理由だ。

 見かけと全く異なり、ビールが非常においしいミゾー手作りチタンマグ。まだ、チタンをプレスする技術が未熟だったので1mm厚の板を溶接して作られている。切りっぱなしの口はクリスタルみたいな感触。薄手で口を丸めたものと全く違う。

 EPI・STRAの五徳を直径85mmから120mmに延長して、やっと使えるようになった。五徳のふにゃふにゃ感は如何ともしがたい。夏用として使用している。

 フローティングコネクター、ポール、ストックのカットモデルの極一部。様々なもののデータは本に書いた。

 夏に使用しているペグの一部。、全てダイニーマのロープをつけてある。ダイニーマは腰がある素材だから指を入れやすく、余り水を吸わない。ブラックダイアモンド(青)のペグは頭の角を丸め、他のものを傷つけないようにした。黄色はイーストン、アルミ色はエスパース。

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ランナーの消耗


 新品なのに、1日でへたったランナー。『テント』の「張り綱」165頁に書いたように、細い張り綱のランナーはへたりやすい。

 冬のように、張り綱ループをテントに固定する方が何かと使いやすい。中央は張り綱を通した状態で、左のランナーは張り綱なしで表から見たもの、右のランナーは裏から見たもの。左のランナーの3つある穴のうち、下2つの穴の間が凹んでおり、右側のランナーは、一番下の穴の下が凹んでいるのは、そこに力がかかった証拠だ。以後、何十日使ったランナーでもこんなにへたらない恐ろしい風だった。テント張り綱4カ所のランナーが同じように消耗していたので、このように写す事が出来た。見て分かるように、ランナーがへたり固定力が落ちたら、まずは逆向きに使えば凹んでない部分を使えるので問題ない。さらに、それがへたったら、ランナーを上下逆に使えば、また2回使える。

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ヘッドランプ


 手持ちのヘッドランプ各種。まだどこかに埋没しているものがあるかもしれない。これでも一人前、恥ずかしき物欲の極一部だ。こう並べてみると、大した行動もしないのに、出来ないのに、するつもりもないのに、何から何まで、一人でサッカーチーム全員でも十分なほどの装備や用品を持っている生活の豊かさ、ものに圧迫された居住空間の貧弱さと心の貧しさがあからさまになる。

 左上は、一世を風靡したワンダーの初期ヘッドランプ本体(85g/電池無し、専用電池4.5V、3.5V/0.2A電球。前面保護ガラスはガラス製)。プラスチック製と違い、傷や錆がいい味を出している。その下が取り外し式のヘッドランプ部(71g)。それらの右側は、反射鏡が大きく保護ガラスがプラスチック製になった新型ワンダー(87g/電池無し、専用電池4.5V、3.5V/0.2A電球)。ヘッドランプ部は同じ。赤い逆T字型のパーツは、単2電池を使用する為のケネディーアダプター(12g、交換用2.3V/0.27A電球付き、スペア電球をアダプター内に入れる事も出来る)。本体はどちらもブリキ製、ヘッドランプ部はプラスチック製。接触不良がしょっちゅう起こるが、ノスタルジーを感じるブリキ製に、製造中止後、物欲に任せ何個か入手してしまった。

 詳しい説明は本書や『増補』にあるので、以下、簡単に説明する。

 ワンダーの下、左の丸いヘッドランプは、ナショナルBF-178(91g/電池無し、単3電池2本、2.5V/0.25A電球)。防滴性をもち、このようにバンド側に閉じた状態でロック、使用時、引っ張り出すと点灯する信頼性のある構造。フレネルレンズを使っているので薄く出来ている。その右側、緑色のものは、REIへOEM生産したもの。これが昔の標準明るさのヘッドランプ.非常に普及していた。マトリックスより暗いとは信じられないが、それで多くの人が登山をしていた。

 その下の黄色の四角いヘッドランプは、ナショナルBF-182(129g/電池無し、単3電池4本、2.5V/0.5A電球)。これが昔の明るいヘッドランプ。スイッチにロック機構が無く、ザック内で点灯する事、重い事で殆ど使用しなかった。4本もの電池を一度に使用するので、スペア電池を束のように持参しなければならないのだ。

 一番下の紫のものは、ナショナルBF-192(71g/電池無し、CR-123A、1本、2.7V/0.15Aミニチュア電球)。夏には無駄で高価な電池使用と、厚手の手袋や手が凍えたら押せないスイッチ構造に、山で使った記憶がない。

 中間列の同じ形のヘッドランプ3ヶ、バンドは全て黒、本体がそれぞれ黒、シルバー、透明青のヘッドランプはプリンストンテック製。黒はクエスト(114g/電池無し、単3電池2本、2.2V/0.47A電球)、その内部電球モジュールをLEDに置き換え本体の色をシルバーにしたのがマトリックス(120g/電池無し。砲弾型白色LED3ヶ入りモジュール)、透明青は内部モジュールを反射鏡の付いた1Wの高輝度LED、1ヶにしたマトリックス2(121g/電池無し)。ヘッド部の横に、スペアのヘッドランプから取り出した内部モジュールを置いて写してある。3つは内部モジュールと本体の色以外は全く同じで、互換性がある。マトリックスは、完全防水と確実なスイッチを持ち、今でも一番信頼出来るヘッドランプだ。

 プリンストンテックの3つのヘッドランプ下、電池室分離タイプ、黄色のバンドのヘッドランプはエナジャイザー製、エクストリーム(67g/電池無し、単3電池1本、高輝度白色LEDを1ヶ、赤色LEDを2ヶ)。ヤワなスイッチ、壊れやすい配線の為、使う事はなかった。余りの使い難さにバンド部は改造してある。

 エナジャイザーの下、小さな赤黒のヘッドランプは、バンドがあるのが初期のペツル・イーライト(27g/CR-2032、2ヶ込み、砲弾型白色LEDが3ヶ、赤色LEDを1ヶ)。巻き込み式バンドの方は新型イーライト(26g/CR-2032、2ヶ込み、砲弾型白色LEDが3ヶ、赤色LEDを1ヶ)。完全防水の優れもの。スペアとして持参中。

 右列は、上からブラックダイアモンド製の4ヶ、あずき色はギズモ(34g/電池無し、単4電池2本、砲弾型白色LEDを3ヶ)、白は旧スポット(54g/電池無し、単4電池3本、反射鏡付き高輝度白色LEDを1ヶ、砲弾型白色LEDを3ヶ)、グレーは新スポット(57g/電池無し、単4電池3本、高輝度白色LEDを1ヶ、砲弾型白色LEDを2ヶ、赤色LEDを2ヶ)、黒はストーム(62g/電池無し、単4電池4本、高輝度白色LEDを1ヶ、砲弾型白色LEDを2ヶ、赤色LEDを2ヶ)。

 ブラックダイアモンドの下、黄色と黒の工事色のものはペツル・ピクサ3(122g/電池無し、単3電池2本、高輝度白色LEDを2ヶ)。ワイド光の方には散光用リングを貼り付けてある。

 工事用ヘッドランプの下は、黄色LEDランプ・フォトン。スイッチのあるのがフォトン2、半透明の本体のものは、現在テント内で使用しているもの(電池CR-2032込みで、重量はフォトン5g、フォトン2は6g、紐とピンチ付き半透明のものは11g)。半透明本体は、ショップ99で購入したメーカー不詳ランプの本体にフォトンの黄色LEDを入れたもの。フォトンに関する説明は本書にある。

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ストーブ各種


 本書で言及したガスストーブの一部。

 STRA(左下)の五徳は直径85mmから120ミリに延長。CSSA(右下)の点火装置の碍子部は本体と固定されているので壊れやすい。少し力が加わると碍子が割れ、漏電して火花が飛ばなくなるのだ。そこで、固定パーツを取り外し碍子部が多少動くようにした上、碍子部保護のための覆いをつけた。これで実用的にはCSSA2(下中央)と同様、点火装置が壊れにくくなったはずだ。

 単独や2人の山行でも、これらくらいの五徳の直径は絶対必要だろう。コッフェルより直径が大きく五徳の先端がはみ出すくらいなら、目視でコッフェルの位置を確認できるのでバランスを崩して落とす危険が少なくなるが、そこまで大きな五徳を持つものはないから、気をつけて使う必要がある。だからといって、深型コッフェルは底面が小さいので熱効率が低く、薦められない。もちろん3本より4本が安定する。

 EPIの調整つまみの大きさはどれも大きめだが、ヒトの手の大きさから考え、微調整するには必要必須なサイズだ。

 CSSA、CSSA2のストーブ基部はプラスチックで覆われ、熱さが伝わらないので消火後すぐ缶と分離できる。多少重く、嵩張っても実用性は高く、使いやすい。

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ガス缶カットモデル各種


 分解してみたガス缶の一部(うまく切れたものだけ)。

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新旧冬用ボトル、保温用袋


 以前使っていたリライアンスのボトルと自作保温袋。両面がフィルムで補強してあるテントマットで作ったので、そのままで使える。大きさは必要十分、軽くかつ変形しやすい材質で使いやすかったが、口の締まりが非常に不安定で、いつもビクビクしていた。何度かトラブルも経験した。そこで、ずっと前に使用を止めてしまった。

 左は現在使用しているポリカーボボトル(1.5Lタイプ145gくらい、1.1Lは100gくらい)と、ひびかん象2重で作った保温袋と保護用袋(合わせて、それぞれ32g、26g)。これらを使用するようになり、水漏れの心配が全く無くなった。登山用品としては、多少重くても嵩張っても信頼性が最も大切だ。これで、テルモスなしで大丈夫。

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自作夏用大型ザック



 自作、長期縦走で200日以上使用した夏用ザック。食料18日分、3.5kgのテント、水無しで25.25kgのパッキング状態。せっかくパッキングしたからと写してみた。唯一、背面パッドだけはローのパーツを改造したものを使用している(冬用はそれも自作の、完全自作)。

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トロールマラソン


 初めて買ったシリコーン防水地製ザック、トロールのマラソン。当時としては非常に軽い(237g)のでサブザックとして使っていた。それは適所適材の素材で作られ、背中とショルダー部は滑りにくい綿ポリの平織り生地、底は擦れに強い100d 強のナイロン地、本体とフタだけシリコーン防水地だった。

 現在は、『増補』の50頁で書いたように、軽量化だけを考え不適切な素材の使い方をしていたり、使い勝手を無視した軽量化を求めている商品が多いので、重量だけにとらわれず選ぶ必要がある。

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時計、高度計、風速計、線量計等


 新旧トーメン高度計(革ケース、ショルダー取り付け自作ケース)は、高度計内蔵時計の精度、取り扱い方が理解できるまで併用していた。本当にシビアなところでは、現在でもこれを持参する。今持っている時計各種、どれほど資源を無駄にしたか空恐ろしい。山用に進化しているとはとても思えないので、古いモデルを使い続けているが。ガス残量計(オリジナル、改造目盛り正確版、改造0g目盛版)は冬には必需品。雪温計、風速計(黄色)、線量計。

 この線量計DoseRAE2の精度は問題あるかもしれないが、11年夏の南アルプス山行で一番線量の高かったのは竹宇神社の森の中で0.17μSv、竹宇神社の舗装された駐車場は0.11くらいだった。次は甲斐駒ヶ岳山頂の0.15、荒川小屋の0.13、他はほぼ0.11くらい、池口岳と加ヶ森山は0.06くらいだった。大体の傾向を知る参考にはなるかもしれない。フクシマに近い側が高いのだろうか。

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防水、防滴カメラ




 これまで使用してみた防水、防滴カメラ。詳しい説明は本書と『増補』に書いた。

 左から、長年使ってきた防滴のペンタックスLX(28mmレンズ付き、879g)3台の内の1台、山向きではなかった完全防水のニコノスV(35mmレンズ付き、916g)。ニコノスは、ピント調整も目測の完全にダイビング専用品だった。
 中央は、07年に買った工事用防水、耐衝撃、耐寒デジタルカメラ500G Wide(35mm換算28-85mmレンズ付き、445g)、その右は13年購入の防水、耐衝撃、耐寒のニコン1、AW1(35mm換算30-74mmレンズ付、538g)、右端はペンタックスWG-3(35mm換算25-100mmレンズ付き、227g)。

 『増補』で記したようにAW1もWG-3も山向きではなかったので、今でも画質には妥協し500G Wideを使い続けている。写真で見て分かるように、500G程度の大きさと形なら冬用厚手の手袋をはめた状態で何とか使い物になる感じだ。他の2台のデジカメはボタンを避けて掴むところもないことが分かる。電池の持ちも絶望的だった。これまでのトータル撮影枚数は、まだLXが圧倒的に多いかもしれない。

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執筆に使用した各種測定工具


 各種測定工具。これらを使って厚さ、外径、内径を測った。この本を書くために使用したもの。

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執筆に使用した秤各種


 本を書くために使用した秤。 

 今ではこのような業務用を買わなくても、1/10以下の価格で同等精度という家庭用秤がいくらでも売られている。左は40kgまで50g刻み、80kgまで100g刻みのもの。中央は6000gまで1g単位で表示のもの。右は1〜100gまで0.05g、2〜300gは0.1g単位のもの。どれも水平を出してからでなければ使えない、業務用ならではの信頼性と面倒さを持つ。

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コイルジッパーの消耗と対策




 上左はスライダー、上右は開き(閉じ)かけたコイル部を表(コイルがテープから盛り上がった側)から見たもの。スライダーは両コイルが閉じる部分に位置する。中はくさび状になっており、両コイル頭の出っ張り部を外したり重ね合わせたりする。
 下左の写真は消耗したコイルジッパーのスライダーを横から見たもの。

 スライダーの消耗は主として上下取っ手の間の光った部分で生ずる。そこはくさび状になっており、2本のコイル頭の出っ張り部を広げて両側のコイルを外したり、閉じたりするための重要な部分だ。上右の写真を見て頂ければお分かりのように、閉じた部分は頭の出っ張りで2本のコイルがかみ合っている。しかし、使用につれくさび部分が消耗し、より鋭角になる。そのようになると、ジッパーを閉じようとしてもコイルを緩く開いただけのような状態になり、頭同士がお互いの頭にうまく挟み込まれず2本のコイルはかみ合わない、つまりジッパーが閉じないことになる。

 強い力がかかるテントのフライなどで起こりやすいが、そんなトラブルの時は、両コイルのテープ部を揃えて持って、スライダーを丁寧に戻すとまた閉じることが出来る。一度で戻らなければ何度も慎重に繰り返せば閉じることができるはずだ。コイルジッパーならではの柔軟性だろう。無理をして作業すると事態がかえって悪くなることがあるので、焦って強引な仕事をしないことだ。そして、その場でスライダーを交換できなくても以後注意して使うことができるが、プライヤーなどでほんの少しスライダーの隙間(下左写真の右側の隙間)を押さえて狭くするといいだろう。

 スライダーの消耗はくさび部分だけでなく、その他擦れる部分全てで起きている。くさび部分が消耗してより鋭角になったのはどうしようもないが、上記隙間の幅も広がっているのでいっそう両コイルの頭がずれて頭同士がかみ合わなくなっている。隙間を狭めれば、多少きちんと閉じやすくなるという訳だ。

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極小ジッパー引き紐


 TNFマウンテンジャケットについていた引き紐は冗談のように小さい。全てこの引き紐だったが、一着分全部で一体何グラム軽くなるのか。左はYKKビスロンジッパー5番、その右が付属の極小引き紐。これでは厚手の手袋をして凍えた手では手がかりにもならない。不要なところに重量を無視したパーツが使われるかと思えば、このように実用性を無視して、気分だけの軽量パーツが使われることも多い。そこで、右端のような実用性のある引き紐に交換して、使いものになるようになった。

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除雪用完全防水手袋


 除雪用の手袋の手首部分は、ゴアッテクス製に変更した(121g/pr)。除雪を続けていると、撥水加工ナイロン地が濡れてくるので、古いゴアのヤッケの袖口を切り取って縫い付け、酷い濡れから解放された。

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パタゴニアのオリジナル・パイルジャケット等


 232頁で言及したオリジナルのパタゴニア・パイル製品。ジャケットM寸、722g、パンツM寸、554g、フードM寸、126g、ミトンL寸、 98g/pr。

 現物は明るい色の麻袋みたい。あっという間に毛玉だらけになるが、毛足が体側になるので保温力が高い。通気性も乾かしやすさも、手入れのしやすさもウール製品に比べずっといい。パイルジャケットは当時、最先端のお洒落衣類としてファッション誌を賑わせた。一般の厚手のウールセーターは800gくらいだから少し軽いが、あまりの嵩張りに一度も山に持参した事がなかった。パイルジャケットを持参するようになったのは600g程度のものが発売されてからだ。保温性がその程度で十分なのは、現在でも変わらない。

 レトロ・パイルジャ ケットのような表に毛足側を出し、裏は毛玉が出ないように加工した商品は、パイルジャケットの過去の神通力を借りただけのファッションアイテム だ。そんな羊頭狗肉商品をパタゴニアが発売したのには驚いた。


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厳冬期の手袋重ね合わせ法


 本書に書いた、厳冬期の手袋重ね合わせ。このようにしてから、操作性がよく、かつ手の冷えもなくなった。

 上の列は、左からポリプロ(26g/pr)、ヘラス(手首一重化。切っただけでもほつれないが、切ってから毛糸の末端を探し出し編み込んで処理してある、100g/pr)、ゴアインナー(ここまではほぼ絶対はめたまま、40g/pr)、200フリースミトン(相当寒くなければ使用しない。オーバーミトンと固定するためのベリクロを取り付けて使い勝手が著しく上がった、88g/pr)。一番右はオーバー手(手の甲と親指は二重、親指のみ立体裁断、124g/pr)。
 下の列は、左から手首が二重のオリジナルヘラス(手首が二重になっているのは、手首部分がうまく閉 じられなかった昔の名残だろう、120g/pr) 、その右横、下列中央は、フリースミトンまではめた状態。

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就寝用フリースソックスと目出帽(高所帽のスペア兼用)


 マンゴー色の目出帽は100M製自作品(54g)。これでシュラフは全く汚れず、肌触りがよくなった。ブルーは市販品(68g/pr、血行を悪くする足首のゴムは外してある)、グレーは200で作ったインナー(83g/pr)、右端はアウター(95g/pr)。現在のフリース目出帽とフリースソックスは本書195頁で記したものと異なっている。自作ソックスは完璧な保温性を求めて二重にしたが、今ではグレーを持参するだけだ。ダウンソックスよりずっと暖かい。しかし、ヒマラヤソックスで殆ど保温性は十分だから、最近はグレーのインナーソックスさえ滅多に使用しない。

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ヒマラヤソックスとミトン


 左から、オーバー手の下にはめるように改造したヒマラヤミトン(現用のポーラ200ミトンの前に使っていたもの、157g/pr)、ヒマラヤミトン(L/214/pr)。雪はつくが、オーバーミトン不要なほどの防風性がある。その左は薄手ヒマラヤソックス(43 〜 44/L/167g/pr)、右端は厚手ヒマラヤソックス(43 〜 44/L/252g/pr)。ミトンは、4本撚り、薄手ソックスは3本撚り、厚手は5本撚りの毛糸を使用。薄手と厚手の差は非常に分かり難いが、厚手は脱ぐのも履くのも脱ぐのも困難なほど堅い(ヒマラヤセーターは厚手に近いくらいの堅さと目の詰まり方)。下の毛糸は、左端から2本×2本撚りのヘラス・マウンテン、次はミトン、その次は薄手ソックス、右端は厚手ソックス用の補修用毛糸。
 この手の毛糸製品は、修理すれば殆ど半永久的耐久性を持つ感じだ。

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ヒマラヤセーター


 これらも、山では一度も使った事がないヒマラヤセーター4枚。最後にバーゲンで買ったのはもう10年も前になろうか、品質がすっかり落ち、形は変わってはいないが風雪を通さないといった特徴はほぼ失せていた。

 左から、52サイズの1260gのもの、50サイズの1227gのもの、50サイズの1006gのもの(チャコール)、一番右は50サイズの1206gのもの。普通の厚手ウールセーターは800gくらいだから、暖かくても当たり前だけではなく、密に編んでフェルト化させており、風や雪を通さず縮む事もない。縦走では必要ない保温力と、その重量から山に持って行った事がないのは当然だろう。

  左から2番目のものが一番古く、カフとヘムが細い。一番左と一番右のものはサイズが違うだけで同時代のもの、以前のものと比べカフとヘムが太い。チャコールが最後に購入したもので、厚みは同じくらいだが編み込みが弱く、カフもヘムもヘロヘロ、ずっと軽くなっていた。形だけ同じ酷いものになったのは、ウールセーターの時代が終わりパイルやフリースにすっかり取って代わられ、対抗しようと少しでも着やすくするために軽く柔らかくしたのはいいが、角を矯めて牛を殺すの愚になってしまったという事だろう。

 しかし、同様の防縮処理を施されたウール100%の手袋やソックスは今でも他に変わるべきものがない商品なのに、それらまで消滅しようとしている事には危惧を覚える。257頁、258頁それから281頁にそれらの類がない長所を書いた。以前のパタゴニアのカタログには、風雪の壁にヒマラヤセーターを着て張り付く人の写真が載った事があった。ナイロンや羽毛製品が広く使われるようになる前の最新装備に対するノスタルジーに違いない。

 ちなみに、ユニクロのフリースブーム以降は、街でフリースを着る事は全くなくなった。そこで、それ以後は冬の家庭着として、生活着としてヒマラヤセーターを愛用している。物欲山オールド男子の郷愁を刺激するばかりでなく、誰も着ていないレアものを着ているとの満足感が恥ずかしい。チロリアンジャケットと共に、オーストリアのウール製品の実用性、保温力から耐久性は並外れ、エコである。

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参考文献等


 本の中で引用した本の一部等。

 一番右の列は、上からULHの著者からの献本挨拶、1冊は献本、もう1冊は資料用。
 右から二番目の列は、拙著の最近4度の改訂版、一番下がpdfで載せた最新版。
 中央の列が、ウルトラライトハイキングの発明者の著作、名前は変わっても基本的内容はほぼ同じだ。下が最新版。
 左から二番目の列が、バックパッキングの教祖の著作、毎改訂版の度、内容はリニューアルされるが、全体の構成や思想は変わらないようだ。一番下は、共著となっている。
 一番左の列は、上から環境に優しいという視点からのバックパッキング入門書。日本語の抄訳がある。次の2冊は The New Complete Walker の日本語訳。後に1冊になっている。一番下は L.L.Bean の入門書。

 日本で初心者向けの本は、まるで本質論を無視した、薄く字数が少なく幼児向けのようなイラストの載った本が多いが、ULHも井上ひさしの『むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく』ではなく、『むずかしいことをひょうめんてきに やさしいことをおおげさに』書いている。同様に中級者向け以上の本も、本質論は分かった事として、細かな各論だけに終始する事が多い。
 初心者に事の本質を伝える事は、熟達者や経験者に細かな事実を伝える事より難しいものだ。案外、本質的問題は先送りにするか、分かったつもりの丸暗記の事が多いのは、初心者に何かを教えようとして、あまりに根本的問題を質問された時まともに答えられず、応用は出来ても本質を掴んでいない半可通だったと思い知らされる事で分かる。逆に、中級者以上は、本質論のような青臭い話ではなくその適用に興味が向いており、様々な事実や技術だけを伝えればいいので簡単なくらいだ。

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ULH著者からの献本挨拶と、山渓から拙著との類似性に関する回答


 ULHが送られてきた時の献本挨拶。

 今回は、『ウルトラライトハイキング』という本について(金子みすゞ風総括)で引用した部分のみ黄色のマーカーで塗ってみた。今後の事もあるので、弁護士の助言に従い黒塗りにした。

 拙著とULHの類似に関しては、11年4月1日付けで山と渓谷社取締役副社長 川崎深雪氏から『・・・弊社顧問弁護士の意見も参考にしたうえで、当該作品の類似性は、著作物として保護されるべき要素、すなわち、著作権法で「著作物」として定義される「思想または感情を創作的に表現したもの」として・・・「長期縦走原論2007(2009年校正版)」における文章表現を使用したか否かの点において、権利を侵害するといえるまでのものではないという見解である』との奥歯に物が挟まったような回答を受け取った事も記しておきたい。

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