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     No.365 榛名湖畔から掃部(かもん)ヶ岳

                ――晩夏の山歩きと湖畔の温泉――

(ランクB2




榛名湖周辺

 掃部ヶ岳(1449m)は、榛名湖を取り巻く榛名山群の最高峰である。低気圧の接近による雨の一日だったが、湖畔の温泉とあわせて晩夏の山歩きを楽しんだ。

 雨具に身を固めて榛名吾妻荘の横から登山道に入る。えぐれた登山道には水が流れ、頭上からは雨と葉にたまった雫がまとまって落ち雨具を叩く。

雨の登山道(硯岩−掃部ヶ岳の間)

 硯岩の山頂についたが、雨と霧で展望は皆無。クマ笹をかき分けて登りついた掃部ヶ岳は登山者の姿もなく、雨音だけが激しい音をたてていた。

                

                    掃部ヶ岳山頂


 山頂からの下り道はクマ笹に覆われ足元が見えない。火山礫の道は立ち止まっているだけでズルズルと滑り出す。途中、三抱えもありそうな倒木が道をふさぎ、滑りやすい斜面を巻いて通過する。

 耳岩の横を越え急な斜面をさらに下ると、地蔵尊を刻んだ石碑の前にでた。その先が杖の神峠で林道が上がってきていた。

地蔵尊を刻んだ石碑

 雨の降りしきる林道を約50分、黙々と歩き「湖畔の宿」記念公園につく。作詞:佐藤惣之助、作曲:服部良一、歌:高峰三枝子の「湖畔の宿」の歌碑があり、その前に立つとセンサーが働きメロディが流れだす。

 64年前、集団疎開の宿の風呂場で先生が声をひそめて、この歌を教えてくれた。当時は厭戦的な歌詞とメロディーということで、レコードが発売禁止になっていたそうだ。なにやら大人の世界を、チョッピリ垣間見たような気持ちになったことを思い出す。

「湖畔の宿」の歌碑

 榛名吾妻荘の展望風呂から、わずかな時間だったが榛名湖と榛名富士が姿を見せる。ややぬるめの温泉に冷えた体をつけると、手足に痺れたような感覚が走った。

 湯上りは例によって冷えた缶ビールで乾杯。快い酔いと疲れでウトウトしながら、バスにゆられ家路についた。

 

                                                                      平成20824日 (文、写真:小林利秋ブログ「山小屋の灯」から)