タイトル 地底旅団ROVER元老院第228回CAVING
サブタイトル ホワイトクリフ 暗黒への最終決戦 at 秩父市・大ガマタ沢・ケイ谷洞
分 類 合同・ファンケイビング
入洞洞穴 大ガマタ沢・ケイ谷洞/雲海鍾乳洞第2洞
日 程 2009年5月30日(土)〜31日(日)
参加者 千葉の、芦田、村野て、脇海道、荒木、岩切恵美子、荒波遼太(以上、東洋大学探検部)、小池純(明治大学地底研究部OB) 以上8名
中津川林道中津川大ガマタ沢源流に開口する「大ガマタ沢・ケイ谷洞」は、1986年にパイオニアケイビングクラブの新洞探査・ディギングによって発見された竪横複合型洞穴である。洞口位置がわかりにくく、徒歩アプローチに90分程度かかるためか、訪れるケイバーも限られている。洞内はクラック状のところが多く、1996年には−30mクラックにおいて滑落・狭洞拘束となり行動不能となる事故が発生しており、斜面や段差箇所も多いので、技術的にも体力的にもハードな洞穴である。
本活動は、予定していた体験ケイビングが中止となったため、振替ファンケイビングとして、地R元と東洋大学探検部の懇親および技術交流、洞口のGPS測定、奥秩父林道からのアプローチを検証をするため企画された。


30日20:30、JR立川駅にて集合予定であったが、千葉が仕事のため遅刻。参加予定であった木崎も盲腸のためキャンセル。荒波君・岩切さん・荒木で雑談しながら千葉の到着を待つ。

21:10、千葉到着。JR立川駅を出発し、途中で村野と合流する。その頃、西武線新狭山駅にて小池さん・芦田・脇海道も集合していた。

23:00、秩父市内のサンクスにて全員合流。

24:00、雨が降ってきたため、急遽予定を変更して、道の駅「大滝」の駐車場にて幕営することに。岩切さんが持ってきた野池さん@東京スペレオクラブからのお土産の金粉入り鹿児島日本酒などを頂きながら懇親会。穴と虫の話題で盛り上がる。

25:15、消灯。コンクリート床が思いのほか冷える。


31日4:00、駐車場に住んでいるツバメたちの鳴き声のため続々と起床。うるさすぎる。

6:15、各自朝食を済ませ、道の駅を出発。雨は止んでいる。

7:00、未舗装路の中津川林道を進み、大ガマタ沢出合いに到着。

8:00、準備を済ませてアプローチ開始。沢を渡ったり戻ったりと蛇行しながら上流へ進む。週末の土砂降りのため水量が心配されたが、水の濁りもなく綺麗で水量もあまりなかった。長靴組はどんどん進んで行くが、足袋ケイバーの荒波君は一生懸命水に入らぬよう岩場を飛び移り頑張っていた。最初に沢を渡るときに挫折した荒木は、登山靴を水浸しにして長靴の後を着いていく。水があまり冷たくないのに驚いた。流れはゆるやかに見えるが早く、油断すると足を取られてしまいそうである。
地形図を参考に芦田・脇海道・荒波君が代わる代わる先頭に立ち洞口を目指す。定期的に地面が削れているのか、落ち葉にガレ石が散乱している場所が多くて歩きづらく感じた。急な斜面も多く、落石に注意しながら沢を登って行く。
脇海道・荒波君・岩切さんの若手組が先頭に立ち、急斜面を登っている後を着いて行っていると、突然岩影から50cuはあるであろう岩が降ってきた。人為的な落石である。ちょうど岩影で上部が見えず、どの方面に逃げたらいいものかわからない。更に岩と丸太が降ってきて、芦田は飛び除けてギリギリ回避。危うく大怪我するところであった。全員がこの恐怖を味わったのだと思っていたら、村野だけは離れた場所から逃げ惑う千葉たちを眺めていたらしい。
この時点で沢を間違えていたことがわかったが、GPSでトラバース移動、予定通り2時間ほどで洞口到着。しかし、出発時は晴れていた天気も途中から雨が降ってきてしまいだいぶ濡れてしまった。

10:00、お腹が空いたので入洞する前に早くも昼食。若干凍えてくる。

大ガマタ沢・ケイ谷洞11:00、洞口が分かりづらいと聞いていたが、入洞経験のある千葉の話と写真からすぐに洞口は見つけられた。小雨だった雨も本格的に降り出してくる。なぜか雨のなか洞口前で脇海道たち若手組が千葉を待っているらしく待機している。さらに凍えてくるのでたまらず荒木入洞。さほど小さくもない洞口だと思って油断しているといきなり突起物の岩に引っ掛かってしまった。1mも進むとすぐに小さなホールにでた。洞内も滴下水が大粒で少々寒い。
SL芦田を先頭に洞奥へ進む。あまりとっかかりのない洞壁と泥で足が滑る。すべてが「魔のクラック」に思えてしまう。コウモリおろか生命体をまったく見つけられなかった。洞窟には必ずカマドウマがうじゃうじゃいるのだと思っていたが、違うようだ。他の洞窟と洞内環境がそんなに違うのだろうか?

12:15、「鍾乳石ホール」に到着。ホールを登るのに皆大苦戦。荒波君・芦田・脇海道は途中までフリーで登ったものの上部に到達できず。見かねて千葉がさくさく登り、確保用アンカーを打つ。特に美しい二次生成物もなく、ドロドロの洞窟である。寒さと手持無沙汰のため小刻みに動いたり、ランプを消して暗闇を楽しんだりしつつ、談笑と沈黙を繰り返す。

13:00、確保ロープ完成。続々と上部へ登っていくが、足が泥で滑り岩切さん・荒木はなかなか苦戦した。

13:50、そろそろタイムアップのため「魔のクラック」を見学して引き返す。体力万全でも、突然このクラックが目の前に現れても普通の人間は絶対にこんなところは通らないと思った。正直、わくわくする余裕など湧かず、通ってやりたいというよりも通っている人を見たいと思った。「魔のクラック」はもちろん恐ろしいが、途中のクラックもうっかり滑り落ちればとても這いあがれそうになく、随分と冷や汗をかいてしまった。行きはなんとかなったが帰路で荒木はチムニーがうまくできず、村野が自らクラックにはまり、床となり助けてもらい脱出することができた。

15:30、出洞。雨は止んでいる。洞口上部にあるはずの林道へ登るルートを探しつつ帰路へ。「雲海鍾乳洞第2洞」を確認するが時間もないこともあり、あまり入り込むことはしなかった。ガレ場や急な登りで疲労がピークに達する。

17:00、みなが「雲海鍾乳洞第2洞」に気を足られている間に、小池さんが奥秩父林道を発見。一安心。林道脇の木にロープで見印を作り、出合いに戻る。ガレ場の急斜面を登るのはかなり筋肉を傷めつける辛さがあったが、平坦な林道は楽に歩けた。すぐにでも出合いなのだと思っていたらなかなか着かずに不安になってきた。

18:30、オオガマタ沢出合いに到着。30分そこらかと思いきや、とんだ大誤算である。

19:00、片づけをして出合いを出発。どんどん暗くなってくるのであまり装備を洗うことができなかった。というより、いつもは川でバシャバシャするだけである程度きれいになっていたものが、泥がベッタリ付いているため、いつもの洗い方ではダメだったようだ。

19:30、携帯に電波が入るようになり在京に連絡。大滝温泉「湯遊館」は20時までのため、この時点で温泉を諦める。

20:30、焼肉店「一番館」にてホルモン焼きを食す。会計の安さに一同驚く。個人的にはハツが美味であった。

21:30、「一番館」駐車場にて解散。立川組出発。終電に間に合うか怪しい時間。村野宅にて村野が離脱するが、急かされたため千葉車からつなぎを取り忘れてしまう。

23:00、千葉が車を飛ばし、荒木・荒波君・岩切さんをJR拝島駅で降ろす。JR立川駅南武線乗り場にて解散。岩切さんが電車内で愉快な酔っぱらい家族に絡まれてた。彼女は酔っぱらいに山に行ってきたのだと説明していた。やはり洞窟とは言わないのだなぁと思いつつ荒木は睡魔と闘い帰路へ。


沢の水がきれいでいろんな種類のコケが繁栄しており、アプローチ自体も十分楽しめた。生物採集のため脇海道は折り畳み式の虫取り網を持っていたが、雨ということもあってか全く収穫はなかった様子。私は行きにロープを持っていただけで、他の人は電動ドリルやラダーを担いでいたのだと思うと、申し訳ない気持ちと感謝でいっぱいになった。本を読んだ知識として、必要な装備やテクニックは理解したつもりでいたが、実際に活動して装備の重量や自分の体の使い方の難しさを感じた。
途中からファンケイビングを楽しむというよりも、とにかくチムニーができずすっかり自分に落胆してしまったが、できないことが分かったので次回最奥部を目指してもっといろいろな穴の経験を積みケイビング特有の筋力や体力をつけねばならないと思った。
他団体や大学探検部の方たちと一緒に活動することができて、彼らの入った穴の話を聞けたり、旅団員とは違う装備を見ることができて勉強にもなった。(文責 荒木ひとみ)
大ガマタ沢 大ガマタ沢・ケイ谷洞・洞口ホール 大ガマタ沢・ケイ谷洞
沢をひたすら登って洞口へ 洞口ホールでの記念撮影 クラック状の通路を進む

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