タイトル 地底旅団ROVER元老院第324回CAVING
サブタイトル 明治大学地底研究部2016冬季合宿 at 住田町・白蓮洞
分 類 合同・ファンケイビング
入洞洞穴 白蓮洞(空穴第2洞・滝観新洞)、滝観洞(風吹き穴・大洞の岩窟・大洞の洞窟)
日 程 2016年2月16日(火)〜18日(木)
参加者 家崎、有馬、東口和樹、倉片宏樹、新井健汰、櫻井渉、西山陽太郎(以上、明治大学地底研究部)、田島大貴(東京農業大学農友会探検部) 以上8名
滝観洞観光センター「白蓮洞」は総延長3200m、高低差70mの立体迷路型の鍾乳洞である。「滝観洞」と同じく観光洞であったが、現在は東日本大震災(2011年3月11日)の影響により閉鎖中である。
今回は明治大学地底研究部の計画に参加させていただき、「最北端」「新々洞口」への到達、「断層部」などのアタックを目的とした。
なお、内間木洞(第323回CAVING)終了後の15日のうちに現地入り、「滝観洞観光センター」を宿泊所とした。


16日7:00、起床。みんなはまだ寝ている。寒いのでシュラフに潜り込んでいるといつの間にか時間が経っていた。
突然テレビがつく。何かと思って飛び起きると新井がリモコンを手にしていた。朝のニュースが流れなんとなく眺める。
次第にみんなが起きてくる。

8:00、朝食。テレビがある優雅な朝食。朝ドラ「あさが来た」を見ながらご飯をほおばる。

8:30、今日の予定について話し合う。
家崎は今日10時頃に、櫻井は明日朝に「滝観洞観光センター」に到着するとのことである。
また、「白蓮洞」の洞口付近にある階段には氷が張っていて歩くことが困難であるらしい。そのため、新井・田島・有馬はロープ設置班として先にいったん「白蓮洞」に入洞することにした。
その間、東口・倉片は「滝観洞観光センター」に待機。全体としては家崎が到着し次第、活動を開始することにした。

9:15、ロープ設置班(有馬・田島・新井)は「滝観洞観光センター」を出発。外は一面銀世界。「白蓮洞」まではたった5分ほどの道のりなのに、「観光入口」に着いた時点で息切れだった。

9:20、入洞。本当だ、聞いていた通り、階段は氷ですべり台になっている。しかも横には高さ1m、横幅40cmほどの巨大な氷柱が発達している。新井はロープにこぶを作ってから手すりに結び、階段に垂らした。

9:35、出洞。15分しか中にいなかったのに体は冷え切った。

9:40、「滝観洞観光センター」に到着。

10:00、雑談をしていると家崎が到着した。すぐに「白蓮洞」へと出発する。

10:20、「白蓮洞」に入洞。先ほど設置したロープに頼りつつも、5mほどの天然すべり台を楽しむ。
すべり台を終えるとそこには高さ1mほどの太い立派な氷筍が待っていた。内間木の氷筍に負けていないなあと絶賛する。
洞内には階段が設置されている。しかし、凍りついていてつららができていた。滑らないように一人ずつゆっくり上る。
観光通路から外れて「最北端」を目指す。しかし、滴下水が多く水没していたため「最北端」の手前にある「神々の間」にもたどり着くことができなかった。
それでも「最北端」に行く途中、見方によって想像するものが変わるすてきな石「シンコ岩」を見ることができ興奮した。

12:20、少し戻って支洞のアタックをする。砂が詰まっているところ、高さがあって降りるには厳しいところなど、進めそうで進めないところがあった。

13:20、アタックを終えて戻る。しかし、ここで難関が。高さ3m幅1mほどのつるつるとした斜面が目の前に立ちはだかる。行きは苦労することなく下ってきた斜面だが、帰りに登り返すとなると滑りそうで非常に怖い。しかも斜面の幅が上に行くにつれて広くなり、背面で登り詰めた後、一度横にずれ、真横にある穴から細い通路を腹ばいに上がっていかなければならず、このときに体を反転させるのが難しい。
全員苦戦しながら上がっていく。有馬は家崎が攻略法を教えてくれたため突破することができた。

14:20、この難関を全員が乗り越えた。しかし、難関再び。細い2mほどの通路を抜け、1mほどの斜面を上がっていくのだが、この細い通路の入口が難しい。飛び出た石が太ももに引っかかり、なかなか通路へと体を進めることができないのだ。ここで新井が詰まって苦戦する。しかも昼食を抜いてしまったせいか新井の元気がない。レスキューの可能性が時間の経過とともにちらつく。それでも家崎が励まし、上から引っ張り上げ、田島・倉片も後ろからサポートする。ついに1時間して新井が抜け出すことができた。

15:40、「観光入口」から出洞。出洞できたことに全員胸をなでおろす。

15:55、「滝観洞観光センター」に到着。

18:30、家崎が温かい飲み物を持ってきてくれた。雑談をし、全員で写真を撮る。そして、家崎は帰路につく。

19:40、入浴を済ませて食事。メニューはハンバーグ。

20:50、ミーティング。明日は有馬・田島・東口・西山・櫻井が迷路ルート班、倉片・新井が測量班として活動することとなった。
迷路ルート班は、観光入口から「迷路ルート」をアタックし、観光入口でも観光出口でもない「新々洞口」を目指すことが目的。この「新々洞口」への通り抜けはもう何年も達成されていないという。
一方、測量班は「白蓮洞」の観光通路の簡易測量を行う。

23:00、テレビを見ながら宴会。田島が豆腐ようをもってきた。赤い豆腐で不思議な味がする。みんな一口食べもう食べたくないといっている中、新井だけは毎日少しずつ食べる宣言。気に入った様子?

24:00、眠くなって寝転がっていたらいつの間にか寝てしまった。
白蓮洞・観光入口 白蓮洞・シンコ岩 白蓮洞
ロープを張って氷のすべり台 名物「シンコ岩」 奥まで深く水没している


17日7:00、起床。後ろからふすまが開く音がした。ビックリして後ろを見ると櫻井だった。初対面だったので挨拶をする。

8:00、朝ドラを見ながら朝食。

8:30、ミーティング。

9:30、「滝観洞観光センター」を出発。

9:40、「観光入口」から入洞。迷路ルート班と測量班に分かれる。

【迷路ルート班(有馬・田島・東口・櫻井・西山)】
10:05、観光通路を外れ、「崩落の間」に出る。高さもありかつ岩場、落ちたらひとたまりもないなあという恐怖を押し切って岩を登る。さすが「迷路ルート」だ。支洞がいくつもあり、アタックしては同じところに出たりと迷ってしまう。

10:50、休憩をとる。

11:05、迷いながらもアタックをかけ続け、「きれいだけど×」と記された分岐に出た。行ってみるとそこは「石筍の間」で、数え切れないほどたくさんの石筍がある。中でもカーテンが非常にきれいだ。しかも、たたくと木琴のような音がしてうっとりする。
戻ってここから「新々洞口」を目指す。

12:20、行けるところを突き進んでいくと「絶景の間」に出てしまった。悔しくも「新々洞口」到達ならず。

12:30、測量班といったん合流し、時間も残っているので「新開地」という場所に行くことにした。

12:45、道のりは思ったよりも狭く、途中の分岐で壁に記された先代の「新開地」という文字に惑わされた。「新開地」まで目前というところで有馬が挟まる。みんなすんなりと抜けられたのだが、有馬だけどうしても太ももが引っかかる。15分ほど苦戦してなんとか抜けることができた。後に挟まっていた太ももの部分に大きな青あざができていることに気づく。

13:10、「新開地」に到着。白蓮洞にこんな広い空間があったのかと圧倒される。自分たちが出てきた穴は改めて見てみると、縦横50cmくらいしかないうえに立っているところから1mほど上にある。全員戻れるか心配になる。

13:45、戻ろうとしてその穴に頭を突っ込んでみたが、先ほどの帰れるかどうかの心配は不要だった。全員苦戦することなく穴に入る。さらに有馬が行きに挟まったところもビックリするほどなめらかに通過できた。

14:10、「新開地」から観光部に戻ってくる。

14:20、満足感で笑顔を浮かべながら観光入口から出洞。

14:30、「滝観洞観光センター」に到着。建物の上にある駐車場は雪で真っ白、かつ踏み跡が一つもなかった。そんな光景に感動したのか櫻井が飛び込む。それに続きみんな飛び込む。有馬も勢いよく飛び込んだが思ったより地面が固く、体中衝撃が走り鼻水が噴き出す。

【測量班(倉片・新井)】
「白蓮洞」は立体的で測量図を見てもなかなかわかりにくい、ということで観光洞部分の簡易測量を行った。牛方ポケットコンパスとメジャーを使用し、全52ポイントをとって測量、測線のみ記録した。

15:00、出洞。「滝観洞観光センター」に着き、倉片が携帯を使ってデータ整理を行う。

19:00、入浴してから食事。メニューはたくさんのから揚げだ。

20:00、ミーティング。明日は有馬・田島・東口・西山・櫻井が新々洞口アタック班、倉片・新井が測量班として活動する。
測量図から「新々洞口」は「空望の段」付近にあることが分かったため、「新々洞口」アタック班は観光通路を歩き、「空望の段」付近の支洞をアタックして新々洞口への道を探すことにする。
測量班はデータ整理の結果、一部間違っていたようだ。そのため「白蓮洞」の観光通路の一部測量やり直しと「滝観洞」でのチムニー練習・写真撮影を行う。

20:15、宴会。新井は豆腐ようを食べる。昨日、家崎がオレンジケーキを差し入れしてくれたのでみんなでいただく。

21:00、昨日同様、寝転がっているうちに寝てしまった。
白蓮洞 白蓮洞 白蓮洞付近
美音を奏でるカーテン ロープ回収 つなぎがパックリわれたセクシーな東口


18日7:00、起床。いつも通りの朝を迎える。

8:00、朝食。毎日とてもおいしい朝食だ。

9:20、「滝観洞観光センター」を出発。新々洞口アタック班と測量班に分かれる。

【新々洞口アタック班(有馬・田島・東口・櫻井・西山)】
9:45、観光入口から入洞。観光通路を歩き「石樹の間」手前にある柵付近でアタックをかける。東口が柵の中をアタックしたが行き止まり。有馬が柵の手前の支洞をアタックすると意外にも奥まで続いていた。
支洞が多く、全員を呼びその場でアタックをかけることに。しかし残念ながら別の観光通路に出てしまった。
さらに観光通路でアタックをかけるものの何も分からず。「空望の段」から直接行けるのでは?と「空望の段」に行く。上に登れば「新々洞口」にたどり着けるかもと思うが、壁を登る術もなく断念。

11:40、「観光出口」から出洞。測量図から「新々洞口」の存在と大体の距離・方向はわかっていた。これならいっそ山狩りをして「新々洞口」を探し、「新々洞口」から入洞してルートを見つけた方がはやいのではないかと山狩りを開始する。
全員ばらけて「新々洞口」を探す。有馬は田島にコンパスの応用を教えてもらいつつペアで山狩りをする。

11:50、有馬が岩陰に穴を発見する。縦横50cmほどの小さな穴で、中から温かい風が吹き出ている。おそらくこれが「新々洞口」だろう。

12:00、全員を呼んだところ、櫻井・西山は測量班に合流することになり、有馬・田島・東口が「新々洞口」に入洞し、アタックすることした。
道は狭く、体を平べったくしてカニ歩きする。抜けると「グアノホール」があり、100匹以上のコウモリが一つに集まっていた。しかもコウモリのカタマリはいくつもある。足元は大量のグアノだ。
「グアノホール」からのびる支洞が迷路のようになっていて、アタックを繰り返す。途中「空望の段」上部のようなところに出る。さらにアタックをかけるとホールの上に出た。ホールをのぞくと真っ暗で何も見えない。かなりの高さがあるようだ。見た目は「新開地」、でも方向的に違うぞと謎に阻まれ、全員恐怖感に襲われる。

14:00、恐怖感を払拭するため、昼食をとってリラックスする。

14:20、アタックを続けると、田島が「見てよ、見てよ!」と今までに見たことがないほどはしゃぎだす。有馬・東口も後に続くとどこか見覚えのある場所に出た。なんとそこは昨日「迷路ルート」アタック時に訪れた「石筍の間」の手前の通路だった。全員感動と達成感と嬉しさと驚きで異常なテンションになる。
昨日は「きれいだけど×」という文字を信じて「石筍の間」に行き、この「新々洞口」への道が目に入っていなかった。まさか「新々洞口」に行ける支洞が昨日通りすぎた場所にあったとは。

14:45、そこから「崩落の間」経由で「観光入口」から出洞。
これで「新々洞口」から「観光入口」への通り抜けが達成された。通り抜けできたことはここ何年もなかったそうで、3人は嬉しさが爆発する。

14:55、テンションが上がり続けたまま「滝観洞観光センター」に到着。

15:15、着替えを済ませ、有馬だけ「滝観洞」に観光しに行く。途中、測量班と出会う。一人で入る洞窟はどこか静かで趣深いものだった。「天の岩戸の滝」を心行くまで眺める。

16:15、有馬が「滝観洞」出洞。

【測量班(倉片・新井)】
午前は「白蓮洞」にて、前日の測量で間違ったと思われる箇所の再測量とコウモリなどの撮影をした。
午後は「滝観洞」に移動し、途中合流してきた櫻井・西山と共にチムニー練習・写真撮影を行った。

16:00、「滝観洞」から出洞。

ここで活動を終えた。明日帰京する。
夕食はもつ鍋だった。もつたっぷりで大変おいしかった。
白蓮洞 白蓮洞 滝観洞観光センター
ご立派な入口の氷柱 いつ見てもきらびやかな氷筍 具だくさんもつ鍋


明治大学地底研究部の計画に参加させていただき、非常によい経験となった。アタックをたくさんやらせてもらえて、アタックの大切さやアタックの際気にすべき点等身をもって知ることができた。
「白蓮洞」はいろいろな顔があり非常に魅力的な洞窟だ。いつか「最北端」に行けたらと思う。(文責 有馬千夏)

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2016 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp