タイトル 地底旅団ROVER元老院第298回CAVING
サブタイトル 阿哲台横穴合宿
分 類 合同・ファンケイビング
入洞洞穴 宇山洞、岩屋の穴、湯川第5洞、井倉洞、満奇洞
日 程 2014年8月13日(火)〜16日(金)
参加者 家崎、荒島智子(岡山大学ケイビングクラブOG)、斎藤友紀(広島大学探検部OG)、湯野川紗良(立正大学探検部) 以上4名
宇山洞駐車場阿哲台は岡山県新見市の中南部及び真庭市南西部一帯にかけて広がる、東西方向に約18km、南北方向に約12kmの広がりを有する、日本有数の規模を持つカルスト台地である。
5月の内間木洞救助訓練でお会いした荒島さんにお願いして、今回の合宿を企画して頂いた。地R元としては2004年ぶりの阿哲台での活動である。


12日24:00、JR岡山駅にて家崎は母校後輩の湯野川と合流、「ホテルリバーサイド 岡山」にて就寝。


13日8:30、JR岡山駅・西口ロータリーにて全員集合。自己紹介。途中、朝食もはさみながら荒島車にて移動する。荒島さん、斎藤さんは学生時代からよく一緒に活動されていたそうで、思い出話に盛り上がる。

10:30、「宇山洞」到着。
岡山県指定天然記念物ということもあり、立派な看板が立っており、駐車場も完備。看板脇の道を少し下ると、ものの数分で三角形に大きく切り立った洞口が見える。高低差は107.4m。横穴ながら−100mケイバーになれるという、何ともお得な洞窟である。

11:30、昼食を済ませてから入洞開始。
主洞を40mほど下ると、縦10m、横30mほどの「大広間」が迎えてくれる。その空間の大きさと、見上げるばかりのフローストーンに圧倒される。関東でしかケイビングをしたことがない湯野川は早くも来て良かったと感激していた。
「大広間」を抜けると通路幅はぐっと狭まり、水流沿いに最奥方向に進んでいく。螺旋状の「リングホール」や「行水の滝」といった入り組んだ通路を進んでいくと、第一の水くぐりがある。
その先は最も二次生成物が発達している「眼鏡ホール」があり、その上層には「水狭回廊」、更に上層へと続いている。
「水狭回廊」は文字通り水流沿いの狭い通路で、天井にはびっしりとストローが並んでいるため、注意を払って通過する。
「眼鏡ホール」を抜けた先の名もなきホールにも、左右にストローが迎えてくれる。厳かな風景に声を飲む面々。
その後、第2の水くぐりを抜けると小規模な「泥のホール」がある。家崎・湯野川は水くぐりは初めてだったが両方ともなんなくクリア。
狭洞部「知恵の輪」を経て、最後は匍匐で詰めきる。最奥まで生成物が迎えてくれるのは流石、阿哲台。 最奥部の時点で15時を過ぎていた為、第2洞口へは行かず急いで洞口を目指す。

16:00、出洞。着替え。

17:30、「新見千屋温泉 いぶきの里」に到着。入泉。

18:30、移動する際に湯野川がタイヤに足を踏まれるというハプニング。痛みはないとのことだが、薬局でテーピングを買い応急処置を施す。

20:00、「ジョイフル 新見店」にて夕食。花火が見える。

21:30、宿舎である岩中作業所に到着。

23:00、就寝しようとしたときJ.E.Tの皆さん(吉本さん・縣さん・荒木さん・近野さん・荒波さん(PCC)・高橋さん(東洋大学探検部))が到着。今回は新洞探査に来られたそうである。翌日の夕食にバーベキューをご一緒することになった。
宇山洞・第1洞口 宇山洞・第1水くぐり 宇山洞・眼鏡ホール
宇山洞の第1洞口 第1水くぐり 眼鏡ホール付近のストロー


14日7:30、起床・朝食。

8:30、宿舎出発。

9:30、国指定天然記念物「羅生門」に寄り道。巨大な石灰岩の天然橋に圧倒される。第4門まであるが、今回は展望台で第1門のみ鑑賞。

10:30、「真庭市立阿口小学校」到着。準備。

11:00、「岩屋の穴」到着。洞口が見つからず彷徨っていた所、たまたまいらっしゃった地元の青年会の方に道案内して頂く。
「岩屋の穴」は洞口から北に「新洞」、西に「旧洞」が延びている。「旧洞」と「新洞」は新支洞によりつながっているが、新支洞は大半水没しており、水位が下がった冬季のみ通行が可能である。
まずは「新洞」から入洞する。洞口から泥の斜面を滑り下りていくと、一気に気温が下がる。広間を抜け、くるぶし丈の水をかき分けながら進む。新洞は支洞が多く楽しい。交互に先頭になって進んでいく。
新支洞手前で東西に支洞は分かれ、その分岐の前に体をかがめて水をくぐる箇所がある。「岩屋の穴」は気温水温共に低く、そこで湯野川が寒さにギブアップ。荒島と共に出洞、洞口待機となった。
斉藤・家崎で東西の支洞を詰め切る。分岐点のホールは二次生成物の発達が著しく、新支洞は更に美しいそうだ。帰りは大急ぎで戻る。

13:00、「新洞」出洞。昼食。
「旧洞」は腰まで浸かるプールがあり、洞口付近も気温が低いことから、湯野川は駐車場で待機。

13:30、「旧洞」入洞。すぐに問題のプールが待ち構える。左壁伝いに慎重に進んでいく。水深は1m強。身長150cmそこそこの女子3人には、胸元まで水が浸かることも。心臓まで水が浸かると一気に恐怖が増す。ゆるく左にカーブしているため、岸は見えない。壁に手がかりがない時は、プールに引きずりこまれそうな気がした。そんなこんなでたった15m程がものすごく長く感じ、岸に上がった時は少し泣きそうだった。
後から聞くと今回は大分水位が高かったそうだ。洞内もいつもはちょろちょろしか流れていないらしい水量が、ごうごうと音を立てて流れていた。
洞内はその後水流部、螺旋状に入り組んだ中層部、上層部と分かれていく。上層にストローが発達したホールがある。美しさに浸ることもなく、とにかく冷えきった体を温める為、早いペースで進み、折り返す。

15:00、「旧洞」出洞。着替え。

16:00、「満奇洞」を観光。今春リニューアルしたそうで、LED照明での魅せ方はもちろん、二次生成物を大切にしている感じが好印象だった。穴カフェをしたいと盛り上がる。

17:00、「満奇洞」を後にし、宿舎の管理人である山口さんにご挨拶。

18:30、宿舎到着。

19:00 バーベキュースタート。J.E.Tさん本拠地の洞窟話や、洞内でのハプニングなど、楽しくお話しさせていただく。

23:30、就寝 。
羅生門・第1門 岩屋の穴・旧洞 岩屋の穴・旧洞
ナチュラルブリッジ「羅生門」を見学 二次生成物 作戦会議中


15日7:00、起床。

8:00、宿舎出発。

9:00、国指定天然記念物「草間の間歇冷泉」到着。沢を遡上し、「湯川第5洞」を目指す。朝方降った雨の影響か水量が多い。

9:30、「湯川第5洞」到着。
最近は岡山大学ケイビングクラブの新歓合宿も行われているそうで、水量が多く、二次生成物が発達し、くぐり抜けなどのアスレチック要素もあって、最奥部には滝という盛り沢山の洞窟である。
洞内は小規模なプールが幾重にも幾重にも折り重なり、洞口から最奥部まで20m程の高低差がある。水量が多い所は胸元まで水につかりながら、段々を上っていく。ひとつひとつのプールも絵になる美しさ。

最奥手前は「天女の羽衣」と呼ばれる上層があり、L字の広くはない空間にカーテンやフローストーンが所狭しとひしめきあっていた。まっしろなフローストーンやベーコンがあり、ベーコンにライトの光を当て透ける様子に一同感動する。

行きは10cm程の隙間があった水くぐりが、帰りは5cm程に上昇し、口以外は完全に水に浸かった。斉藤さんのヘッドランプが流される。

11:30、出洞。案の定沢の水位が上がり、川面が茶色く濁っている。途中、一日に数回水が噴き出すという「草間の間歇冷泉」を見ながら、なるべく沢に入らないように巻いて歩く。

12:10、駐車場到着。着替えてから在京に連絡。

13:00、荒島さんおすすめの「そば道場 田舎屋」で昼食。人気ナンバーワンのけんちんそば、山菜そばを食す。

14:50、JR井倉駅にて斉藤さんを見送る

15:00、「井倉洞」を観光。井倉峡の絶壁は圧巻だったが、洞内は生成物のコケや汚れが多く、少しいたたまれない気分になった。

17:00、「新見千屋温泉 いぶきの里」にて入泉。

18:30、宿舎到着。

21:45、家崎・湯野川は荒島さんと別れ、荒波さん・高橋さんと共に車で帰路へ。他の方々は17日まで活動されるとのこと。


16日11:00、JR登戸駅にて解散。
湯川第5洞・光鍾乳石付近 湯川第5洞・光鍾乳石付近 湯川第5洞・天女の羽衣
真っ白なフローストーン 洞内は幾多のプール 「天女の羽衣」のベーコン
湯川第5洞・希望の滝 佐伏川 井倉峡
「希望の滝」の前で記念撮影 増水した帰路 そびえ立つ井倉洞の石灰岩壁


初めての阿哲台、満喫してきました。空間の広さに圧倒され、二次生成物に魅了され、水くぐりや狭洞のくぐり抜けなどアスレチックな部分も多々あり、とても楽しめました。特に二次生成物は白さ、リムストーンプールの多さ、ベーコンに驚きました。
その一方で洞窟の危険も感じました。中日の水深1mプール、最終日の沢アプローチ、水くぐりの水位上昇など。水穴、と呼ばれる阿哲台の洞窟の楽しい部分、怖い部分を両方見ることができたのは、貴重な体験だったと思います。
現地では荒島さんに大変お世話になり、「岩屋の穴」の洞口を教えて下さった青年会の方や、宿舎管理人の山口さんに暖かく送り出していただき、岡山はすごく良いところでした。渉外方法やアプローチも教わってきたので、是非また行きたいです。(文責 家崎晶)

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