ほねだいくの木工日記
丸ノコキックバックの原理
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丸ノコのキックバックは怖いです 集中している時は未だいいですが心身が疲れていると大怪我のもとになります 何故起きるかなど説明は取り扱い説明書にも見られません 私なりに考えた原理をまとめてみました 専門書にはきっと載っているんでしょうが 転載・活用していただければ大歓迎です
img12 正常に切削している時の側面図です
刃の深さを材からわずかに出るようにしているときです
刃は図のように回転し、鋸には下向きの力が作用し 安定します チップの先端が材を切削している限り 手前に戻ろうとする力は大きくなりません
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上から見た図です 刃の前半分が完全に切削されていない材に支えられ 方向が安定し まっすぐ進むと同時に キックバックしない保障になります
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刃を出しすぎたときの側面図です 
この危険は裏に刃が出ていることではありません
刃の前方部分で材が完全に切れていない部分(濃茶色)の幅が狭い事が危険です このため刃の方向が安定しなくなります
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この時の上からの図です前方での支えが少ないため刃が斜めになり易くなります すると刃の後方部分の側面が切り離された材の切断面に当たります 面同士の接触で強い摩擦がかかります 操作者は刃が浮き上がろうとする力を感じます 造作用など 薄い刃で刃の剛性が弱いと刃がたわんで同様の危険が大きくなります 刃が磨耗して切削抵抗が大きくなっても危険が大きくなります 丸ノコそのものの剛性が不足して刃が傾斜・振動しても同じことが起きます 安価な不良品には要注意です
 同様の現象は材の反りでも起きます SPFなど柔らかい材ではおきにくいですがアマチュアが急に硬い木材を切るときは要注意です 木材は切り離された瞬間に反ろうとします その結果上の図の状況がおきます 
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この力に負けると丸鋸は切削面から離れます すると後方の接触面の抵抗はさらに大きくなります丸ノコは後方に下がりつつ浮き上がろうとします 操作者は前に押す力はかけていますが浮き上がりに抵抗する力は余りかけておらず とっさの浮き上がりには対応できない時があります
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丸ノコが切削面から浮いてしまうとチップが材の表面にかかり 高速で後方に走り始めます これがキックバックです
 後方に反対の手や足があれば大怪我をします 私が診療したキックバックの怪我は 夕方疲れて 納期に追われた大工さんがつい不安定な材のおき方をし 身体や脚で材を支えながら状況で起きています
予防は
@ 安定した台に置くこと A切削能力ぎりぎりの厚い材木は避ける 特に硬い未乾燥の材は避ける
Bしっかりしたベースプレート(スチールよりアルミ)を選択し 丸ノコのブレを防ぐCチップ数の多い薄い刃はたわみ易く側面接触を起こし易いので慣れるまでは避けるD常に直線切り治具を使い、刃のブレを防ぐE刃の後方に反対の手や身体は絶対に置かない
 などが重要と思います
 丸ノコの使用説明書は本当に簡単なものでキックバックの説明も何もありません 刃の安全カバー・LEDライトなど工夫されていますが キックバックの予防の普及も是非ご検討ください
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