タイトル 地底旅団ROVER元老院第314回CAVING
サブタイトル 秋吉竪穴合宿 〜さよなら20代 お世話なります30代〜
分 類 合同・ファンケイビング
入洞洞穴 大正洞−犬ヶ森の穴、西山の竪穴、秋芳洞(風穴−秋芳洞−葛ヶ穴)
日 程 2015年9月20日(日)〜23日(水)
参加者 木嵜、千葉の、荒島智子、山田侑生(以上、岡山大学ケイビングクラブOGOB)、黒田朋子、吉澤幸絵(以上、東京スぺレオクラブ)、鎌田亜裕美(J.E.T.)、村上崇史(三宅組) 以上8名
秋吉台30歳記念竪穴合宿として企画された。秋吉台カルスト洞窟学術調査隊の調査への協力、他団体との連携・竪穴技術の向上も目的とした。
地R元からは木嵜・千葉が20〜22日に部分参加した。当然、千葉は30歳ではない。

20日6:30、千葉・木嵜は「羽田空港 第2ターミナル」にて合流。一息つく間もなく、スターフライヤーのチケット発券を試みるものの、千葉は機械操作に翻弄され、木嵜がフォローに入る。
発券も無事に終わり、早く身軽になりたい2人は荷物を預けに移動する。カウンターに並ばなくてもセルフで預けられることを知って早速チャレンジ。木嵜の荷物はすんなり運ばれて行ったが、千葉の荷物はエラーを連発。どう向きを変えても荷物が規格からはみ出てしまうらしい。結局、いつも通り並んで荷物を預けにいく。
フライトの時間が迫る中、ゲートを通過してひとまず安心。

7:20、初めてのスターフライヤー。しかも一番前の席で足元も広く、機内はとても快適である。千葉はとても満足している様子。

山口宇部空港
リムストーン「百枚皿」のベルトコンベア
9:05、予定通り「山口宇部空港」に到着。千葉曰く、この空港にはケイバーにとってテンションが上がるものがあるらしい。
手荷物受取ベルトコンベアに向かうと、そこには素敵なものがあった。秋芳洞のリムストーン「百枚皿」のオブジェである!千葉は以前から知っていたが、明らかに他の乗客とは違いテンションがあがって盛り上がる2人。

10:00、荷物を受け取ってバス乗り場へ。まずは防長バスにてJR新山口駅へ向かう。車内では千葉が村上さんや荒島と連絡をとりあう。
9:50、バス停「JR新山口駅新幹線口」に到着。次は「秋芳洞」行きへ乗り継ぎとなる。大型連休ともあってか「秋芳洞」に向かう観光客が多い。

10:00、再び防長バスで「秋芳洞」へ向けて出発。

10:50、「秋芳洞」バスターミナルにて、今回のCL荒島・SL黒田のアラクロコンビと合流。初めて会う荒島さんは優しそうで安心した。
荒島さんが「秋芳洞観光交流センター」にて駐車場料金免除の申請を行っている間、千葉・木嵜は隣接する「台観望 合歓店」にてご当地名物「夏みかんソフトクリーム」、高原牛入りコロッケ「牛魔王コロッケ」「きんぴらコロッケ」を堪能。

12:00、「秋芳洞」バスターミナルにて村上さんと合流。この日は全員集合となった。
まずは「美祢市立秋吉台科学博物館」へ立ち寄って挨拶した後、目の前に広がったカルスト台地に感動しつつ、秋吉台カルストロードを通って、初日の活動先「大正洞」へ向かう。
「大正洞」と「犬ヶ森の穴(犬ヶ森ポノール)」は、2014年に大正洞洞窟群学術調査隊が崩落礫を除去して連結部を確認。測量は終わっているが、一部に修正測量が必要ということ。
入洞準備をしていると、測量道具を積み忘れたことが判明し、村上さんは急遽取りに行く。

14:00、観光洞「大正洞」から入洞。洞口までの道の脇に「犬ヶ森の穴(犬ヶ森ポノール)」が開口していた。以前は雨が降ると、水没してしまい、水が引くまで「犬ヶ森の穴」には出入できなかったという話を伺う。
「大正洞」の観光洞部分を少し進んでから、柵を越えて非観光部へ。その時、木嵜は駐車場に手袋を置き忘れてしまったことに気が付く。この時は洞内の様子を知らない為、どうにかなるだろうと軽い気持ちでいた。
洞内は石筍などの二次成生物もあり、空間も広くとても楽しいが、進めば進むほど泥が堆積し、手袋があってもなくても滑るし、アッという間に全身泥だらけになっていく。しかも、村上さんしか洞内を把握していない為、今どこにいるのか皆わからない。
連結部を通って「犬ヶ森の穴」へ。更に奥に進んでいくもの、スタティックロープは泥々で、たまに制動が効かなくなる。

15:30、スキルと出洞時刻を考慮して、2班に分かれることにする。
測量班(村上・千葉・黒田)は4ポイント測量。その傍らを、よちよちと陸上を縦に歩いていくヨコエビを観察。おもしろい。
出洞班(木嵜・荒島)は、泥斜面を下る前に引き返す。手袋の無い木嵜は滑って力が入らない等、出洞する際の登り返しも滑って四苦八苦する始末。関東の穴ではあまり体験したことの無い状況に焦りながらも戻っていく。入洞した場所より少し手前から観光部分へ出て、出洞するともうすっかり日が暮れていた。1日目から泥だらけになるとは誰も想像していなかった。

17:00、木嵜・荒島は在京へ報告後、優しい荒島から食料を分けてもらい少し休憩。その後、タックルを回収しに再び入洞。

17:30、測量完了。来たルートを戻って洞口を目指す。

19:00、測量班は「犬ヶ森の穴」の洞口付近まで寄り道をして、水位の状況を確認する。

19:30、タックルを回収しているとまもなく測量班が戻ってきた。全員で出洞し、高圧ホースを使って装備洗いを行った。泥まみれの装備類がきれいになっていく。
大正洞・管理事務所 犬ヶ森の穴付近 大正洞−犬ヶ森の穴連結部
大正洞管理事務所に挨拶 犬ヶ森の穴の洞口付近(黒田朋子氏撮影) 笑顔で連結部を通過する黒田さん
犬ヶ森の穴 犬ケ森の穴 犬ヶ森の穴
顕著なペンダント(黒田朋子氏撮影) 素手での堅穴はつらい木嵜 コンパスを読む千葉(黒田朋子氏撮影)

20:30、装備洗いも一段落したので、夕飯買い出しに車で30分位かけて「ローソン 美東大田店」へ向かう。大量に食料を買ってから宿泊所「カルスト学楽舎(木島邸)」へ。
冷凍チゲうどん等をつまみながら晩酌しつつ、明日の予定を詰めることになった。村上さんから「無明穴」「西山の竪穴」に関して助言を頂く。
明日は「西山の竪穴」への入洞予定だが、村上さんが仕事のため、全員が初入洞となる。まずは洞口を発見できるかが課題である。9月では植物の繁茂しており、ドリーネ部分にも生い茂っているため、発見できずに終わる可能性もあると指摘される。洞口の座標やある場所の特徴を教えてもらい、悩みに悩み抜き、CL・SLの判断により予定通り「西山の竪穴」に入洞することを決めた。

26:00、明日は入浴したいと思いを馳せながら消灯。


美祢市立秋吉台科学博物館
美祢市立秋吉台科学博物館
21日7:00、早朝から黒田さんの目覚ましが消されることなくなり続け、この目覚ましで起床となった。今朝もとても良い天気である。
「美祢市立秋吉台科学博物館」へ移動。カルスト台地を眺めながら個々に朝食。朝から観光客が多く見受けられ、人気スポットだと再確認する。

9:00、新たに山田君が合流。

9:30、荒島車&山田バイクで科学博物館を出発。通行許可を得ているので、柵を移動し、車で行けることろまで林道を進む。随所で荒島車のお腹がヒット。車体を軽くするために荒島以外が下車して徒歩アプローチ。

9:50、林道脇で入洞準備。日射しが強くとても暑い。装備を分けてアプローチ開始。
駐車した所には「長者ヶ森」と「西の西山」の2つの看板が出ているのにも関わらず、誰ともなく「長者ヶ森」方面に進み、途中で気が付いて慌てて戻る。ロスタイムその1。
昨夜村上さんから得た情報、「西の西山への登山道が直線になる手前」「ドリーネや大木」などの目標物を確認。

11:30、洞口探索開始。しかし、洞口は見つからず。周囲を探しても他のドリーネを探しても穴はない。
そこで千葉は文明の利器を駆使し、大人のやり方で各方面に連絡をし、洞口への情報を得ることに。

12:30、あちこちのケイバーから情報を得てやっと「西山の竪穴」を確認。洞口の周囲には格子鉄線がしてあるが、草丈が高く覆い被さっているため洞口の全貌を把握することができない。しかし、洞口は確認できたので一安心。
とりあえず、まずは昼食をとる。
その間、荒島さんは吉澤さんをお迎えに一旦下山。
台座の上には日射しを遮れるものがなく、草に埋もれながら日陰を作り暑さを凌ぐしかなかった。

13:30、休憩後に黒田・木嵜はリギングに向かう。黒田さんがファーストでロープセット開始。草と大きい蜘蛛の巣などと格闘しながら第1ピッチを降りる。
その頃、荒島・遠藤とも合流し、今日のメンバーは全員集合。
続いて木嵜・千葉・山田が入洞。空間があり、いかにも竪穴と感じられる穴で降りながらワクワクした。

17:00、第2ピッチを降り、第3ピッチのアンカーを探すものの見つからず。

18:15、千葉が合流。いとも簡単に左壁の下方にあったアンカーを発見するが、レスキュータイムを考慮してここで引き返すことにした。

21:00、千葉・木嵜が出洞。在京と秋吉台科学博物館で待機してくれていた村上さんへ連絡。
しばらく洞口で待機していたが、黒田・遠藤が出洞した後は、千葉・木嵜は登山道に移動。科学博物館や街並み、流れ星を見ながら待機。ホテルの明かりが段々消されていく中、雲も出てきて寒くなってきた。

22:30、千葉・木嵜は寒さ対策として「西の西山」を登頂することに。10分位登ると「西の西山」山頂の看板があったものの特に感動もなく、写真を撮ってさっさと降りる。
この間、第2ピッチを山田君、第1ピッチを荒島さんがデリギングを行い、全員出洞となった。

24:30、急いで下山開始。

25:00、昨日に続き「ローソン 美東大田店」にて夕飯等の買い出しをし、宿泊所「カルスト学楽舎(木島邸)」に戻った。

26:00、軽く晩酌をしながら夕食を食べていると、岡大のOGである荒島さんと黒田さんへ山田君から結婚発表が!山田君おめでとう!

27:00、今日も入浴できず消灯。千葉・木嵜は3日間入浴せず帰京することが決定。大人の合宿とは思えない。
秋吉台 秋吉台・西の西山付近 秋吉台・西の西山付近
西山の堅穴を目指して出発! スマホを駆使しての情報収集 草むらの中でお昼寝(黒田朋子氏撮影)
西山の堅穴・洞口 西山の堅穴・第2ピッチ 西山の堅穴・第2ピッチ
第1ピッチを降りる木嵜 第2ピッチをリギングする黒田さん 第2ピッチを降りる木嵜(黒田朋子氏撮影)
西山の堅穴・第3ピッチ 西の西山山頂 カルスト学楽舎(木島邸)
第3ピッチのアンカーが見つからずロスタイム 真夜中の「西の西山」登山 深夜2時の夕食


カルスト学楽舎(木島邸)
宿泊所「カルスト学楽舎(木島邸)」
22日7:00、起床。今日は千葉・木嵜は離脱日である。3日目の活動先は「風穴」。
千葉・木嵜・鎌田は堅穴部「風穴」から「秋芳洞」のエレベーターで出洞、荒島・黒田・遠藤・山田はデリギングをしながら「風穴」を登り返すスケジュールである。

8:00、鎌田さんが合流。数年ぶりの再会となった。
木嵜は装備準備をしながら、一度は引き受けたリギングを辞退したところ、千葉に「お前にはガッカリだ」と言われてしまう。再びリギングをお願いして皆了承。

9:00、秋吉台科学博物館へ挨拶をしてから、「風穴」洞口付近へ移動。すると、鎌田さんが堅穴装備一式を忘れてきたことが判明。本人は入洞を諦めたものの、ダメ元で科学博物館の山崎学芸員に装備を借りに行く。

10:00、「風穴」に到着。徒歩アプローチは楽ちんである。
木嵜がリギング開始。プレッシャーからうまく張ることが出来ず、第1ピッチで四苦八苦する。

13:00、第2ピッチから千葉へとリギング交代。千葉はサクサクと張って行く。
千葉、鎌田、木嵜、荒島、山田、遠藤、黒田と続く。洞内でお別れになるので、荒島さんとはお別れの挨拶をしながら奥へ進んでいった。

14:00、堅穴部「風穴」から「秋芳洞」の須弥山へ降りる最終ピッチで、鎌田さんからまさかの「リギングしたかった…」との発言。千葉から鎌田さんへリギング交代。
鎌田さんが降り始めると、途中でロープが足らず登り返すことに。空中でつなぐと通過に苦労するメンバーもいるので、別ロープでピッチヘッドからセットし直すことにする。登り返しも鎌田さんは素早く、再び降り始める。

15:00、鎌田さんが須弥山へ到着。千葉が続くが、高所恐怖症のために目をつぶりながら降りたらしい。
ここで荒島さんに最後の挨拶をして、木嵜も降りる。この空間へ抜けた瞬間、そのスケールの大きさに圧倒される。水流の轟音が鳴り響く中、下にいる2人のヘッドランプがとても小さく見え、とても感動した。

15:10、千葉・木嵜・鎌田は「秋芳洞」の観光洞部へ急いで移動する。ルートが良くわからないので、とにかく水流付近を下流へ進む。

15:20、観光部に到着。飛行機の関係で観光は出来なかったが、突如洞内に現れたケイバーの姿に観光客は喜び、記念写真に応じたりしながらエレベーターに乗って出洞した。
風穴・洞口付近 風穴・洞口付近 風穴・第1ピッチ
リギングの準備 第1ピッチを張る木嵜(黒田朋子氏撮影) リギング交代へ向かう千葉(黒田朋子氏撮影)
風穴・第1ピッチ 風穴・最終ピッチ 秋芳洞−風穴連結部
入洞開始する吉澤さん(黒田朋子氏撮影) 最終ピッチをリギングする鎌田さん 須弥山へ降りる吉澤さん(黒田朋子氏撮影)

16:00、再び科学博物館へ立ち寄り、山崎学芸員に挨拶を済ませる。鎌田車でJR新山口駅まで送ってもらい、千葉・木嵜は離脱となった。

16:40、防長バスで「山口宇部空港」へ。

あす花亭 宇部空港店
空港でご当地グルメの宴
17:20、「山口宇部空港」に到着。チェックインを済ませ、お土産を購入。

18:00、 「あす花亭 宇部空港店」にて飲みながらフライト時間を待つことに。3日間ともコンビニ弁当だったこともあり、ご当地物に飢えている私達は、「鱧蒲焼き」「メゴチの唐揚げ」「ふく唐揚げ」「けんぶつ唐揚げ」「蒲刺し」「イカ刺身」などご当地ものを中心に注文して堪能した。
他のメンバーは無事に「風穴」から全員出洞し、今宵は入泉出来たという。夜は宴会したのか定かではないが、楽しい最終日を過ごしただろう。

20:10、スターフライヤーにて「山口宇部空港」を出発。

21:45、「羽田空港」に到着。解散となった。

残ったメンバーは翌日、「無明穴」に入洞。無事に活動を終えたとのことである。


秋吉台初めての秋吉台での活動は、全てが新鮮であったが、定期的に活動していない私にとって多方面から自分の未熟さを痛感した。
しかし、やはり秋吉台は関東とはスケールも違い、台上から見る秋吉台の景色も絶景だった。
他の洞窟にも入洞してみたいし、同じメンバーで活動する機会は少ないかもしれないが、数年後も再会し活動できたらと思うし、地R元の皆とも行きたいと思った。
皆さんお世話になりました。特に今回誘ってくれた荒島さん、黒田さんありがとう! また、案内や助言をして頂いた村上さん、本当にありがとうございました。(文責 木嵜ちひろ・千葉伸幸)

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