タイトル 地底旅団ROVER元老院第277回CAVING
サブタイトル 第22次龍泉洞再測量調査 at 岩泉町・龍泉洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞穴 龍泉洞(湧口・湧窟・龍泉窟)、龍泉新洞科学館(龍泉新洞)
日 程 2012年12月28日(金)〜2013年1月4日(金)
参加者 千葉、細野、菊地敏雄(日本洞穴学研究所)、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、武繁俊哉(パイオニアケイビングクラブ)、山下泰史、戸塚絹代(以上、龍泉洞カルストプレインプロジェクト)、新井健汰、倉片宏樹(明治大学付属中野中学校・高等学校地学部)、家崎晶(立正大学探検部OG) 以上11名
龍泉洞・第3地底湖日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。
今回は登攀による第1、第2、第3、第4地底湖上部の探検を中心に活動を行った。


12月28日21:00、細野が車両にて東京を単独出発。盛岡に近づくにつれて吹雪になり、視界数メートルという事もあったが、路面の雪影響はほとんど無く、順調に北上。


29日5:00、日本洞穴学研究所前に到着。車中にて仮眠。

10:00、龍泉洞事務所に出向き小向所長へ挨拶。今回の活動趣旨を説明する。

11:00、警察署・消防署・岩泉病院へ挨拶回り。宿舎である尼額公民館に到着。山口・山下さん・戸塚さん・新井・倉片が順次到着、宿舎整備を行う。

13:00、道の駅「いわいずみ」のレストラン「大地工房」にて各々注文。松本も合流し、食材購入。

15:00、宿舎に到着。団装の搬入と環境整備を行う。

17:00、SRT初心者である新井・倉片の講習会。山下さん・戸塚さんもおさらい練習。

19:00、夕食は簡単に作れる牛丼。後で思えば、短角牛にしなかったことを後悔。
活動装備の準備を行う。

21:00、活動開始。全員で「白亜の議事堂」から「月宮殿上部」ルートのファンケイビング。足場の少ない最初のトラバースで山下さん・戸塚さんはヤヤ引き気味であったものの難なくクリア。その後のSRT個所で確保を確実に取っていなかったなどの理由で新井・倉片が上下から怒鳴られる。
「月宮殿上部」に到達し自由行動。観光通路との連結部分と次回行う予定の登攀箇所を確認した。
戻りの下降個所で新井が少しパニックを起こす。冷静に声をかけて無事下降。
その後、初龍泉洞の高校生2名は観光。

26:30、活動終了。

27:00、宿舎へ戻り、御飯、味噌汁、漬物と簡単な朝食。高校生は消灯。大人はビールを飲みながらケイビング界の高齢化についてのマジ談話が始まる。

29:00、順次消灯。
龍泉洞・旧洞口付近 龍泉洞・白亜の議事堂 龍泉洞・月宮殿上層
リニューアルされている説明板 足場の少ないトラバースを進む 二次生成物が発達


30日10:00、武繁さん到着。新品のスタッドレスタイヤを試したくて今回は愛車で来たとのこと。

13:00、順次起床。
龍泉洞観光ホテルで入泉。まったりした時間を過ごし、食材の買い出しを行ってから宿舎へ戻る。

17:00、新幹線+バスで千葉到着。夕食は中華丼、水餃子、中華スープと中華の日。
「そんな箸の持ち方じゃ彼女なんてできない」と早速、千葉から高校生への洗礼「箸の持ち方」講習が始まる。

20:30、活動開始。
【龍泉洞巡検班(武繁・細野・新井・倉片)】
「水晶宮」周辺を巡検する。高校生2人はキクガシラコウモリを楽しそうに眺めている。
その後、「石山新洞」へ移動。狭いながらも高校生はテンションがあがり、楽しそうに活動していた。

【アタック班(千葉・松本・山口)】
まずは第1〜第2地底湖間の観光通路より上層へ延びている部分をフリーで登る。上部は次第に狭くなっていき、通過不可能になっていることが確認された。
続いては第2〜第3地底湖間の上層部へ。ここは常時滴下水があり、大雨になるとかなりの水量が落ちてくるポイントである。
第3地底湖の欄干より松本が人工登攀を行う。5mほど登ると、第2地底湖方向へ延びる通路を確認できた。すぐに2ルートに分岐している。
ここで選手交代。千葉が右ルートの右のアタックを開始する。ほぼ垂直に延びる通路を人工登攀で登りつづけ、+32m地点で直径10cmほどで通過不可能になっていた。ここからは微水流があり、これが第3地底湖の滴下水であることが確認できた。
また選手交代。山口が右ルートの左をアタックする。ここは観光通路の滴下水防御用アクリル板の上につながっていた。約5m登攀したところではグアノが堆積している個所も確認できた。

27:00、活動終了。

27:30、宿舎へ戻ると、山下さん・戸塚さん作の稲荷寿司、ポテトサラダ、コールスロー、ワカメおにぎり、ちらし寿司が山のようにできていた。これらは活動前の夕食に取っておくことにし、朝食は軽めにキノコクリームパスタ・オニオングラタンスープ。晩酌しながら順次消灯。
龍泉洞・第1〜2地底湖間 龍泉洞・第3地底湖上層 龍泉洞・第3地底湖上層
第1〜第2地底湖間の上層部へのアタック 第2〜第3地底湖間の上層部へのアタック 選手交代して人工登攀を続ける


31日9:00、山下さん・戸塚さん帰京。

12:00、家崎到着。
龍泉洞観光ホテルで入泉後、宿舎に戻り仮眠。

17:30、夕食(お稲荷さん、ポテトサラダ、コールスロー、豚汁)。活動準備。

20:00、活動開始。
【アタック班(千葉・松本・山口)】
前日に続いて第2〜第3地底湖間の上層部を行う。左ルートを松本がアタックすると観光通路に到達、登攀作業をしているところを確認できた。まだ上層へは続いている。

【龍泉新洞巡検班(武繁・細野・家崎・新井・倉片)】
龍泉新洞の巡検と非観光部分の水量の確認を行う。
出洞後は龍泉洞に戻り、「蝙蝠穴」にて蝙蝠頭数の確認と事前情報のあった怪我しているキクガシラコウモリの状況確認を行う。

23:30、年越しカウントダウンのため、各班が第3地底湖に集合する。
恒例の年越しそばを準備をしていると、第3地底湖にプカプカ浮かぶ物体を発見。なんだろう? すぐさまレスキューに向かうと、救出したのはモグラの溺死体であった。しかし、どうやってここまで来たのだろうか…。
地底湖の水で作ったカップそばを食べてからカウントダウン。

24:00、あけおめ!ことよろ!新年の談笑。

24:30、活動再開。武繁さん・新井・倉片は宿舎に戻る。
【アタック班(千葉・松本・山口)】
千葉が左ルートの続きで人工登攀を行う。新年の初活動が人工登攀だなんて・・・。
まだまだ続いていたが、持ち合わせていた降下用ロープが足りなくなりそうであったために撤収した。

【龍泉洞観光班(細野・家崎)
初龍泉洞の家崎を細野が案内した。

25:30、家崎・細野も宿舎へ戻り、家崎のSRT講習会を開催。

26:30、アタック班も宿舎に戻る。家崎のSRTをつまみに酒盛り。順次消灯。

29:00、家崎SRT講習が終わって全員消灯。
龍泉洞・第3地底湖上層 龍泉洞・第3地底湖上層 龍泉洞・第3地底湖上層
第2〜第3地底湖間の上層部 2013年の初活動は人工登攀 第3地底湖を上から望む
龍泉洞・第3地底湖 龍泉洞・第3地底湖 龍泉洞・第3地底湖
第3地底湖に浮かぶものの確認へ 第3地底湖に浮かんでいたモグラ 恒例の地底湖の水で作る年越しそば


1日(元日)9:00、新井・倉片は皆に挨拶もせず帰京。若者は非常識である。

10:00、龍泉洞観光ホテルで入泉。
その後、武繁さん・松本・家崎は食材買い出し。千葉・細野・山口はみやげ屋にて物色。

11:30、宿舎に戻る。豚汁、つまみでブランチ。順次仮眠。

17:00、菊地さん到着。

18:00、夕食は菊地さん差し入れの刺身と、菊地さんリクエストの湯豆腐である。本日は活動オフ日となったが、初龍泉洞である家崎は今日が最終日であったため、山口が同伴して第7、第8地底湖の巡検を行うことになった。

20:00、山口・家崎が活動開始。時間がかかったものの、SRTは合格だったようである。

23:55、出洞。レスキュータイムを24:00と設定していたため、宿舎組は黙って入洞準備をしていた所であった。

24:30、家崎は車両にて離脱。明日は韓国へフライトするらしい。なんて忙しい奴だ。
山口も交えて懇親会。順次消灯。
龍泉洞・煙突穴 龍泉洞・煙突穴 龍泉洞・第7地底湖
煙突穴を登る家崎 さらに登って最奥部を目指す 第7地底湖をトラバースする


2日7:30、順次起床。朝食(カレー、豚汁)

9:00、千葉はバス+新幹線で帰京。
他の者は龍泉洞観光ホテルにて入泉後に仮眠。

17:00、全員起床。夕食(カレースパゲティー、ミートソーススパゲティー)。
松本が体調不良を訴え、今晩の活動を断念。

20:00、活動開始。
【アタック班(細野・山口)】
第2〜第3地底湖間の上層部の左ルートの続きを山口が登攀。
その間、細野は右ルートの右の再確認を行う。

24:00、選手交代。山口の続きを登攀すると、横方向に伸びる空間に到着。足元に直径40cm程の竪穴が空いており、故意に落石させたところ、第3地底湖に着水するのを待機していた山口が確認した。今回はこの空間の奥の探検箇所を残したまま終了となった。

26:00、武繁さん帰京。

27:00、活動終了。宿舎に戻り、順次消灯。
龍泉洞・洞口 龍泉洞・洞口 龍泉洞・第3地底湖上層
やや雪が積もった洞口 アタック班の入洞前記念撮影 何度見ても第3地底湖の眺めはいい


3日9:00、起床。朝食(マーボー豆腐、中華スープ)

12:00、活動開始。
【アタック班(松本・山口・細野)】
第4地底湖にトラバースラインを張り、南側壁面より登攀を行う。上部を確認したところ、ライトが届く範囲以上続いていることが確認できた。
次回は積極的に登攀を進めていく必要があった。

14:30、活動終了。龍泉洞観光ホテルにて入泉。買い出し。

17:00、宿舎へ戻り、尼額公民館にて今回の活動報告会。龍泉洞事務所所長との懇親会。

22:30、順次消灯。
龍泉洞・第4地底湖 龍泉洞・第4地底湖 龍泉洞・第4地底湖
第4地底湖のトラバースラインを張る さらにトラバース とりあえずテラスに到達


4日8:00、起床。朝食(いわて短角牛肉のスキヤキ)。

11:00、宿舎の片付け、清掃。

12:00、龍泉洞事務所挨拶。警察署・消防署・病院への連絡。

13:00、現地解散。

22:30、細野帰宅。


今回の活動は、観光通路上部の未確認部分を探査した。やはりと言うべきか、上方向に伸びていることが確認できた。約30m地点で収束したり、空間・通路が見られることが多く、今後の調査を進めるに当たり、1つのポイントとなる高さであると思われる。
観光通路の上を見ながら歩いていると、未探検箇所が何ヶ所も残っており、今後の活動でこれらの竪穴登攀・探査を行う必要がある。(文責 細野誠)

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