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No.366大菩薩峠から大菩薩嶺 ―甲府盆地の主峰を歩く―

       (歩程約3時間50分ランクB2マップ

大菩薩峠はその昔、甲府と江戸を結ぶ青梅街道最大の難所だったという。今では最高峰、大菩薩嶺(2057m)と共にバラエティーに富んだハイキングコースとして親しまれている。

       

        大菩薩嶺周辺鳥瞰図(管理人提供、拡大クリック

 ゲリラ豪雨のニュース続きで、早くから雨天の確率が高かったものの、9月7日(日)は回復に向かっており、早朝5時50分に出発した。ロッジ長兵衛が建つ1600mの上日川(かみにっかわ)峠まで一気に上がったので、爽やかな外気が気持ちいい。体をほぐし、「一番楽なコースです」と説明を聞いてから歩き
始めた。

                                 

                                      山荘の机龍之介                                                                         

 見事な落葉樹の中を緩やかに上る林道は、濡れていた。背の高いカラマツが混じる頃、塩山からのハイカーを乗せたタクシーが、5台ばかり追い越して行き、間もなく戻って行った。
 福ちゃん荘脇のクマザサの中にツリフネソウとキツリフネが並んで咲いていた。小屋の前で一息ついてから、右側の道を進む。富士見山荘近くには富士見平の標柱が立ち、薄明るい空が覗いた。車道は、水量豊かな沢のところで終わり、オオカメノキの実が真っ赤に色づいていた。休業中の勝縁荘を右に見ながら石ころ道を行くと、やがて樹木は疎らになり、クマザサが青々と広がって風景が明るくなった。

峠直下の介山荘を見上げながら右側から回り込み、通り抜けると大菩薩峠である。
立派な標識、標柱が立ち、広々しているのに遠望が効かない。南面に見えるであろう富士山を始め、360度の山並みは大きな展望盤での確認となった。

 

 

 

     大菩薩峠にて

未完の大長編小説「大菩薩峠」の作者、中里介山自筆の文学碑を横目で見ながら通過する。
期待していた花はほとんどなかった。それでもハナイカリ、丈の短いノギク、ウメバチソウ、ちっぽけなワレモコウと出会えた。霧の中に上日川ダムが見え隠れする。

 親不知ノ頭、賽ノ河原を過ぎしばらく行くと2000mの標柱が立っていた。

 

          介山荘・大菩薩峠を望む                    上日川ダム


 

             賽の河原と丸太小屋                    標高2000m標識

多くのハイカーが休んでいる雷岩を通り過ぎると、じめじめした暗い樹林に入り、10分ほどで山頂についた。木々に囲まれ展望もないので、山梨百名山と刻まれた標柱脇の三角点に、いつも通り感謝を込めて触れる。大菩薩嶺は日本百

名山でもある。

 

 

 

 

 

    大菩薩嶺山頂

雷岩まで引き返し、雲行きを気にしながらも嬉しいランチタイム。

 

 

 

 

     ランチタイム

しっかり食べ終わった頃、遠くで雷が鳴りポツリときた。すぐに雨具を着け、点呼を取る。
同じようなパーティがいて間違いそうだった。ここから唐松尾根のやや急な下りである。雨は大したこともなく、10分ほどで雨具を脱ぎ、滑らないように足元注意だ。

 

      雨の下山

黄色くなったモミジなどが散っている坂道を、今朝道を分けた福ちゃん荘に出て、少し下るとまた降ってきた。なだらかな車道で、ロッジ長兵衛も近いため自然にピッチが上がる。バスに乗り込むのを待っていたような土砂降りになったが、皆安堵した。雨に遭ったとはいえ、ついていた方で、疲れもなく満足できる山
行だった。

平成2097

三芳町ハイキングクラブ 文:鈴木繁子 写真:内笹井弘