タイトル 地底旅団ROVER元老院第251回CAVING
サブタイトル 第18次龍泉洞再測量調査 at 岩泉町・龍泉洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞穴 龍泉洞(湧口・湧窟・龍泉窟)
日 程 2010年12月28日(火)〜2011年1月4日(火)
参加者 細野、菊地敏雄(日本洞穴学研究所)、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、鈴木雅子、照井資規(洞窟救助隊)、久保彰良、武繁俊哉、久米大作、竹内博、戸塚絹代、長山雅之、三浦俊一、山下泰史、和田浩之(以上、龍泉洞カルストプレインプロジェクト)  以上15名
龍泉洞前 日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。
第9次調査で確認された第7・8地底湖の周辺において、これまで第5・6地底湖に至る通路の発見に重点を置いて探査したが発見には至っていない。過去の潜水調査位置との不整合問題を検証するには、第3地底湖から水中通路の潜水調査を行なうしか方法が無い事から、「平成21年度日本洞穴学研究所総会」にて提案、承認され、41年ぶりの潜水調査が実現した。
今回は第3次潜水調査となる。


12月28日21:30、細野は東京を単独出発。いつもは都内を24:00頃に出発するのだが、帝都組で初日からの参加は1人だけとなっていたため、愛車で「龍泉洞」を目指して東北自動車道を北上。眠気覚ましに学生時代にハマっていたメタル系の音楽を聴き唄い、喉を嗄らす。


29日3:30、東北自動車道を降りて盛岡市内に到着。連日の降雪で、主要道路もままならないと、山口より情報をもらっていたので不安ではあったが、除雪がされており、問題なく通過。朝方の冷え込みによる路面凍結が気になったため、仮眠を取らずそのまま峠越えをすることにした。

6:00、日本洞穴学研究所前の駐車場に到着。途中購入した弁当を食し、車内にて仮眠。

10:00、起床。集合時間になったので龍泉洞事務所に行く。皆が集合しており、寝起きの顔で挨拶を行う。到着していた松本が起こしてくれたようだが、爆睡していて気づかなかった。挨拶の後、宿舎である尼額公民館に移動し、装備・食材の荷物搬入と環境整備。昼食をとる。

12:30、活動開始。第3地底湖は12月22日の豪雨による濁りが完全には取れておらず、29日以降の潜水活動が不安にもなる状態であった。菊地さんは関係機関への挨拶廻り。
ダイバーは、全員が各配置場所へ全資材の搬入と、ガス充填作業を行う。
ケイバーは、松本・細野は電動式昇降リフトを人工トンネル前の展望台に搬入し、途中の第2地底湖上のテラスまでリフト設置を完了。

16:30、松本・細野は夕食準備のため離脱。途中で買い物をして宿舎へ戻る。

19:00、山口が到着。全員で夕食。男2人で作った麻婆豆腐と卵スープ。簡単料理だがボリュームたっぷりな夕飯となった。その後ブリーフィングを行う。

21:30、皆、移動で疲れていたこともあり、早い時間より順次消灯。


30日6:00、起床。朝食準備。

7:00、朝食後に準備を行い、活動開始。
ダイバーは、ガス充填作業、フーカー設置作業。
ケイバーは、菊地さん・松本・山口は第2地底湖上のテラスから人工トンネル前の展望台に電動式昇降リフトを設置するために苦慮するが、設置位置が確保できない状況であり断念。カウンターウェイトでの昇降に切り替えることになる。
食当である細野は宿舎に残り、昼食のスパゲッティ16名分を茹でるのに奮闘する。

12:30、昼食。鈴木・照井が到着。

14:40、活動再開。
ダイバーは、フーカー式潜水器で現地本部と会話しながら第3地底湖の環境状況を確認。潜水に差支えないと判断。2回目の潜水では第3地底湖湖底にダイバーモニター用カメラとライトの設置を行う。
ケイバーは、松本・細野・山口はカウンターウェイトの設置、充填完了ダブルタンクや重量装備を第3地底湖まで運び込む。
食当(鈴木・照井)は宿舎で夕食準備。

17:00、活動終了。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、宿舎へ戻る。

19:00、夕食。照井こだわりのカレー、通称「戦車カレー」である。初めて食すダイバーの皆さんにも好評。夕食後、ブリーフィングを行う。

21:00、翌日の潜水に備えダイバーは早めの消灯。ケイバーは一寸宴会で順次消灯。


31日(大晦日)4:00、照井・長山さん・大濱さんが離脱。皆まだ就寝中。

6:00、起床。「雪がぁ〜」の声が聞こえてくる。外は降雪で既に約20cm積もっている。これからどれだけ降り続けるのか不安になる。

7:00、朝食。準備を行い活動開始。
ダイバーは、第15次調査で設置したプライマリーラインの確認。A洞と思われる竪穴を確認するが、タンクを背負った状態では侵入不可能なサイズであると確認。
ケイバーは、山口・細野が第7地底湖へダイバーの目印として点滅式水中ライトの設置。松本はタンクの昇降サポート。
食当(鈴木・戸塚さん)は昼食準備のため宿舎に残り、大量のお稲荷さんを生産。

13:00、昼食。洞外は依然雪が降り続けている。

14:30、活動再開。
ダイバーは、第5地底湖下部のドーム状ホールまでプライマリーライン延長。第5地底湖浮上を視野に入れ上方部分までラインを延長する事を試みるが、シルトの落下や舞い上がりで視界が悪くなってきたため、帰還。
ケイバーは、松本・山口がタンクの昇降サポート。
食当(鈴木・細野)は夕食準備のため、宿舎へ戻る。

17:00、活動終了。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、宿舎へ戻る。

19:00、夕食。メニューは「年越しそば」。数時間後に年が変わることを実感しながらブリーフィング。

23:30、年越しを「龍泉洞」洞内で行うため、希望者を集い第3地底湖へ向かう。通常の活動では深夜活動であるため、おのずと年越しは洞内で過ごすのだが、今回はわざわざ行ってカウントダウンとなる。ダイバーからは、なかなか出来ない経験が出来たと喜んでもらえたようだ。

25:00、順次消灯。
龍泉洞・第2地底湖上 龍泉洞・第3地底湖 龍泉洞・第3地底湖
第2地底湖上から電動昇降リフトを設置 ダイバーは潜水準備 潜水開始直前の風景


1月1日(元日)6:00、起床。外を見ると雪が積もり、深いところで膝下位まで積もっている。

7:00、朝食。お正月らしく、もち三昧。雑煮、あんこ、いそべ、きなこ、クルミと種類豊富でお正月気分が上昇。ダイバーが水中にあるナチュラルブリッジにロープセットを行うため、作業のイメージトレーニングを行う。

9:30、活動開始。
ダイバーは、ナチュラルブリッジに予備ステージタンク配置用ステーションを設置し、タンクを配置。
ケイバーは、細野・山口は第7地底湖に設置してある点滅式水中ライトの電池交換へ行くが、持参した電池サイズを間違えたため断念。一応点灯していたため、そのまま水中へ戻す。このライト、一見必要なさそうであるが、潜水しているダイバーにとっては、その位置上部に人が居られる箇所が有ると言うことが分かるだけでも心強いとのことであった。菊地さん・松本はタンクの昇降サポート。
食当である鈴木は昼食準備のため宿舎へ残り、これまた大量なサンドイッチを作る。

12:00、昼食。暖かいスープはうれしい食事。サンドイッチもほぼ完食となる。みな、洋食系の方が進むらしい。

14:30、活動再開。
ダイバーは、第5地底湖があると推定されるホールで付着しているシルトを落とすために、タンクのバルブを故意に開放し空気をフローさせる作業を行う。視界不良が徐々に迫る中、無事帰還。
ケイバーは、松本・山口がタンクの昇降サポート。
食当(鈴木・細野)は夕食準備のため追加食材購入をし宿舎へ戻る。仕事の都合で途中離脱していた照井・大濱さんが予定より大幅に遅れて到着。雪の影響で主要道路が通行止めとなっているため、大回りをしてやっとの到着した。

17:00、活動終了。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、宿舎へ戻る。

19:00、夕食。生姜焼きと山盛りキャベツの千切り。栄養の偏り易い合宿食事ではあるが、今回の活動ではバランスを考えたメニューを事前に考えられている。夕食後ブリーフィングを行う。

22:00、順次消灯。


2日6:00、起床。

7:00、朝食。鈴木の準備した「ぜんまいの煮物」は絶品だった。

8:00、活動開始。
ダイバーは、前日のシルト落としの効果があり、視界良好。第5地底湖につながると推定される竪穴を調査。浮上するも頭上閉塞となり、湖面は確認できなかった。
ケイバーは、松本・山口は第7地底湖に設置してある点滅式水中ライトの電池交換。細野は1月4日から始まるリニューアル工事に伴い、「白蝋宮」にいるコウモリの種類と生息数の状況確認を行う。
食当(鈴木・照井)は昼食準備のため宿舎へ残る。

12:30、昼食。照井自慢の唐揚げ。通称「戦車唐揚」ちょいピリ辛の御飯が進む唐揚げである。一緒に準備したおにぎりもほぼ完食。

14:30、活動再開。
ダイバーは、3日の潜水のためにタンクの交換及び準備を行う。
ケイバーは、菊地さん・鈴木・照井がタンクの昇降サポート。
食当(松本・細野)は夕食準備のため入泉後、宿舎へ戻る。

17:00、活動終了。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、宿舎へ戻る。

19:00、夕食。毎回有りがたい差し入れが届く。そのなかには秋に採れた「マツタケ」が冷凍された状態で届いた。冷凍されていても外へ香りが調理部屋に漂うほどである。これを惜しみもなく大胆に使用してマツタケごはんを作った。小ぶりのものは刻み、大ぶりの3本を選びそのまま投入。そして、松茸のお吸い物。ちょっと場違いな麻婆春雨。贅沢を極めた夕食の後、ブリーフィング。

21:30、SRT未経験の照井と、陸上ルートを確認したいと要望のあったダイバー1名を第7地底湖へ案内することになり、夜中のSRT講習会を行う。

23:00、順次消灯。


3日6:00、起床。朝食。

8:00、活動開始。
ダイバーは、ナチュラルブリッジに設置したタンクを回収と周辺の写真撮影を行う。
ケイバーは、松本は第7地底湖に設置してある点滅式水中ライトの電池交換。細野・山口は戸塚さん・照井を第7地底湖へ案内サポート。時間の関係上、照井は天井竪穴30m地点までで折り返すことになる。SRTどころかケイビング初体験の戸塚さんだが、途中怯むことなく、第7地底湖まで到着。第3地底湖レベルの地底湖を想像していたようで、ガッカリしていた。

12:30、昼食。山口とダイバー2名が帰るため、洞口で集合写真を撮る。

14:30、活動再開。
ダイバーは、第3地底湖湖底に設置した水中カメラとライトの回収を行う。
ケイバーは、タンクの回収及び電動式昇降リフトの解体と搬出を全員で行い、夕食準備のため入泉後、宿舎に戻る。

17:00、ダイバー活動終了。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、宿舎へ戻る。

19:30、懇親会。今回の調査期間中もダイバーは健康管理のため睡眠時間確保・食事の管理を行ってきていたため、最終日の懇親会は、酒も入り盛り上がった。昨年同様、沢山の差し入れもあり、飲食には困ることがなく、2種類の鍋とふんだんな食材で色々なツマミを振る舞うことができた。

24:00、順次消灯。


4日6:00、起床。朝食。

8:00、活動開始。各人、個人装備を整理。全員が分担し、ダイビング装備、解体した電動式昇降リフトを搬出。菊地さんは関係各所へ活動報告を行う。ケイバーは宿舎へ戻り、環境整理・掃除後、山崎氏へ挨拶を行う。

13:00、活動終了。現地解散。各々帰路につく。不安であった主要道路の通行止めも解除となり、通常ルートで峠を越え、東北自動車道にて東京へ向かう。

22:30、都内にて鈴木と解散。


今回の活動内容は、ケイバーは装備運搬・食事のサポートであった。
潜水報告内で、おおよその距離・方位が分かり、その位置関係から陸上部隊は第7・8地底湖からの調査方向性が見えた。
昨年の第15次調査から3回目の潜水活動。2年間、この情報が欲しかった。次回以降の活動では報告内容に沿っての確認調査を行い、新ルートの開拓を行っていきたく思う。(文責 細野誠)
龍泉洞・第7地底湖 尼額公民館 龍泉洞付近
第7地底湖から水中ライトを下ろす 1月2日、龍泉洞前の積雪 マツタケごはん

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