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 しかしながら、日曜大工の経験はあっても、レンガを積み上げての工法については何の知
識もない。アウトドア雑誌やネットで先輩諸氏のホームページを参考にしながら、取りあえず
やってみようと無謀ながら見切り発車で動き出した。
 まずは、設計図をとパソコンでの作成を試みたが、画面が小さくピンとこない。学生時代を
思い出し、手書きで作成しようと文房具店に製図用具を求めに走った。が、無い!あの、ショ
ーケースの中の憧れの高級製図用具はどこに行ったのか。いつの間にか、手書きで設計図
を引く時代は終わっていた。
 止むを得ず、ネットオークションで中古品を手に入れ、ようやく体勢が整い作業開始となった。
                      
経費(概算)
 レンガ 約800個 約120,000円   珪藻土板(250×250×30_) 8枚 約12,000円
 アサヒキャスター 約20袋 約60,000円   温度計 1本 約6,000円
 鋼材 鋼板・平鋼等 約35,000円   耐熱ガラス(50×100×5_) 1枚 約8,000円
 セメント 約6袋 約5,000円   その他 雑費 約50,000円
 川砂 約1立方 約5,000円            計 加工代含まず 約301,000円

総括

 レンガという素材の予備知識なしに、最初から大きなものに取り組んでしまった。いろいろと工夫改善点があったが、レンガの性質上造りなおすことが出来ない。次は、との思いはあるが機会はないと思う。
 鋼材の切断も、プラズマ切断機(200V)等相当の設備がないと無理がある。ただ、ある程度、出費を覚悟すれば、加工してくれる業者もあるはず。
 窯は雨に弱い。特に高温時の雨は避けなければならない。一応屋根を掛けてみたが、小さすぎて風を伴った雨には効果はなく、景観もよくないので、はずした。現在は、トラック用シートを窯の形に加工し覆っている。




 
ふと、ピザ窯を作ってみようかと思いたった。










 窯の図面を引く上で肝心なことは、窯本体を作るレンガの寸法だった。レンガ寸法を無視すると、後でレンガのカットが大変な作業になる。
 今回使用したレンガサイズは、60×100×210mm、約800個を使用した。全体の大きさは間口1860×奥行き870×高さ1425mm。
ピザ窯、焚き口スペース、燻製室、さらにバーベキュー炉一体型という、少々欲張りプランという結果となった。
 扉は耐熱上当然鉄製となるが、当初から鉄の加工は無理と考えていたので、業者発注のための図面を作成した。
 温度計、のぞき窓、扉金具の位置等を描いて合計、図面は6枚ほどになった。が、結果論としては、最近の鉄工所は建築資材の加工が多く、我が家のリフォームに携わった建築会社を通しても引き受け手はなかった。
 思案に暮れていたところ、たまたま農園に井戸を掘った業者Wさんが、何とか出来るかも知れないと引き受けてくれた。
 ところが、図面をみて、どうにも自信がないから、自分でやってみてはと1tもあろうかと思われる発電機やプラズマ切断機、アーク溶接機などを農園に置いていってしまった。
 これには困った。中学生のころ自分で組み立てたバイクのプラグに触れ、電気ショックで飛ばされたことがある。思い出したくない過去であり、どうにも電気は苦手だ。
 作業の手順としては、最初に窯の設置場所の地盤を強固にするため、捨てコンを打つ。窯部分よりも少し広く、深さ10センチ程に削り取った。
 厚さ5センチほど砕石を入れ、突き固める。ホームセンターでランマー(地盤固め機)を貸し出しているが、面積が小さいので手製のもので代用した。
 写真は山すその木工品店から、椅子にしようと思って購入してきた丸太に持ち手をつけたもの。
結構重く、体力的にはきつかったかったが、十分に役立つ優れものだった。
 捨てコンを打ち終えたところ。この上に、窯の大きさの枠組みをつくり、ワイヤーメッシュを張りコンクリートを流し込んだ。
 写真は、基礎のコンクリートが打ちあがったところ。
 レンガも到着した。レンガの選定についてはかなり悩んだ。耐火煉瓦は高価な上、輸入品であるため数(800個)を確保するのが困難であること。
 赤レンガは安いが耐火性には少々難あり。そこで専門店が勧めてくれたのが、「焼きすぎレンガ」。何か失敗作のように聞こえるが、赤レンガを屋根瓦と同じ温度で焼いたものとのこと。
 焼き物の窯には無理だが、それほど高温にしないピザ窯には十分に耐えうると判断し、予算的にも折り合いがつき決定となった。

早速レンガを並べてみた。
 ここで、重大なことが判明!レンガの大きさを100×210、目地を10ミリとして基礎を作ったが、レンガは焼き物のため大きさに相当のバラつきがある。中には10ミリほども違うものがあった。
 そのため、間口方向の基礎が不足し、80ミリほど足しましをすることとなった。この後もこのアバウトな寸法には悩まされ続けた。後日の反省だが、レンガの寸法は相対的に考えるべきと思った。
 いよいよ、一段目の積み上げ。
 基礎に十分水を打ち、10ミリほどの厚さにモルタルを敷きながら、予め水槽につけて置いたレンガを並べる。数個をならべたところで水平器で確認、木槌でかるくたたきながら高さを調整。 
 目地は、10ミリ幅の目地棒で隙間を作り、半分ほど終えたところで、モルタルで埋めいく。夏場の工事だったのでレンガがすぐに乾燥してしまい、時折ドライアウト防止の散水が必要だった。
 一段目終了。
 角の添え木は、レンガの高さを効率よく合わせるために設置したもの。結論的に言うと、レンガの積み上げは個々に調整するより、アバウトのようであるが数個まとめて調整したほうが、全体的な仕上がりはきれいで作業速度も早い。 そのためには、長さ60センチ位の水平器が必要である。
 2段目。ここからの作業は、レンガのカットなどがあり慎重を要する。
 レンガをカットする工具はレンガ専用タガネなどがあるが、電動グラィンダーにダイヤモンドカッターを取り付けてカットすると、仕事が速いく仕上がりがきれいだ。
 ただし、少々音がうるさいのが困りものだ。近くに住宅があるので出来るだけ迷惑にならない時間を見計らい、まとめてカットするようにした。
 3段も積むと、それらしい形が見えてくる。モルタルの乾燥具合を考えると、一日3段位がベターであると思う。
 正面2段目に見える棒は、扉枠を設置するため16ミリの全ボルトを背面まで通したもの。これを3段設置したのだが、レンガの目地詰めの際等でずれてしまい、後で扉枠設置に手間取ることになった。
 木工の場合は最悪解体してやり直しがきくが、レンガの場合は壊すしかない、この辺の覚悟が足りなかった。幸い左右最大6ミリ位の誤差で収まったので、60ミリの扉枠には何とか事なきを得たしだい。
 ここまできた所で作業を平行して、窯を仕切る板を作った。
 大谷石の板が良いそうだが手に入れるのが困難。そこで考え出したのが、方枠を作りワイヤーメッシュ及びメタルラスを張り、耐熱性の高いアサヒキャスターを流し込み、板を作るという方法だ。同じような板を3枚作った。
 普通のモルタルセメントは、500度くらいで崩壊するとのことなので、熱の加わるレンガの目地はこのアサヒキャスターを使用した。
 ただし、高価なのであらかじめ使用量をまとめて発注し、送料を割安に抑えるようにした。また、ピザ釜としての熱伝道を考えると、レンガ厚10センチほどでかなり温度が抑えられるので、窯内部より10センチ以上離れたところは普通モルタルで施工した。

 アサヒキャスターは24時間あれば固まるらしいが、割れが心配なので3日ほど養生した。
 このサイズは520×680×60mm、重量は50sほどと思われる。かなり重い。
 補強で入れたメッシュとラスの加熱した場合の影響は不明であるが、窯を何回か使用した現在、盤には多少ヒビらしきものが走ってはいるが重大な損傷には至っていない。
 一段目を設置したところ。やはり、板は重く二人がかりでの移動となった。
 窯を造る上で一番の心配どころは、この手製の板が熱で崩壊しないかということ。
 そこで、盤の乗る位置に16ミリの鉄棒を入れたが、実際のところあまり効果がなかったように思われる。
 そればかりか、鉄棒をレンガに固定したために、鉄棒の熱膨張の影響と思われるようなヒビがレンガに入ってしまった。
 板を固定せずに、いずれ交換が出来るよう設置すればよかったのではないかと反省している。
 板を3枚設置したところ。
 写真左下部の口は燻製(冷燻)用、ここでチップを燻せば煙が右の部屋に入ってくるようにしてある。
 写真上部の口は薪の焚き口、ピザの場合はピザを焼くところに直接火を入れるが、下から加熱する場合を想定して設けた。
 写真右は燻製室。熱燻製の場合は、下部より直接燻す。
 これよりアーチの部分の作成に掛かる。
 まず、厚さ10ミリのベニヤ板で、アーチの内径の大きさの半円を8枚切り抜く。
 それを、窯の奥行きにあわせて等間隔にならべ、十数本のさん木を取り付けた。
 それに薄いベニヤ板を貼り付け、アーチの型枠の完成。
 これを窯のアーチ設置部に乗せ、あらかじめ計算しておいた角度でレンガを積んで行く。
 このとき、レンガ積みあげ後にアーチ枠がスムーズに外せるように、レンガなどで簡単な足を履かせて置くことが重要。
 これも反省だが、レンガの角度は両サイドのバランスを見ながら行うときれいに収まる。目地詰めもあるので、一日両サイド3段くらいが限界と思われる。
 写真窯の左上部は煙突を取り付けるための発砲スチロール。この部分を残しながら、レンガを
積んでいった。
 アーチがおおよそ出来上がったところ。
 目地はレンガの中ほど(約10センチ)までアサヒキャスターで埋め、経費節減のためあとは普通モルタルで仕上げた。
 鉄棒を平行に渡し、角度の調整を行っているところ。
 この段になって初めて、角度が合わないことに気がつくがすでに遅し。図面寸法と実際の施工が一致していないため、アーチがゆがんだものと思われる。
 アーチの型枠を抜き、背面をレンガで埋めていった。
 ピザ窯の開口部分を作成。
 発砲スチロールを切り抜き型枠にはめ、溝幅100ミリのアーチ状を作って、アサヒキャスターを
流し込んだ。
 窯右下部は開口部を設置したところ。姿を現した煙突。
 いよいよ、問題の扉の製作。
 前述のとおり、井戸堀のWさんに設計図を渡しても断られた。交渉の結果、現場で鉄板のカットと溶接のみを手伝ってくださるとのこと。具体的イメージが湧かないとのことなので、取りあえず、ベニヤ板で型紙を作ってカットを依頼した。
 なお、鉄板は酸化に強いコルテン鋼6ミリ、扉枠は10ミリの平鋼を使用。
 耐火鋼もあるが、非常に高価なため断念。 鉄板は重量が150sもあり、鉄工所等運搬装置がある所以外は配送しないとのことで、今回カットをしていただけるWさん方に配達を依頼し、Wさんに現場まで運んで来ていただくことで決着。
 Wさんも多忙な方なので、一日目はカットを集中的にやっていただいた。
 2日目はこちらの仕事は休んでいただき、その間にボール盤で兆番等接続部分の穴をあけを行なった。扉部が重いだけに兆番には少しこだわりたかったが、ホームセンターをあちこち探しても見つからず、結局単純な溶接兆番を使用することになった。
作業3日目は溶接をお願いした。
あらかじめ印を付けておいた部分に、部品を溶接。結局、Wさんは息子さんと3日間無償で手伝ってくれた。
 扉を扉枠にボルトナットで取り付け完成。写真右の木製扉は、燻製室用。
 扉部コルテン鋼は扉の重量と加工のしやすさを勘案(価格も)6ミリとしたが、加熱変形の恐れがあった。そこで開口部にあわせ、幅20ミリの平鋼をとりつけた。
 しかし、扉に伝わる熱は相当なものと思われるので、急遽平鋼の内側に断熱材を取り付けることにした。
 断熱効果の高いものはステンレス等で密閉して使用するケースが多い。そこで、加工の簡単な七輪の素材である珪藻土板を使用することに決定。それをステンレス板2mmで押さえた。
 扉の隙間から熱や煙が逃げるのを抑えるため、ストーブ用ガスケットを取り付けたが、あまり効果は見られなかった。
 完成!。
一時、屋根をつけたが、効果がないので取り外した。